作動家

銅像が動き出し、風紀を乱す。
そんなことは想定していなかった。
私は風紀委員としてなんとかしなければならない。
「ヒャッハー!ヒャッハー!」
銅像は饒舌だ。
それが原因でみんなが自分らしく生き始めている。
いわゆる自己肯定感が高いというやつだ。
みんなの自惚れを直さなければならない。
それが私の務めだ。
私は銅像を破壊することに決めた。
しかし、実際問題どうやって破壊したらいいのか?
野球部にあるバットでも破壊できそうにない。
爆破が現実的だが、私は風紀委員。
爆破のイロハを知らない。
いや、ただの言い訳だ。
あらゆることに対処できるのが風紀委員であるはずだ。
私は思いつく限りのあらゆる爆破を試した。
最後まで銅像は破壊できなかったが、それ以外は全て破壊することに成功した。
破壊王となった私は自己肯定感を最大限に高め、自惚れを最大限に高めた。
相変わらず銅像は饒舌だ。