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BUMP OF CHICKENとの向き合い方と僕の夢(2024年版)

藤原基央は、つくづく、人たらしな男だ。

2023年の『be there』(ツアー・アプリ)と、2024年2月より始まったツアー『ホームシック衛星2024』を体感して、僕は改めてそう感じています。

このnoteでは、以下、2点のことが伝えたいです。

❶BUMP OF CHIKENの現在

❷僕自身の彼らとの向き合い方の変化と、自分の夢

このnpteを読んで、彼らの楽曲に少しでも興味を持ってもらえたら幸いです。また、自分自身の思考の整理や準備のために、このnoteを書いています。
(注意)本記事には、『be there』公演最終日のネタバレを含んでいます。ライブのネタバレ要素が苦手な方などは、閲覧しないようにお気を付けてください。



❶BUMP OF CHIKENの現在について

事実を簡単に述べていきます。

まず、彼らは、2024年4月現在、アリーナツアーである『ホームシック衛星2024』を絶賛公演中です。彼らの結成記念日である2月11日に、神奈川県・Kアリーナ横浜で始まったこのツアーも、残すところあと3か所・6公演と、後半に差し掛かっています。

彼らは、今年2月11日に、結成28周年を迎えました。昔からのBUMPファンは”28”という数字は、彼らにとって非常に重要な意味を持つことをご存じかと思います。
→28歳になる時の曜日は、生まれた時の曜日と同じになる。という法則があるからです。

28歳になった時、この周期に気付いたBUMP OF CHICKENボーカル:藤原基央さんは、自分を含め、同い年であるバンドメンバー3人に向かって、この世紀の大発見を大きく語りました。2007年に、藤原基央(通称:ふじくん)・ベース直井由文(通称:チャマ)・ギター増川弘明(通称:ヒロ)・ドラム升秀夫(ヒデちゃん)は、それぞれ28歳になりました。

BUMPは幼稚園の頃からの付き合いである、幼なじみの4人組です。

その節目の年に生まれたアルバムが『orbital period』です。訳すと「公転周期」と呼ばれ、例えば月が地球を1周するのに要する時間のことを表します。それが、生まれたものはすべて”28年の周期を持っている”、ということであり、2008年に彼らは『ホームシック衛星』というツアーを行いました。それほどに、彼らにとって、”28年周期”という出来事はインパクトのあるものでした。

そして今年2024年、BUMP OF CHICKENというバンドがこの世に生まれてから、「28年」という時間が経過しました。彼ら4人は、その事実を、ただのひとつの出来事としては看過できませんでした。見過ごせませんでした。そうして生まれたのが、『ホームシック衛星2024』です。当時の楽曲たちを、いま、もう一度響かせよう、ということが目的のリバイバルツアーとなっています。

僕は幸いなことに、このツアー初日であり、バンドの28歳の誕生日である2024年2月11日に同席することができました。

公演中のツアーの内容や楽曲については、多くの方々が感想や考察を行っているので、各HPや、SNSにて、#ホームシック衛星2024で検索を行ってみてください。また、公式サイトでも、藤原さんご本人がツアーの背景をたくさん話してくれているので、時間があればぜひチェックをしてください✅


僕個人の感想は後述しますが、冒頭で述べた通り、藤原基央さんは本当に人たらしな男だと、最近改めて感じています。僕のライブ参加の履歴は、直近では、2023年の『be there』に2回、アプリの『be there』でも、限定のポッドキャスト(ラジオみたいなもの)を聴いています。BUMPと会うこと・藤原基央さんの発信に触れる頻度が増えてきて、その存在がより、身近なものになってきている感覚があります。

その上で、この人は、「本当に、”生きている”ということが、愛おしくていとおしくてたまらない人なんだな」「”生きる”ということに触れることが大好きなんだな」と強く感じます。繊細でどこまでも深い優しさと、決して譲れないものがある信念の強さと、音楽を楽しむことの感性や表現力を持ったうえで、藤原さんは僕らに音楽を供給し続けてくれています。

そんな藤原基央さんの”らしさ”が詰まった言葉が、2023年『be there』ツアーファイナル最終日のあいさつです。ライブの終わりはいつもそうだけど、芯の内容は変わらないけれど、彼はいつも、その時そのときの表現で僕たちをたらしこんできます。


※※※【ご注意】以下、『be there』2023.5.28、アンコールを終えたあとの藤原基央さんの言葉を、記載しています。ネタバレが苦手な方は、ここで閲覧を終えてください※※※


















※※※ツアーの最終日、アンコールも含めて、沢山の楽曲を歌い終えた直後で、全部出し切ったあとの様子です。そのため、息切れもしています。でも、会場の聴き手に深々とお辞儀したあと、しっかりと優しく語り掛ける、そんな場面です。※※※

