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精神科を受診するまでの経緯

こんにちは。EAPメンタルヘルスカウンセラーを目指す づめさん です。

今回は、いつものようなカウンセラーの勉強にまつわることではなく、自身のことをお話ししたいと思います。

もし今、辛い思いをしていて心療内科や精神科に行ってみようかな…と考えている方は、参考になるかと思いますのでお読みいただければ幸いです。

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わたしには、過緊張という心理的な要因からくる症状があります。

大勢の人の前や、不慣れな場所での自己紹介や発表などで呼吸が浅くなったり、身体が震えたりするものです。

診断名は付いていませんが、社会性不安障害というのが、自分自身の症状として合っているような気がします。
(理解していただきやすいように、実感している症状から当てはまりそうな病名の一例を挙げています。病名は医師以外が判断するものではありませんので、ご注意ください)


人前で喋るのは、誰でも緊張するかもしれません。
確かにそうなのですが、よく聞く緊張した体験談で、
頭が真っ白で何を喋っているのかわからなくなってきた……
などという話を聞くと、とりあえず喋り続けられるんだから羨ましいなぁと思います。

わたしの場合は、緊張すると立っていられないほどの呼吸困難で息を吸うことも吐くことも難しくなってしまいます。身体がガタガタと震えてこのまま倒れてしまうのではないかという恐怖もあります。


最初に発症したのは、20才頃でした。

その時は、大勢の前というわけではありませんでしたが、ある出来事がきっかけで呼吸困難になりました。

母親が心配して、心療内科に予約を取ろうとしました。
心療内科は内科や耳鼻科などのように駆け込みで診てもらえることはほとんどありません。

ところが、どの病院も数ヶ月先まで予約が埋まっていると言われてしまいました。

自分に何が起こったのか、わからないまま数ヶ月過ごすことは不安以外の何者でもありませんでした。

根気強くいくつかの心療内科に電話をかけ続けたところ、1ヶ月先なら診てくれるという病院が見つかり、通院することになりました。

わたしは、それまで心療内科とは縁遠い生活をしていたので、まさか初診までこんなに時間がかかるなんて思いもしませんでした。

こんなに苦しいのに、すぐに診てもらえないなんて……と、病院に対してガッカリもしました。


心療内科では、症状が起こった原因と、これまでの経緯をお話ししてから、簡単な心理テストをしました。
バウムテストと呼ばれる、白い画用紙に実のなる木を描く心理テストです。

木を描いて先生に見せると、話していた印象とテストの結果が違っていたのか、先生は少し驚いた表情をしていました。

バウムテストの結果については何も聞いていませんが、しばらく投薬をしながら様子をみましょう、ということになりました。

その時辛かった症状は、不眠と不安です。
睡眠薬と抗不安剤を出してもらい、お医者さんから指示された通りに服薬しました。

精神科や心療内科に通う人の中には、薬に抵抗がある方もいると思います。

メンタル系の薬だけでなく、風邪薬や鎮痛剤など身体症状に関する薬だって、飲まないで自己治癒力で回復できるなら、それに越したことはないと思います。

ですが、わたしは元々生まれた時から身体が弱く、病院ばかり行っていたので、薬を飲むことに全く抵抗はありませんでした。

幸い、すぐによく眠れるようになり、副作用も感じませんでした。

会社には行けなくなり、退職しましたが、実家では問題なく日々の生活が送れるようになりました。

ただ、服薬についての価値観や副作用は人によって異なりますので、もし服薬に抵抗感が合ったり、服薬してみて副作用を感じたら医師と相談して治療に取り組んでください。


数ヶ月、通院しながら服薬を続けました。
症状が軽くなって行ったので、薬の量もすぐに減り、比較的すぐに派遣の仕事を始めることもできました。

最終的に、海外へ留学することが決まったことをきっかけに通院生活が終わりました。おそらく通院していたのは半年くらいだったかと思います。

病院の先生にも、留学してやりたいことをやるのは体調を整えるためにも良いことだよと背中を押していただいたのが励みになりました。良い先生に出会えてラッキーでした。

最後の診察の時に、もう大丈夫だと思うけど念のために、と頓服薬を出していただいてお別れになりました。

この頓服薬を留学中に使うことはありませんでしたが、その後5年間くらいはお守りとして持ち続けていました。
(薬の消費期限ってどれくらいなのでしょうね?あまり長く持ち続けるのは良くないかもしれませんね(汗))


