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読書メモ①メモの魔力

メモこそが、人生を良い方向に導いてくれる魔法の杖である。その魔力は、日常をアイデアに変える。また、対象を自分自身に向けることで自分とは何かも見えてくる。生き方の選択肢が無数にある現代社会では、自由だからこそ、迷子になってしまう人が続出する。正しい方向に進むためには、自分を客観視し自分を理解することが必要である。自分を知り、明確な価値観、死生観など確固たる人生の軸を手に入れる。熱意があり、強力な軸を持った人間的な人こそが力強く前に進める。

メモで日常をアイデアに変える

より本質的なことに少しでも多くの時間を割くためにメモをとる。クリエイティブで新たな知的生産に繋がる思考や、自分にしか思いつかないような代替不可能性の高い思考。

メモを「第二の脳」として活用する。過去のファクトを思い出すという余計なことに思考の時間を割かないためにメモをする。第二の脳である外部外付けハードディスクに記憶の部分を頼ることで、空いた自分の脳の容量を創造力を要することにめいいっぱい使う。

「記録」ではなく「知的生産」のためにメモをとる。独自の発想やセンス・視点でアイデアを創出することは人間にしかできない。より希少性が高く、大きな付加価値を生み出せることに大切な時間を割いていくべきである。

メモによって鍛えられるスキル

・アイデアを生み出せるようになる、知的生産性の向上。余分な情報はストックしておき、自分の頭は有益な情報を生み出すことのために使う。

・情報を素通りしなくなる、情報獲得の伝導率の向上。日々見聞きするすべての情報のうち、どれだけの情報をものにするか。

・相手からひとつでも多くの有益な情報を引き出す傾聴能力の向上。コミュニケーションスキルともいえる。

・話の骨組みが分かるようになる、構造化能力の向上。メモによって頭の整理ができ、ロジックの力を伸ばすことができる。

・曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる、言語化能力の向上。メモは思考を深める機会を提供する。

メモで思考を深める

メモ術の根幹は「抽象化」である。抽象化は、人間に与えられた最も重要な思考機能で、私たちは無意識のうちに具体と抽象を行ったり来たりしている。誰かが抽象化したルールをただ具体的に使いこなす単純労働者的プロセスではなく、具体の中から自分でルールを見つけ、また別の具体にそのルールを適用し、独自の視点で新しい発見や知的創造を行っていく発明者的思考プロセスに重点を置く。

抽象化では、①具体→②抽象→③転用という思考フローを経る。①で具体情報を正確に受け取り②で他に転用可能な要素(気づき・背景・法則・特徴)を抽出し③で別の何か具体的なものに転用する。

ものごとは時間をかけて考えれば、すべてはシンプルな言葉、すなわち抽象概念に落とし込むことができる。「具体をシンプルな言葉にまとめる」「具体的な事象の本質を考える」思考プロセスが抽象化である。また、抽象化する時は、汎用性の高さを意識する。きっちり着地させることを前提に世の中のあらゆる具体を抽象化する。

メモを取る時に必要不可欠である言語化能力。会得するには、まず自分の心になぜを向けることから始まる。言語化されていない深層意識に目を向け、なぜその意識を持ったのかを言葉に変えていく作業をする。生活の至る所に転がっている意識の抽象化のチャンスを見逃さない。とにかく、その瞬間を、意識を、逃げずに言葉にする。

さらに、単純に自分の感性に引っかかる言葉をストックすることや、自分を一歩引いて客観視する癖をつけることも身につけておくべきである。

メモで自分を知る

自分とは何か?自分が本当に望んでいるものは何か?といった問いに明確に答えられる人間であるかどうかが今後ますます大事になっていく。自分の望みを知らないまま、どんなビジネス書を読んでも何も変わらない。まず、自分を知ることが何よりも重要である。これからの時代はアジェンダを持っている人が豊かになる。お金を持っている人から順にではなく、やりたいことや美意識が明確な順に豊かになる。やりたいことが分かればあとはやるだけ。

インターネットが可能にする個のエンパワーメントにより、これから今以上に個人が取り沙汰される時代になる。人生を組織に委ねることで生きていけた時代も終焉を迎えつつあり、個へのフォーカスが高まる。そこで個として戦う上で必要な基本姿勢やスキルを身につけていないと、気づけば時代に取り残されてしまう。個の時代において、何かに熱狂しているオタクは最強。単に詳しく知っているだけでなく、知識を得る中で研ぎ澄まされていった独自の視点こそが価値として定義され消費されていく。

人は何らかの対象に好きという気持ちを向けたり、こんな風になりたいという気持ちを抱くには、原則として経験が多大に影響する。経験していないこと、知らないことは、やりたいと思うことさえできない。経験自体の数を増やしてやりたいことを見つける確率を上げる。

メモで夢を叶える

言語化で夢は現実になる。ひとつはマインドシェア。つまりその夢について潜在意識に刷り込まれる度合いが高くなる。夢を叶えるために必要なことをブレイクダウンして考えたり、現在地点との距離を測ってその差分を埋めるための努力方法を見極めたり、障害や課題をつぶそうとする問題意識も芽生える。言語化の過程で抽象的な夢を具体化し磨いていく。

言葉によって誰かの意識が変わり、それが何らかの形で自分にポジティブに跳ね返ってくることが言霊の力。言葉にすることで仲間や共感者が正しい方向に導いてくれる可能性が高まる。また、想いの言語化は、具体的に映像として思い浮かぶ状態を目指す。

メモは生き方である

メモの本質はノウハウではなく姿勢である。書くか書かないか。新たな創造につながるような情報は、生活のあらゆるところに転がっている。未来において過去のどの情報が重要になるかは、実際に未来にならないと分からない。メモは創造の機会損失を減らすツール。あらゆる情報を体に吸収させる姿勢を保つこと、すなわちメモを取り続ける姿勢を保つことが重要である。

いち早くメモを努力から習慣へ。アイデア創出を習慣化し、メモ→抽象化という強力なツールを使って正しく自己分析を行えば、本当の意味で人生の勝算を見つけることができる。人生のモチベーションの根幹に関わることを質問されたとき即答できる状態にする。まずは卑近な、自分の心からの欲望に目を向ける。

人生は時間をどう使ったかの結果でしかない。時間をどう使うのかという選択に対する意思決定を、自身の価値観の軸で指し示す。根本にある源は圧倒的な熱量である。

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