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出会えてよかったと心底思えた本ーー『そもそも交換日記』を読んで。

わたしにとって、お守りみたいな一冊になる。

桜林直子さんと土門蘭さんの共著『そもそも交換日記』を読みました。

東京と京都、それぞれの場所で暮らす2人が、noteを通じて行った交換日記が収録されています。2020年3月24日から2021年3月30日までの一年分。

「雑談」を仕事にしている桜林さんと、インタビューや創作といった文筆業を仕事にしている土門さん。そもそも2人の立場から、ぐっと惹かれるものがありました。「コーチング(わたしのなかで“雑談”)」と「書くこと」にアンテナが日々立っているから。

寝る前のベッドの上で、通勤中の電車の中で、カフェで、時にはお手洗いで、2人の交換日記の内容をのぞかせてもらいました。

オンラインストアの紹介文の中にもありますが、2人は日記を通して、互いに心の機微をていねいに、ていねいに見つめています。読みながら、何度ハッとしたかわかりません。

金言がほんとうにたくさんあるのですが、中でも頭にガツン! と来たのが、『後天的に素直さを手にれる』(サクちゃんから 蘭ちゃんへ 2020年4月21日)のこの一節。

自分は変わらないままでも、何を捨てて、何を知るかによって、つまり知性でカバーすることで正直さは後天的に手に入れられるのだと。自分で言うのもなんですが、これって希望でしょう?

桜林さんは、正直な人を「自分の感情、欲望、知と無知を過不足なく捉え自覚していて、他人にどう思われるかで自分の考えや振る舞いが変わらない人」と定義していました。それは、生まれながらのものではなくて、後から手に入れることができる、と。そして、それを得るための方法を、次のように続けて書いています。

具体的にしたことは、他人の目を捨てること、人のせいにしないで自分がどうしたいか知ること、感情を無視しないで優先すること、知っている世界が狭いと認めて広げようとすること、そのためには他人の力を必要とすること。

以前わたしは、何かをするとき他人軸になってしまうーー人の目を気にしたり、相手がどう思うかを先読みしてしまったり、そういう〝義理〟を手放したい、とnoteに書いたことがあります。

この本を読みはじめたのがその直後くらいだったので、かなりびっくりしました。「これって希望でしょう?」と桜林さんは言っています。ほんとうにその通りです。正直な人になりたいし、努力次第でなれる。それはほんとうに希望だな、と思いました。

土門さんも次の日記でここに言及しています。さらに「正直」を実現する方法を「習慣」と位置付けて展開して……ああもう、本当に、2人の対話と、その展開が最高なんです(会う人会う人に触れ回っています)。

自分が欲しかった言葉をくれる本は、「お守り」にふさわしいのではないかと思うんです。この本はまさにそれだなあ、としみじみ感じています。

ちなみに、「すごい作品に出会ってしまった!」と熱弁したら、本を買って読んでくれた友人もいて。そういう広がりもまた、わたしにとってこの本を、特別なものにしているんだな、と思います。

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