急場しのぎの高価な栄養ドリンク
体調不良と避けられない重要業務が重なった時、ある方の話では1本1000円はする栄養ドリンクを飲んで乗り切るという。安い栄養ドリンクに効果は感じられないが、1本1000円くらいのものになると効果が実感できるらしい。ある時、私も1本350円くらいのものを試してみたが、1本150円のものより効果は感じられた気がした。プラシーボ効果(思い込み)かもしれないけれども。
1本180円の栄養ドリンクと、1本350円、1本1000円の効果は値段に比例するはずと信じたいが、そう信じる根拠は、値段が高い分、いい原材料を使っているだろう思うところにある。素朴な消費者心理だが、売価は原価だけで決まるものではなく、営業の視点、マーケティングの観点で、原価に関わらず高く売れるものは高く売るのが「営業の基本」と聞いたことがある。
ある自販機飲料メーカーの損益計算書をのぞいてみたら、その粗利率は約50%であった。(販管費を引いた後の営業利益率は1.7%で、厳しい状況がうかがえた。)売上原価のうち、原材料費はほんの数%であろう。商品パッケージで謳われている有効成分のコストは、消費者が支払う代金のほんの一部に過ぎない。180円の栄養ドリンクと1000円の栄養ドリンクを比較すると820円の差額があるが、その差額のうちのどの程度が増量強化された「有効成分」の対価といえるのか。価格別の栄養ドリンクのラインナップ、シリーズは、どこまで信用していいのかと思う。
急場しのぎの栄養ドリンクなど避けたいものだが、一つの手段として心にとどめている。しかし1本1000円などと思うと、養命酒のような薬酒を毎日飲む方が、よほど健康と家計に資するのではないかと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?