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30歳、ニューヨークに行った時の衝撃


初めてNYに行った時は衝撃だった。


その時の私は30歳になる3ヶ月前。


30歳になっても実際は自分自身何も変わらない。外見だって30歳になった途端いきなり劣化するわけじゃない。ゆっくり老化しているのだ。


ちょっとズボラなのも早起きが苦手なのも少々性格が悪いのも、10代の頃から変わらないのだ。わたしはわたし。


強いて言えば、合コンの時に30代っていうと男性が「へぇ〜、意外!若く見えるね!」と声を震えながら気を使ってくれるだけ。 

30代だって若いけど、20代っていうだけで、恋愛市場ではチヤホヤされるのは終わってしまったという事実。


それくらい女性にとって30歳というのは、一つの節目でとても特別であり衝撃なのだ。20代の時は自分が30歳以降になるなんて信じられなかった。きっと世の女性はそうなのではないだろうか?


27歳の頃、田舎から上京して憧れてた場所に住んで、がむしゃらに仕事を頑張った。

だが東京に住んで3年、私は退屈していた。

自分にとって刺激的な場所が日常になってしまったから。東京は自分にとってお金を使う場所ではなく、ただ日常をこなす場所になってしまった。環境によって幸福度が満たされていてたっていずれ飽きが来る。人間は欲深いから。

そしてNYは自分にとってTVでしか見た事ないフワフワとした世界だった。

NYという場所は本当に実在するのだろうか?

想像さえもできなかった。

行った事ない場所へ自分の足で、1人で、行ってみようと決めた。

30歳になる自分からのプレゼント、思いっきり贅沢してみよう

NYを選ぶのもミーハーな私らしい。

久々にワクワクした。

さんきゅー、そーりー、えくすきゅーずみ〜

英語はこの3つしか言えないが、ツアーではなく全て個人手配でしようと決めた。

現地でしたい事は、ブロードウェイで、幼少期の頃、絵本で読んで大好きだったオペラ座の怪人を見ること。

ジョン・F・ケネディ空港に着いた時のモヤッとした蒸し暑い空気とこじんまりとしたターミナルが今も忘れられない。

ターミナルのトイレで閉め方を分からず、男性の外国人に用をしてる時にドアを開けられたのもいい思い出。

「オーマイガ!!!」って言ってすぐどっか言っちゃったけど。いや、今思えば私男性用のトイレはいってたのだろうか?

まぁ、どちらでも良い。

バスに揺られて約1時間、中心部グランドセントラル駅にたどり着いた。

降り立った瞬間、

あぁ、自分は今あのNYにいるんだと。

NYって本当に実在するんだ!とひたすら感動して胸がいっぱいだった。

蒸し暑くて、人が沢山いて、よく分からない言葉が交わっている。

目に見えるものが全て刺激的だった。瞬きする時間さえ勿体無いと感じた。


そしてNYは何より臭かった。

街中に大きなゴミ箱が色々な所に置かれていて

ホームレスも多いので彼らが異臭を放っている。

街並みももちろん場所によるが決して美しくはない。


むしろ汚くて、なんて表現したらいいのだろうか全てアンバランスだった。   

一見オシャレに見えるブティックだって、落書きがしてあったり、隣にホームレスがいて、とにかく強烈な臭い。

オシャレとは程遠い、不思議な街。

そう、ただひたすら混沌としている。

そしてその混沌が非常に居心地がよかった。

ここにいると周りからは日本人すら認識されず、ただのアジア人その認識が居心地が良い。

やはりNYは人種のサラダボールだった。


NYでは様々な人種が互いの価値観や信仰心、ライフスタイルを尊重、共存し合えてるように思えた。

あれ、過去に戦争ってあったよね?信仰心から対立ってあったよね?いまもどこかで紛争はおきてるよね?

NYにいてテレビのニュースさえ見なければ何故だか全てがハッピーエンド。

話す言葉も違う、神様も違う、肌の色も違う。

だけど根本的な部分は皆一緒。

ただNYが好きだからここにいる。

み〜んな、マンハッタンに憧れてんだ。

地下鉄では様々な人々がギューギューになりながら乗っている。

ただでださえ狭いんだ、お前のでかいケツで押すなよ!いやそれはあなたでしょ!?(そう事言ってるのではないかと妄想)

そんな風に時には喧嘩しながらなんだかんだ仲良く身を寄せ合ってる。

信号待ちの間、ホームレスが高級車に乗ってる人にお金をせびんでいた。

数ドルほど渡していた。

あ、交じり合うことのない人達の優しさが交差した。

NYはそんなハートフルな一面も見れたりもする。

移民、億万長者、ホームレス。

国籍、肌の色、信仰心、話す言葉、あらゆる違い。

様々なバックボーンを持って、決して交じり合う事のない人々がタイムズスクエアで一瞬それぞれの人生が交差する。   

目を輝きながら歩いてる旅行者

澄ました顔で片手にコーヒーを持ちながら誇らしげに歩いてるビジネスマン

必死に必死にねばり強くこの街にしがみついてるホームレス 

タイムズスクエアの交差点で、一瞬マンハッタンにいる感動を全ての人が共有する。

苦しみ、悲しみ、恨み、怒り、全ての憎悪。

もう全て洗い流して許そう。

だって私達は今こんな素敵な場所にいるんだから。

今までの事全て洗い流して新しい自分に生まれ変われる。1からきっとやり直せるよね。


NYありがとう。またきっと逢いに行くね







これはあくまでも井の中の蛙の私の主観。


そしてその1年後フランスにも一人旅で伺ったがNYほどの感想はもてなかった。

唯一無二の場所、それがNYに行った時の衝撃。


また気軽に旅行に行ける日を願って


最後までご覧頂きましてありがとうございました。
























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