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読書メモ④ファクトフルネス

10の思い込みを乗り越え、データをもとに世界を正しく見る。ファクトフルネスという習慣を取り入れ、訓練することで、事実に基づく世界の見方ができるようになる。判断力が上がり、何を恐れ、何に希望を持てばいいのかを見極められるようになる。

①分断本能

世界は分断されているという思い込み。ファクトフルネスとは、話の中の「分断」を示す言葉に気づくこと。人はドラマチックな本能により、シンプルで直感的な二頂対立を求めてしまう。良いか悪いか、正義か悪か、自国か他国か。この本能を抑えるには、大半の人がどこにいるか探すこと。分布の隠れた平均の比較や、極端な数字の比較に注意する。

②ネガティブ本能

世界はどんどん悪くなっているという思い込み。ファクトフルネスとは、ネガティブなニュースに気づくこと。人は誰しも物事のポジティブな面よりネガティブな面に注目しやすく、悪い出来事の方が広まりやすい。現在と過去を比較すると「悪い」と「良くなっている」は両立することが分かる。また、良い出来事やゆっくりとした進歩はニュースになりにくい。

③直線本能

世界の人口はひたすら増え続けるという思い込み。ファクトフルネスとは、グラフは直線的に伸びるだろうという思い込みに気づくこと。この本能を抑えるには、グラフにはさまざまな形があることを知り、示されていない部分を不用意に憶測しないこと。

④恐怖本能

危険でないことを恐ろしいと考えてしまう思い込み。ファクトフルネスとは、恐ろしいものに自然と目がいってしまうことに気づくこと。滅多に起きないことの方が頻繁に起きることよりニュースになりやすい。恐怖と危険は全く違う。本当に危険なことを察知するためには、リスクを正しく計算すること。世界は恐ろしいと思う前に現実を見る。リスクは危険度と頻度、つまり質と量の掛け算で決まり、恐ろしさは関係ない。

⑤過大視本能

目の前の数字が一番重要だという思い込み。ファクトフルネスとは、ただひとつの数字がとても重要であるという勘違いに気づくこと。この本能を抑えるには、ひとつしかない数字に対して必ず疑ってかかり、他の数字と比較する。また、割り算をして量ではなく割合に注目した後に数字が重要かどうか判断する。

⑥パターン化本能

ひとつの例がすべてに当てはまるという思い込み。ファクトフルネスとは、パターン化は間違いを生み出しやすいことに気づくこと。人は無意識に物事をパターン化し、すべてに当てはめてしまう。この本能を抑えるには、頭の中にある分類を疑う。同じ集団の中にある違いや違う集団の間の共通点を探す。また、過半数という言葉に注意する。

⑦宿命本能

全てはあらかじめ決まっているという思い込み。ファクトフルネスとは、いろいろなもの(人・国・宗教・文化など)が変わらないように見えるのは、変化がゆっくりと少しずつ起きているからだと気づくこと。小さな変化の積み重ねが大きな変化になることを意識する。社会と文化は常に変わり続けている。小さな進歩を追いかけ、積極的に知識をアップデートする。

⑧単純化本能

世界はひとつの切り口で理解できるという思い込み。ファクトフルネスとは、ひとつの視点だけでは世界を理解できないと知ること。知ったかぶりをやめ、自分の意見に合わない新しい情報や専門外の情報を進んで仕入れ、さまざまな角度から問題を見る。また、数字がなければ世界は理解できないが、数字だけで世界は分からない。単純なものの見方と単純な答えには警戒し、現実の複雑さを受け入れる。

⑨犯人捜し本能

誰かを責めれば物事は解決するという思い込み。ファクトフルネスとは、複雑な真実から目をそらし、正しいことに力を注げなくなってしまうと気づくこと。この本能を抑えるには、誰かに責任を求める癖を断ち切る。犯人ではなく原因に目を向け、現実の仕組みを理解する必要がある。

⑩焦り本能

今すぐ手を打たないと大変なことになるという思い込み。ファクトフルネスとは、目の前に危機が迫っていると感じたら、自分の焦りに気づき、冷静に分析すること。まずは深呼吸をして、計測と評価を繰り返しながら小さな一歩を重ねていく。焦りに動かされるより、データと客観的な分析に基づいて行動するべきである。大胆で過激な対策には注意する。

総括

謙虚であるということは、本能を抑えて事実を正しく見ることがどれほど難しいかに気づくことであり、自分の知識が限られていることをということは、本能を抑えて事実を正しく見ることがどれほど難しいかに気づくことであり、自分の知識が限られていることを認めることである。堂々と知りませんと言え、新しい事実を発見したら喜んで意見を変えられる人間である。謙虚になると心が楽になる。

好奇心があるということは、新しい情報を積極的に探し、受け入れることである。自分の考えに合わない事実を大切にし、その裏にある意味を理解しようと努めることだ。答えを間違っても恥とは思わず、間違いをきっかけに興味を持つことだ。

事実に基づいて世界を見ることは、必ず人生の役に立つ。事実に基づいて世界を見ると、心が穏やかになる。事実に基づいて世界を見れば、世の中もそれほど悪くないと思えてくる。これからも世界を良くし続けるために、自分に何ができるかも見えてくるはずだ。

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