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少女漫画好きな人にジョジョ1部を勧めたい【ネタバレ注意】

先日、ふと思い立ってジョジョを読み始めた。

そこで問題になるのが、「何部から読めば良いのか」だ。
分からない人に向けて説明すると、ジョジョは現在9部まである。それぞれの部ごとに主人公は異なり、基本的に何部から読んでも大丈夫なことになっているので、スタウォーズみたいに「どこから見るのがおすすめなのか?」という議論が生まれやすいのだ。
しかし結局、私は1部から見ることにした。ネットで検索した限りの情報では1部はあまり人気のある方では無かったが、とにかく読んでみようと思ったのだ。

読んでみてびっくりしたのがまず、バトル漫画なのになかなかバトルが始まらない事だった。
前半のあらすじを書くとこうだ。

19世紀末イギリス、貴族の少年ジョナサン・ジョースター(ジョジョ)の家に貧民街で育った少年ディオ・ブランドーが養子として引き取られる。しかしディオは根っからの悪人で、ジョースター家の財産を乗っ取ろうとしており、ジョジョに陰湿な嫌がらせをする。
ジョジョはエリナという女の子と仲良くなるが、それに気付いたディオは嫌がらせでエリナに無理やりキスをする。さすがにブチ切れたジョジョはディオを殴り、ディオはガチ泣きする。それからディオは表面上大人しくなり、七年の月日が流れるが......。

私はこの前半部分を読んで「少女漫画かよ!!!?」と心の中で叫んだ。ご存知の通り、絵を見ると劇画調なのでさぞバチバチの北斗の拳みたいなバトル漫画なのかと思いきや(北斗の拳は読んだことないです)、内容が24年組(昭和24年頃の生まれで、1970年代に少女漫画の革新を担った日本の女性漫画家の一群を指す)の漫画すぎてひっくり返った。百歩譲っても世界名作劇場といったところである。なのに絵は北斗の拳みたいな感じなので脳がバグを起こす。
ちなみにエミリー・ブロンテの『嵐が丘』っぽいという意見も見かけて確かにナアと思った。
あと当時読んでいたジャンプ読者達は「これ本当にバトル漫画になるの?」と心配していたかと思うと面白い。
だがこの少女漫画じゃんという展開が後半でいきなりホラー・バトル漫画に切り替わるのだ。それはもう突然に。
正直なところ、私はもっとバトルよりもドラマ性を重視した部分を読んでいたいという気持ちもあったが、結果的に結末は素晴らしかった。

少女漫画的な展開をもっと読みたいなら少女漫画を読めば良いじゃんという話だが、私は少年漫画も好きである。そしてジョジョ1部は少年漫画の好きなところと少女漫画の好きなところが掛け合わさってるからこそ謎の魅力があるのだと感じた。

ちなみに以前の記事で紹介した『霊応ゲーム』という小説がジョジョ1部っぽいとも話題になっている。

舞台はイギリスで主人公の名前が「ジョナサン」で、もう一人の主要人物である少年も性格がディオに似ているのだ。偶然の一致に私は爆笑してしまった。

とにかく、ジョジョは絵柄に抵抗があって読んでないという人が多いが、少女漫画や古典文学が好きな人は騙されたと思って是非ジョジョ1部を読んでみて欲しい。

おまけ:24年組っぽく描いたジョジョ1部

好きなシーンも24年表っぽく描くとこうなる

元のやつです

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