キャリアに悩む海外駐在員②
前回の続きということで、いかに迷走状態を抜け出したかについてです。
求人票を見て優先順位付けしてみたり、yes /noで判別したりしても、結局気持ちが定まらない(応募する気にならない)のは、自分が求めているものが明確になっていないから、というのは薄々は気付いていました。
ただ、それに向き合おうとすると、壮大なワークになるのも実は分かっていたので避けていたというのが正直な所です。
だって就活の時に一回やってますからね笑
心の底からの納得感のある方向性を定めるには、それなりの労力が必要です。
就活の時に作成していた人生の方向感や価値観についての分厚いノートを引っ張り出し、振り返りをしました。
(駐在先にわざわざそのノートを持っていってるのが我ながら感心ですが笑)
学生の時から、早く海外に出て仕事をしたいという思いは変わっていませんでした。
当時は30歳手前で東南アジアに駐在する、というのを思い描いていましたが、結果として前倒しして駐在経験を積めている形でした。
学生時代の描いていた姿が前倒しで実現できていたのは良いのですが、次はどうしたいのか、どうなりたいのかというのをイメージ出来ずに悶々としていました。
そんな中、解決の糸口になったものを2点ご紹介したいと思います。
まず1つは「転職の思考法」です。
これは丁度思い悩んでいた頃に発売されたので、キンドルで一気に読んだ覚えがあります。今まで何となく考えていたキャリアのことが、見事に言語化された本でした。どの章にも刺さるフレーズが散りばめられていたのですが、自分自身の年齢と共に、仕事で重視していく要素が変わってくるというのが特に印象的でした。
「20代は専門性、30代は経験、40代は人脈」
当時20代後半の自分としては、途上国での海外駐在・海外営業という専門性を得られていたので、30代は経験を取りに行こうという後押しになりました。
名著なのでネット上に色々とレビューや纏めがあると思いますので、興味のある方は是非読んでみる事をオススメします。
もう一点はyoutube channelの「utsuさんチャンネル」
見始めた当初は一桁万人の登録者数でしたが、今やもう20万人を超える一大キャリア系チャンネルになってますね。
今も当時も、実名顔出しで的確な発信をされているので、非常に学びが多いのですが、その内の一つをここで書くとすれば「転職エージェントは使わずに直接応募をしよう」という点ですね。
転職エージェントはそのビジネスモデル上、如何に多くの人間を捌けるかが鍵になるので、一人一人の転職者へのアドバイスはほぼ無いか、あってもかなりあっさりしたものになってしまいます。
実際に私がエージェントを面談した時も、キャリアのアドバイスを行うというよりかは求人情報のデータベースをアクセスさせて上げるから後は自分で探してね、というものでした。
それで求職者が転職すれば、年収の3割程度が仲介料として入るわけですから、良い商売だなあと。笑
(中には親身になって相談に乗ってくれる人もいるかもしれませんが。大手よりも個人で人材紹介業をやられている方にそういう方が多い印象)
商社も同じく仲介業なので、間に入ることでどれだけ価値を出すかというのは常に意識しているポイントでして、単に右から左に流すだけではいずれ存在価値は無くなっていくのだろうなと自戒も兼ねて思っていました。
話を元に戻しますが、別にエージェントが間にいてもいなくても、興味のある企業に履歴書を送って面接を受ける、という流れは変わらないわけですから、敢えて誰かを経由して応募するのではなく直接応募の方がコスト的にも熱意的にも伝わりますよね。
採用する企業側も、直接応募された方がエージェントに払うコストが発生しない分安上がりになりますしね。
というわけで、転職時に応募した会社は1社を除いて基本的に全て直接応募をしました。採用ページを見て、気になるポジションの募集が出ていれば履歴書を送り、仮に募集中でなくても気になる会社の場合は、問合せフォームから志望動機を書き履歴書を添付して応募してました。内定をもらって今勤務している会社も直接応募した所です。
このように書くと転職エージェントの印象が悪くなってしまうかもしれないので、彼らから学んだ点についても書いておきたいと思います。
エージェント経由で受けた会社が一社あるのですが、その担当者の面接後のフィードバックが実に上手だったな、と。エージェント側からしたら内定して入社してもらわないと売り上げが立たないわけですから、応募者に途中で離脱されてしまうのが一番困る。なので、上手ーく応募者を持ち上げて次の面接に進んでもらう為のノウハウを持っているのだろうなと感じました。
応募者の志望度合いの本当の所を炙り出す質問だったり、次の面接に進みたくなるようなツボを押さえた褒め文句だったりと、同じ仲介業の人間として非常に参考になる点が多く、事実いくつかは今も活用しています。
悩んでいたポイントについて書くはずが、気付けば後半はエージェントの話になってしまいましたね、、。次は転職先を選ぶ際の軸をどう整理していったのかについて書いていきたいと思います。
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