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『少年アリス』を読んだよ!

どうも、草村です

今回は長野まゆみさんの『少年アリス』を読みました。

幻想的な表紙が魅力的ですね。確か長野さんはデザイナーでもあるので表紙も自ら手がけているようです。
長野まゆみさんの作品は初めてだったのですが、「耽美が好きなら長野まゆみだろ!」みたいなのをツイッターか何かで聞いたので「そりゃあ読まん訳にはいかんな」と思った次第です。

さて、まず読んでみてびっくりしたのは、登場人物の名前です。タイトルの通り主人公の少年の名前がアリスなのにも驚きましたが、友達の名前が「蜜蜂」という名前でイキナリ度肝を抜かれてしまいました。前に読んだ森茉莉さんの作品もギドウとかパウロとかネーミングセンスがなかなかに独特でしたが、「蜜蜂」はなかなかにクレイジーですね。
名前って自由に付けて良いんだな〜と感心してしまいました。因みに解説には「蜜蜂」だとか「アリス」だとかはそれ自体が人物に全く関係がなく、記号のようなものであるため意味から解き放たれて自由になっているというようなことが書かれていて分かるような分からないような...。でも、人物の性格などに関係のある名前を付ける作家が居る一方でこういった風に敢えて意味の無い記号としての名前を付けるという試みは興味深いと思いました。
因みに私が小説の登場人物で一番カッコイイなと思う名前は『罪と罰』のロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフです。イニシャルのPPPが666を表していてアンチキリストの意味を持つだとか、ラスコーリニコフは「分裂する」「叩き割る」というような意味で彼の不安定な性格や老婆を斧で殺すことを暗示しているだとか、色んな意味が含まれているのが面白いナアと思いました。小説を書くにあたって、キャラクターの名前をどうやって付けるか、というのも楽しみの一つですね。

また、長野まゆみさんは私の超大好きな稲垣足穂さんをリスペクトしているようで、古風な文体も足穂的だし、ボール紙で作った月や星なんかが出てくるのはまさに足穂‼️って感じですね。私も足穂さんの文章が大好きで真似して短文を書いたことがあります。長野まゆみさんのように足穂さん的エッセンスを加えつつもオリジナリティも出して自分のモノに出来るのが羨ましくて、読んでいて少し嫉妬しちゃったりもしました。
長野さんは随分とたくさんの作品を出しているようなので勉強がてら他にも読んでいきたいです。それではまた( ´ ▽ ` )/

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