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アルドラの短歌

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アルドラの作った短歌です。よろしくお願いします。
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記事一覧

短歌10首⑨

・面白くないやつが入る落研のやっぱり留年している先輩
・ずっと好きでした付き合ってくださいって言葉、カーボンコピーで君に送るね
・薄毛用シャンプー的な優しさで抱きしめられる時思うお母さん
・君からの言葉をほんとは受け取ったことがないのを黙って生きる
・ちりとりをちとりりと言い直したらりりの部分で笑う当番
・まだ君が生きていた頃パトリシア、パンデミミック覚えてますか?
・美しいだけの女子大生たちが僕

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短歌十首⑧

・ヨギボーに座った時に体重が吸われる感覚なんか怖いな
・耳かきを燃やすと線香花火みたいになるんじゃ(短歌博士bot)
・おばあちゃんの家の匂いの恋人が貸してくれない岩波文庫
・たのしいね くらくなったね さようなら  とおくのくにでひとが死んだね
・遠くまで水が届くように潰したホースの形は無限
・ガスバーナーの火を青くして考える理科室の骸骨の性別
・僕が王になった日の夜、寝室に来る女の子の足が白い

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短歌十首⑦

・帰りたいような気がする。履歴書に卒業年度を書き込んだ時、
・太陽まで歩いて行ってもうダメだと思うところで引き返したい
・サイコロがまずあって、使い道を考えた人たちがすごろくを作った。
・フィレオフィッシュのWiki見てる人が底引網漁のページに飛んだ。
・バウムクーヘンをクウヘンと書く時君は鼻を鳴らしてる(※要出典)
・死体死体死体死体死体死体死体俺は死体としたい
・船は白いだけ、AVはエロいだけ

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短歌10首⑥

進化論 くじらと別れたバスで見た「次、絶滅します」のボタン
「チェリオって一口目だけおいしいね」「なんかこういうことって多いね」
魔王を倒した後のドラクエを十分遊んでセーブせず切る
十八ののび太がドラえもんと洗濯機を運んで腰を痛める
モンハンの回復薬の飲み方でレッドブル飲む 誰も見てない
仲良くなると黙って自分の鱗をくれる人魚の女の子が先に死ぬ
障がい者だけ乗せてどっか行く筋斗雲の上から見た街なん

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短歌10首⑤

・猫がする昔話「あれはまだスポイトでミルクを吸うとった頃」

・乳頭をガラスの壁に押し付けて犯される私を冷やす扇風機の強

・図書館を二人で出ていく土曜日の夜に手を握れその先に散れ

・贋作を描く必要がなくなった画家が最初に描いた絵とかも

・草原の虫の世界でカマキリの形のセイキンがしてる共食い

・目が死んでいるサラリーマンよりも目が生きている方が先に死ぬよな

・「新宿は豪雨」の椎名林檎ぐらい

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短歌10首④

・昔々、みかんに種があった頃、ユーエフオーの墜落を見た
・耳が貝の形になってるのを無視して菜箸で袋麺を食べてる
・「将来は立派な化石になりたい」と書いてある恐竜の進路志望書
・同窓会に行けないと思う僕たちを残して卒業式が終わった
・ジャムの蓋を開けられない手の力でオルゴールの螺子を巻いていく朝
・ヤンキーは爆笑(ばくしょう)を爆笑(ばくわら)と言ってた。切手の買い方を教えた。
・standに我慢の

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短歌10首③

・太陽の沈むあたりで飼い猫が家に鼠のおもちゃを忘れる
・明け方に二つの感情繰り返す僕らがいるのは地球ではない
・BLに興味があってBLに興味のある子にも興味があります。
・偏差値に身体を許した春の日は白地図に十字を書いて消すだけ。
・大学に捕まっている女の子たちを想像の中で助けた
・「何もかもクラスメイトになりました。じゃあ恋人になってください。」
・手品師の名前を忘れる。それさえも手品であるかの

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短歌10首②

・子供の頃にあだ名がなかった人たちがアップルパイを解凍している
・明太子フランスをうまく擬人化できれば結構バズると思う
・せんべいの王国に向かう雨雲を操る64のコントローラー
・奴隷たちに故郷の歌を歌わせて、みんなでそれを無視しませんか?
・しんべえが最後尾を走るのは分かる。喜三太が先頭は分からない。
・「斧使ってそうな顔ってありますね」から始まってしまった反乱
・1000年前に持っていきたい物。

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短歌10首

・画用紙に十字を描いて終わってるみたいな人生でごめんなさいね
・恐竜やクワガタとかの質量は本当は図鑑の重さだったな
・地球儀を回転させた手の爪を国語の時間に噛んでる気持ち
・スピッツが『スピッツ』ってアルバムを出してるのってなんか良いすね
・初恋の(初じゃないけど)あの子はガラスで構成されてた気もする
・身体の遠くも血が流れてる。雨の日に剥がしてしまったかさぶた。
・銃弾の速度を定める数式と国境線

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