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あのー、昔から、インタビュー、で、

まあまあある、よくある質問なんすけど、

「バンプオブチキンにとって、ライブって、どういうものですか」と、
「ライブってなんですか」と、まあまあわりとよくある、ベタな質問で、そんで、あのー、昔からライブに対しては、すげーたくさんの思いがものすごい量で渦巻いていて、なんて説明してよいか分からなくって、そういう質問何回か受けたことあるんだけど、ちゃんと答えられたなーってこと、あんまりないんだよね。

なんか、そういうとき、あーこんな感じかなって答えてみんだけど、なんか、ちゃんと言い表せてはいないような気もしてさ、そのうち、あんまよく分かんないっすなんて言うようになっちゃったりして笑

えー、27年活動してきて、このbe thereってツアーやって、ここ最近ね、ようやく、1個分かったことがあります。

僕らにとってライブっていうのは、僕らの音楽、僕の曲、歌・声、ギターの音・僕らの音楽、チャマのベース・ヒロのギター・ヒデちゃんのドラム、俺たち4人の音、俺たち4人の音楽を、受け止めてくれた人に、会うための場所です。

会うという行動を、する。俺たちの音楽を、受け止めてくれた人に、会う、その行動です。それが、俺たちにとってのライブです。

シンプルなことだけど、自分にとって、すげー大事なことなんだなと、改めて、このbe thereってツアーまわって、思いました。多分、コロナのせいで、しばらくの間、みんなの前でライブやれなかったんだなーみたいなことも手伝って、気付けたことだと思うんだけどさ。

こうやって、会うじゃん。そうすっとさ、みんな人生のさ、どっかのタイミングで、俺らの曲受け止めてくれて聞いてくれてさ、それをきっかけにしてさ、こうやってここに来てくれたわけじゃん。君と、僕は、ここでこうやって出会ったわけじゃん。会うことできたわけじゃん。で、書いた曲唄うでしょ。どの曲も、最初書くときは一人だぜ。一人で、スタジオの中うたって書くのさ。ね。そんで、ちゃんと届いてっかなてのをさ、ここで、目の当たりにして、確認するんだ。

だから、会えた時、こんなに嬉しいし、終わろうとしている今、こんなに寂しいんだなと、思います。今日は本当にどうもありがとう。



















今日どうやって来たの?
昨日までどんな風にやって生きてきたの?
そんで、帰って、明日から、どうな風に生きていくの?
俺知らないじゃんね。分かりようがないじゃんね。
すっげー歯がゆいんですこれ。うん。ね。

あのー、勝手にですけど、本当に申し訳ない。勝手にですけど。
僕は、君のことを、日常的に、勝手に、すごくそばに感じています。
曲作りの時は、ほんと何回も、君の存在に助けられている。
煮詰まった時に、あー今書いてるこの曲、ほんと全然書けねーなどうしようかなって時に、どこ向かえばいいんだろうって時に、今書いているこの曲が完成したら、君が、聴いてくれるんだ受け止めてくれるんだ、そう思うだけで開けた道がいくつもあります。えー、レコーディングブースの中で、デモテープ取るときに、仮歌うたう時に、こうやってマイクの前に立つでしょ。このマイクの向こうに、君の耳があるんだなと思うと、その存在を何度も感じて、そこに目がけて唄ったこと、何回もあります。迷ったときは、灯台みたいな感じでさ、こっちに向かってくればいいんだよって、君の存在はそうやって、僕に教えてくれる。そうやって、何度も何度も助けられてきました。

君がそうやって、してくれたから、君が僕にそうしてくれたから、僕も、君にそうしたいと思う訳です。でも物理的にできないことです。ね。君の明日に、お邪魔することはできないでしょ。ね。君が今までどんな風に生きてきて、どうやってここに来たのか、全く知らないし、ね。ほんの2時間だけど、こんだけ深くつながったのに、明日から、また、それぞれの日常の中に行くわけさ。これだって、日常のひとつなんだけどな。

僕はその日常についていくことができない。

でも、僕にできないことは、僕の音楽ができます。

君の日常についていくことができる。君が、望んで、望んでくれさえしたら、家だろうと、学校だろうと、会社だろうと、どこにだってついていける。君が望んでくれさえすればね。

だから、音楽やりたいんだと思うんです。僕は。
だから、唄いたいんだと思います。君がいることが唄う理由になります。チャマがベースを弾く理由、ヒロがギター弾く理由、ヒデちゃんがドラム叩く理由、全部君がいるからなんだ。27年、ここまで来たのは、君の存在があったからです、ほんとにどうもありがとう。

