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アマゾン出身の監督エリベルト・グァリンガがアマゾンの現在を描いた映画「THE RETURN」


ニューヨークで開催中のイマジンサイエンス映画祭の短編部門の審査が終わった。
審査員3名による4時間にわたる激論の末、受賞作品が決定。受賞発表は日本時間で24日朝9時半から。

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太田光海監督の映画「カナルタ 螺旋状の夢」によってアマゾンが俄かに注目されているので、イマジンサイエンス映画祭に応募された短編映画の中からひとつ、紹介をしたいと思う。

「THE RETURN」はエクアドルのアマゾンの先住民族、サラヤクの村人を撮影した映画で、この家族がどのようにコロナ禍に対抗したかが描かれている。先住民族の映画監督、エリベルト・グァリンガが監督を務め、監督の姪で環境保護活動家のニーナ・グァリンガ(ともにサラヤク出身)と英国人映画監督マーク・シルバーがプロデューサーを務める。つまりこの映画は、サラヤクが自らサラヤクを描いた映画であるということが特徴の一つだ。

映画の中ではまず、2020年に彼らの住む場所が今まで経験したことのないような大きな洪水の被害にあったことが語られる。村の再建を行なっている最中、住民はラジオでコロナ禍が発生したことを知る。サラヤクの人々が感染症の被害を経験したのは今回が初めてではない。彼らの祖先が、軍隊や宣教師が来た時に、天然痘や麻疹が流行した時のことを知っていて、その時に得た知恵を元に、今回もより深くの森に入って身を守ることを決めた。

わずか15分の短い映画ながら、現代のアマゾンの生活のリアリティが伝わってくる。彼らが薬草を集めたり、チチャを飲んだり、器を作ったりするお馴染みのシーンも登場する。しかし、当たり前のことだけれど、アマゾンは未開の地などではなく、森で暮らしながら都市の情報も得るし、映画監督になって自分たちについて語ることもする。カナルタでアマゾンの暮らしに興味をもった人は、ぜひこの映画も見て欲しい。今なら以下のURLで全編見ることができる。

エリベルト・グァリンガ監督のインスタグラム

イマジンサイエンス映画祭は10月22日まで開催されている。他にもたくさんの良い作品がオンラインで観られるので、ぜひ登録してみて欲しい。


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