映画マニアを名乗りた〜い!(15) ワンルーム・ディスコ
まえがき ── 房室
こんばんは。映画の話をする時間だよ。
今回は「部屋」にまつわる映画を見ました。
室内ワンシチュエーションだったり、タイトルに「ルーム/部屋」って入ってたり、そういうやつ。
どうぞ。
ルーム
小さな“部屋”での監禁から逃げ出した母と息子のその後
監禁からの脱出劇というのは「ゴーストランドの惨劇」とか色々見たことあるけど、そうなんだよな。そこで終わりじゃないよな。という映画。
心を一度壊されてしまった親子がどうやって世界や自分と向き合っていくのかをシビアに、しかし優しく描いた傑作でした。
登場人物がみんな生きているというか、それぞれの心の動きが物凄く丁寧に描写されているのでとても胸を打たれました。めちゃくちゃ良かったな。
こういうまともに良い映画を見るとバカクソグロ映画でキャッキャしてる俺って……となりますね。でもどっちも良い。
パニック・ルーム
緊急避難用の部屋がある家に母子が引っ越してきたけどいきなり強盗来たよ
閉じ込められ母子映画2連チャンです。
良い感じにハラハラしたんですけど、何かあんまだったかも。
中弛みしないで次々展開あるしイライラするキャラもいないし、良い映画だとは思うんだけど……面白かった!!とはそんなにならなかったのはなんでだろう。どうにも薄味というか、テーマみたいなのが見えなかったからかしら。
何だろうな……書くこともそんなに無いぞ。「ガール・オン・ザ・トレイン」以来の空虚感かもしれない。間違いなく面白かったんですけどね。
ソウ
広い浴室に監禁された男2人でデスゲーム開始
言わずと知れたやつ。むかーし見たことあるんですけど、ディテール覚えてなかったのとやっぱりソリッドシチュエーションでこれを見ない訳には行かねえなってことで見ました。
やはりちょっと奇跡的な面白さですよね。抜群に引き込まれて抜群に怖くて抜群に絶望的で抜群に度肝を抜かれる。あまりにも完成度が高いと思います。
流石に根幹となるトリックは覚えてたけどそれでも面白かったもんね。
1作目が一番面白くて後はいまいちってよく聞きますけど、続編も見たくなっちゃったので今後もぼちぼち見ちゃうかもだぜ。
息子の部屋
息子を事故で失った家族の悲哀と後悔、やがて受容
↑ポスターデザインダサすぎでは!?!?!?
それはさておきパルムドール受賞作らしいです。あんまそういうので芸術を語るもんじゃないと思いますが、確かに面白かったです。いや面白かったとかじゃないか。良かったです。
きっとこんな状況の家庭なんて幾らでもあるんだろうという、ありふれて(しまって)いる現実をただ淡々と美しく描いていて、とにかく悲しい映画でした。でも悲劇とかではないし、胸糞悪いような話でもなく。ただひたすら現実をしっとりと。やっすい言葉を敢えて選ぶなら、質感が凄い映画。
あ、でもタイトルには部屋って入ってるけどそこまで部屋が大事な訳ではなかったな。テーマからはズレました。
あと字幕が……翻訳家の方の癖なのか、そんな語気で言ってないだろって所までエクスクラメーションマークが付いていたのがめちゃくちゃ気になった……。そこだけです。映画の中身は凄く凄く良かった。
THE GUILTY / ギルティ
緊急通報司令室のオペレーターは拐われた女性からの電話を頼りに事件を解決しようとする
全編司令室で展開し、事件現場は一切映らないというすげえ映画。
もっとドキドキハラハラサスペンスかと思いきやかなりじっとりした雰囲気で面白かったです。
主人公がいまいち好きになれないというか何なんだこいつと思いながら見ていたら、何か思ったよりとんでもない奴だったな。
音声だけで手掛かりを探す有能警察カッケーみたいな方向の話だと思ったので裏切られました。良い意味で。
俺は登場人物が全員どうしようもないお話が好きです。
途中のどんでん返し的な展開もびっくりできたし、台詞が必要最低限に抑えてある感じも好み。ちょっと地味だけど良い映画でした。
東南角部屋二階の女
取り壊し寸前のアパートに集った三人
何か凄く邦画らしい邦画だった。色々。
雰囲気は良いけどところどころダルい部分があったかも。
なにせバックグラウンドの解説もメインキャラの転機になる言葉も全部物知り爺さんキャラに任せちゃう感じがどうにも好みじゃなかったな〜。
まさかのアスペクト比4:3でセピアでノイズっぽい画面にしてるのとか、映像のテンポとか、技術面演出面は好きなんだけど、お話としていまいちハマれなかったです。
西島秀俊が好きだから最後まで見られたみたいな所はあるかも。うむむ。(キショ文末)
ゾンビの中心で、愛をさけぶ
関係の崩壊しかけた夫婦はゾンビウイルスが蔓延した世界で自宅に閉じ籠もり救助を待つ
面白い訳なさそうな邦題なのに面白かったです。部屋、というか家の映画。
だいぶ有りがちなお話ではあったけど、俺たちはこういうのが好きだよね〜って展開を外さずやってくれるのは良いものだ。
ただ全編インターホンとあらゆる通信手段(電話やネットなど、マジですべて)が存在しないんかっていうパラレルワールドな展開をするので、そこがどうしても気になっちゃいました。ファッションとか家を見るに大昔の話ではなさそうなんだけど。まあその辺ツッコむのは野暮ですね。
コミカルな描写も挟みつつだんだんビターで切なくなっていく感じが素敵なgood good 映画でした。
意外と幅広い作品を見ることが出来て満足。
「ルーム」はかなり刺さりました。
ワンシチュエーション映画も好きなのでまた色々見たいな〜。
初めて読んでくれた方もしもいたらバックナンバーもチェックしたり次回以降も読んでくれたりしたら嬉しいです。急にYouTuberみたいなことを言い出してみた。
それではアデュー。
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