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藤原基央さんからのあいさつは以上になります。

公演での楽曲や、実際の映像などは、公式HPからも購入できるので、ぜひチェックしてみてください✅

以上、彼らの現在と、藤原基央さんの人たらしっぷりを紹介してきました。





❷僕自身の彼らとの向き合い方の変化と、自分の夢


ここからは僕の個人的な話になります。自分の感覚を整理整頓したいってのが目的です。

「orbital period」を始めて聴いた時、僕は20歳でした。

「ホームシック衛星2024」の現在は、37歳です。

こうやって数字を並べると、「それはそうか」と勝手に納得するのですが、彼らの楽曲との向き合い方が変わってきました。それを彼らの結成28年の記念日である、2024年2月11日に、改めて感じました。

順番に話します。

まず、「orbital period」に収録されている楽曲の数々に、僕は、大げさではなく、命を救われました。BUMPを長く聴いている方々は、そう感じている方は、間違いなく沢山いるはずです。僕もその内の1人です。このアルバムと、その1つ前のアルバム「ユグドラシル」は、多感な高校生~大学生であった自分に刺さりに刺さりました。本当に、布団に籠りながら、一生聴いていた唄たちです。

一番聴いていた曲たちです。

多くを語っても仕方ないですが、本当に、その時は、自分の命に意味を見出せなかった・だけど命を投げ出すことは怖くてできなかった、そんな時に鳴り響いてくれた曲たちです。

死ぬことが怖かった。まだ若いのに。何も残せていないのに。

だけど、彼らの楽曲たちを聴いた時に、「自分がそこにいる」「いてくれている」「自分の魂は、彼らの曲の中に確かにいる」。これはすごく勝手な感覚ですが、そう思いました。この事実は、まあまあしんどかった当時の自分にとって、これほど救われた経験は他にありませんでした。

「orbital period」は、僕にとってそういうアルバムでした。

それから17年が経ちました。

今回のリバイバルツアー、そういう楽曲と再会する機会に出会えたのです。それが「ホームシック衛星2024」のツアー初日でした。

結論から言うと、僕は、それらの曲とまた会えた時に、あんまり感動しなくなっていました。厳密にいうと、涙はそんなに出てこなかったです。後述しますが、「ライブに行けて、またあの時の曲に出会えてよかったが9割」・「年取って、おじさんになったせいで生まれた捻くれが1割」という感情図です。

17年前とは、少し違う気持ち。
それは、悔しい、という気持ちでした。
ずるいな、という気持ちもありました。

だいぶ向き合い方が異なる感情です。割合は少ないけど。

話が少し飛びますが、世の中にある概念に、「ギバーとテイカー」というものがあります。簡単に言うと、「ギバーが与える人」「テイカーが受け取る人」です。

ライブでいうと、演奏者がギバー・聴き手がテイカーです。
小説でいうと、作者がギバー・読者がテイカーです。

すごく傲慢なのですが、僕はギバーになりたいと夢を見ています。
『ドラゴン桜』なんかでも言われていましたが、「大人になるということは、”与える側”になること」とありました。すなわちギバーです。

僕は、BUMPに与えてもらってばかりで、その貰ったものを、全然返せていない・恩返しができていない、37歳になった今でも、ギバーにはなれていない。という思いがあります。

だから、悔しかったです。

「ハンマーソングと痛みの塔」・「花の名」など、昔死ぬほど聴いた唄たちにまた出会えました。その当時の記憶はあまり蘇らず、変わらない彼らの音楽・2024年verのアレンジ、歌詞変え、藤原基央さんの歌声。これらを目の当たりにできたことが、幸せでした。そして、ほんの少し、あんまり成長できていない自分への悔しさや葛藤を感じました。

人生が一区切りを迎える”28年”という節目。それから10年も経過して、自分はギバーになれたか、というと道半ば。

”4人で音楽を続けられていることの幸せさ、ありがたみ”はBUMP自身が、誰よりも何よりも分かっていると思います。いつまでもずっと、音楽を奏でていて欲しいと、僕も心の底から願っています。だけど、ほんの少し、それが羨ましいとも感じてしまったのです。

過去、2016年(BFLY)と、2019年(aurora ark)に参加したときは、BUMP全員が神様に見えて、最初の一音を聴くだけで号泣していました。うーん。

人の気持ちは、全く分からないものです。

その日の朝・その日の夜だって、気持ちや考え方は変わる。更新される。


話を戻します。僕の夢の話です。

僕はギバーになりたい。なぜかというと、僕の周りの人がすごい人たちが多いから。でも、世の中の流れが速すぎて、すごいことをやっている人たちにも「すごい」ってうまく伝えられない。当たり前に毎日を送っているようにみえて、それって全然当たり前じゃなくて、難しいことをみんな絶対やっているんです。でもそれがうまく伝えられない。

