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 【逆張りの悲劇】ゲームにおいて、強い武器やキャラを使おうとしない理由とは何か?

 
 
 
 強い武器やキャラを使おうとしない理由

 こんにちは、ズンダです。

 前回の記事「逆張り」について話しました。

 今回は「どうして、強い武器やキャラクターを使わないのか」について書こうと思います。

 

人より簡単に上に行く方法

強いものを使えば良いだけ

 
 最初の記事で述べたように、私ズンダはスプラトゥーン2というゲームをyoutubeで頻繁にしております。

 その中で幾度となく言及していることがあります。

 それは「勝ちたかったら、強い武器をもて」ということです。

 皆さんは不思議に思われるかも知れませんが、世の中には勝つことに拘りを覚えているにもかかわらず、勝てるようになるための方法をとらない人々がいます。

 真っ当な常識があれば勝つためには強い兵器がなければダメだ。

 力こそが正義である(Might is Right)ということはおわかりでしょう。

 それはゲームの世界でも変わりありません。

 勝利のためには素直に強い武器を持てばいいのではないか、といえそうです。

 

ストリートファイターⅣの想い出

 ところが世の中には前記事と同じく「逆張り」をはりたい人々がいます。

 人と同じことをしたくない、という一風変わった輩です。

 そんな彼らですが、だいたい表舞台に上がることはなく消えていきます。

 私なんぞもスプラ2にはまる前は『ストリートファイターⅣ』という格闘ゲームに執心でして、ひたすらやっていたことがありました。

 そのゲームは数十人のキャラクターがいます。

 

 中には箸にも棒にもかからないような弱いキャラクターなどもいました。

 そして、そういったキャラを使いたがる偏奇な人も。

 勿論、彼らは一時的には有名になれます。

 「こんな弱いキャラを使って上手いだなんて、天才だろ!」という評価を受けるからです。

 ですが、そんな評価も三日天下のようにあっけなく砂塵のような扱いになります。

 最終的に勝てないからです。

 残念ですが、世の中は結果を出している人間を追いかけます。

 

 結果を出せない人々が追いかけられることはまずありません。

 そして、偏奇な人々は成果を挙げることができなくなるので名前も上げられることがなくなり、果たして消えます。

 「応援してます」といったところで、その人が何年、何十年も結果を出せなかった人を応援しつづけることはありません。

 

 すると、ヘンテコな武器やキャラを使っていた当人はその段階で、
「何をやっていたんだろう、自分は」と思うようになります。

 

 時間はかけてきたけれど、積み重なったものは極く僅かだからです。

 そのかけてきた時間と成果が噛み合わないためにヤル気がグンと下がり、結局、辞めてしまいます。

 

挑戦したい自分と自尊心を守りたい自分とがいる


 こうならないためにはどうすればよかったのでしょう。

 簡単ですね、強いキャラを使って結果を残せばよかったのです。

 そうすれば、無駄に多くの時間をかけて苦労せずとも勝ち上がることができ、結果を残せたはずです。

 それなのに、そうはしなかった。

 当人も気づいていたはずです。

 他のキャラや武器を使用すれば、今よりも良い成績が残せるのではないか?と。

 では、なぜそれができなかったのでしょうか?

 

 鹿毛雅治『モチベーションの心理学』(中公新書)をみてみましょう。

 この本の158頁以降には「強い武器をもちたがらない人間」の機序がかかれています。

 

自己価値理論とは何か?


 原因帰属を手がかりとしてモチベーションを説明するのが自己価値理論である。

モチベーションの心理学

 人は自分が何かをしたにもかかわらず、失敗してしまうことを嫌います。

 この「失敗」の原因が自分に帰属することから人の動機をみる理論を「自己価値理論」というのです。

 その具体的な説明を引用します。

 実際に試験勉強をしたかどうかにかかわらず、努力しなかったと公言することによって、試験の結果がたとえ悪かったとしても「試験勉強していなかったからだ」という言い訳(「ダメで元々」)が成り立ち、自分に対する有能さの評価は傷つかない。しかも、もし試験の結果がよければ「あの人は努力しないで高得点をとるなんてすごい。頭がいいに違いない」といった「棚からぼた餅」的な賞賛が得られ、優越感に浸れる。つまり、試験の結果が成功、失敗のどちらに転んでも得策なのである。

前掲書

 以上の文からも明らかなように、私たちは意識的な努力によって何かが得られることを望んでいる、ということです。

 要するに「努力した以上、何かを得たい。得られなければ失敗であり、努力した意味がない」と考えている。

 そこで、努力を避けて、「何もしない」を選び、失敗しないように望むのです。

 ここから、「失敗回避方略」を選択するようになります。

 これは「成功を求めて努力するよりも、失敗を回避することに工夫を凝らす」というものです。

 自分の自信や評価を傷つけないようにするために何かしらかの理由をつけて頑張ることです。

 つまり、頑張る方向が成功するためではなくて、失敗を避ける方向へ移ってしまっているのです。

 要約すると以下の方略をとるようです。

 1 活動に参加しない。知ったかぶりをする。

 2 セルフ・ハンディキャッピング。失敗を能力の低さではなく、まわりの外的な要因のせいにする

 3 目標を低く設定し、必ず成功するようなやさしい課題ばかりをする。

 勿論、この失敗回避方略を取ることは必ずしも悪いことではありません。

 自分の一時的な疲れやしんどさから逃れるために失敗回避方略を選び、自己防衛を図ることが悪いと誰がいえるでしょうか。

 私たちは誰だって、辛いときがあるはずです。

 一方で、この方法をとり続けていた場合、問題の先送りにしかならないことも事実です。


自尊心をいかにして守るかが人の腹の内にある


 ここまで話せばおわかりになるでしょう。

 なぜ「逆張り」をしてしまうのか。

 

 なぜ、「弱い武器やキャラ」を使ってしまうのか。

 つまり、「自尊心」です。

 仮にそのゲームにおける最強武器や最強キャラを使って、自分が全く勝てない、通用しなかった場合に「立つ瀬」がなくなることを恐れているからです。

 すると、当然、自尊心が傷つきます。

 傷ついた自尊心をどうにか保護したいために人はまた何かを求めたり、何かを止めたりします。

 実は自尊心には「自尊心追求のコスト」があります。
 自尊心を得るために何かをしなければならない。

 けれども、何かをすると「自尊心が傷つく可能性」がでてきてしまう。

 そういうコストのことです。

 自尊心は均衡が欠かせません。

 あまりに過度な自尊心がある人は「カンニング」などをして成績をよくしようとするし、低すぎると現実を歪めて解釈しようとします。

 必要なのは自尊心について「good enough(これでよい)」という状態です。

 

終わりに


 自分が今のままで満足していられるような心理状態。

 この状態にどうやって至るか。

 難しい問題です。

 ただし、自分がどうしてウデマエをあげたいのに、弱い武器を使ってしまうかは自尊心と相談しながら考えてみる必要があるということです。

 「なぜ自分は弱い武器を使ってしまうのか?」に対する見方の一つとして
この記事を読んでみてください。

 そこで、「自尊心追求のコスト」を払えると思うのであれば、
武器替え等をしてみてはいかがでしょうか。


 イイネとか読者になってくれると嬉しいです!

 では、またお会いしましょう。

 ズンダでした。

 

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