藤原さんも言ってましたが、この状態って本当に歯がゆいんです。歯がゆくてたまらないんです。すごかった出来事も、毎日も、あっという間に、時間に流されて、置き去りにされてしまう。タイミングがなくなってしまう。

藤原基央さんの、ツアーファイナルでの最終日での言葉に、「僕は君の日常についていくことはできないけれど、僕の音楽にはそれができる」とありました。

僕も少しでもそういう人間に近づきたいです。

でも、普通に生きていると、普通に生きているだけで精一杯で。

ほんとに自分の近くの人にしか、声をかけたり、守ってあげることしかできなくて。BUMPや、他の創作者のように大勢の人は無理でも、10人でもいいから、なにかポジティブな影響を与えられたらよいのだろうけど、それも全然できなくって。

ここ数年は、「結局、お金(実力)を持っている人が、他人を守れる」なんて思ったりして、転売や投資などにも触っています。それは一つの大きな事実だとも思いますが。

自分にできることは、結局、言葉で伝えることしかできないのだと思います。音楽は分からない・絵は描けない・芸術はさっぱり・カメラも分からない。今より知識をつけて、言葉を武器に変えれるように、引き続き、もがいていくしかないのかなと、思います。

ここまで書いてみたことで整理できましたが、”悔しい”も”嫉妬”も、そんなにネガティブなことではないなと思います。おじさんってそういうもんだよね、年取るってイヤだね。でも、ライブに行けないことの方がもっと嫌だよね、っていう、当たり前のことが分かりました。BUMPの楽曲がこの先も少しでも長く響いてくれることを、願ってやみません。今だって十分幸せなことです。

そんなこんなで長いこと書いてきましたが、もうすぐですね、福岡にて『ホームシック衛星2024』のライブがあります(2024年4月6日・7日)。僕はday2で参加していきます。day2は、2月11日とはまた違った演奏・セトリになるかと思うので、本当に、楽しみにしています。

自分の気持ちを、少しでもBUMPの感覚・ペースに近づけたい・整理したいと思って、今回このnoteを書いてみました。当日、彼らから生まれる音楽に、もっと耳を傾けたい。

福岡を経て、宮城・東京の公演が終わったら、またしばらく、ライブの予定がなくなります。

めちゃくちゃ寂しい。

でも新曲もいくつもあるし、次のライブでしか聴けない音がたくさんあるから、それまでは絶対生きようと思います。

とりあえず、福岡、精一杯楽しんできたいです!!!!!!!!!!

だいぶ整理できた気がする!!
よかった!!!!noteは終わりです。あと追伸でBUMPの楽曲をいくつか紹介させてください!!!!








【追伸の楽曲紹介】

①宇宙飛行士への手紙 作詞作曲:藤原基央
→今回、noteで藤原さんからの言葉を書きました。これって、アンコール2曲を終えて、最後のあいさつでした。けど、ツアーファイナルということもあって、最後の最後ってことで追加アンコールで唄われたのがこの曲。

「どうやったって無理なんだ 知らない記憶を知ることは
 言葉で伝えても 伝わったのは言葉だけ」
「そしていつか星になって また一人になるから
 笑いあった 今はきっと 後ろから照らしてくれるから」


②流れ星の正体 作詞作曲:藤原基央
「太陽が忘れた路地裏に 心を殺した教室の窓に
 逃げ込んだ毛布の内側に 全ての力で輝け 流れ星
 お互いに あの頃と違っていても 
 必ず探し出せる 僕らには関係ないこと
 飛んでいけ 君の空まで 生まれた全ての力で輝け」

→その人がやってきた一つひとつのことに、光を当てたいこと。
 スポットライトを当てたいこと。消えて欲しくないと願う。


③窓の中から 作詞作曲:藤原基央
「瞼の裏の 誰も知らない 銀河に浮かぶ 
 すごく小さな窓の中から 世界を見て生きてきた ここにいるよ」
→人は誰もが、家の中でも、外でも、自分しか入り込めない【不可侵領域】を持って生きている。その中から、社会と繋がって、生活をしている。カーテンを閉めている人もいれば、空きっぱなしの人もいる。でも、その部屋の中には、誰も入れない。そこから指をさして、お互いに見つけ合う。コミュニケーションを取る、繋がっていく。何かが伝わる。

NHKの18祭という企画のために、書き起こされたこの楽曲。藤原さん本人も、「大勢の若い世代の人たちと歌うことを前提にしたこの曲は特殊なものである」という程、スケールの大きい楽曲。


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