その後は、特に何もなく過ごしていましたが、ある時、仕事が忙しすぎて過労からパニック障害の一歩手前という状態になりました。

この時は、会社の近くの心療内科に電話したところ、予約から1週間くらいで診ていただくことができました。

実は、同じ会社の人が何人も通っている病院で、先生も慣れたものでした。

じっくり話を聞くというよりは、薬で症状を抑える方針の病院でした。
患者さん一人ひとりに費やす時間が短いから、早く診ていただくことができたのかもしれません。

そして、言い方は悪いですが、簡単に診断書を書いてくれました。
病院に行って、話もそこそこに「じゃあ、何ヶ月休みたいの?」と聞かれて驚きました。

今は、とりあえず仕事を休んで休養させるために、それほど症状が重たくなくても診断書を書く方針の先生もいらっしゃるそうです。


それが、良いことなのか悪いことなのか、判断が難しいです。
わたしの場合は、先生の提案で診断書を出していただいて助かりました。

業務過多について、何度も会社に相談をしていたのにも関わらず、わたしの仕事は減るどころか増える一方でした。
診断書を出すことで、やっと会社がことの事態を真剣に考えてくれたのです。

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それからは心療内科のお世話になることがなく生活していましたが、困ったことが一つありました。

それは、過緊張の症状だけが残ってしまったことです。

しばらくは、病院からもらった頓服薬を飲みながらMTGや発表の場に挑んでいました。

ですが、この薬は飲んだ後に身体が疲れてしまうのです。

少し休めば良くなるので、大したことはないのですが、薬を飲んだ日はジムに行けないとか、お酒を飲みに行けないとか、
そんなちょっとした不満が溜まって、少しずつ薬を飲まなくなりました。

そして、ラッキーなことに人前で発表するような仕事がなくなったので、このままでいれば緊張をしないし、薬を飲まなくていいし、良かったなぁーと気楽に考えていました。

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ところが、しばらく経つと人前での発言の場がまた増えてきました。

緊張していたのは1年以上前のことだから大丈夫だろう、と考えていたのですが、いざその場面になると昔のように辛い症状が現れてしまいました。

幸い、いつもお守りがわりに頓服薬をポーチに入れていたので、薬を飲んで対応することができました。

また、薬を飲む生活に戻るかもしれない嫌な気持ちと、時間が経っても全く改善していない自分の体にガッカリしてしまいました。

ただ、病院に行くのはなんだか気が進まなかったので、緊張を和らげるために工夫をするようになりました。

具体的には、自己啓発本を読んでマインドセットを変えようとしてみたり、緊張する場面を分析して、パターンを変えようと試みました。

お気に入りのタオルを持っていく。好きなアロマを持っていく、などの簡単なものから、
NLPのアンカリング(ある動作と感情を結びつけるコントロール手法)をして、「手を組んだら落ち着く」という風に暗示をかける等、手の込んだこともしてみました。

しかし、どれも大きな効果はありません。

唯一良かったのは、緊張しそうになったら発表の順番を無視してさっさと喋ることでした。

心臓がちょっとでもドキッとしたら、手を挙げて「一番に発表させてください!」と申告するのです。

この時、わたしの脳は「えー!言うこともまとまっていないのに、大丈夫かよ!」と焦っていますが、その焦りで緊張を忘れることができるので有効でした。

それに、周りからは積極的な人だと思われて評価も上がるし、職場では一石二鳥の方法です。


ただ、いつもこの手法が使えるわけではありません。
緊張する場面を分析したノートも、トリガーとなる出来事に一貫性がなく、途方に暮れていました。

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そんな生活が数年続いていましたが、今回、意を決してもう一度心療内科を受診することにしました。

EAPの勉強をする中で、服薬治療とカウンセリングをセットで行う方が効果があることはわかっています。

そこで、通いやすいところで、カウンセリングも行ってくれる精神科を探して電話をしてみました。

ちなみに、心療内科と精神科の違いをご存知でしょうか?
心療内科は主に、心身症と言って身体に症状が出ている病気を診る科です。
ストレスで胃潰瘍になるのは心身症です。

対して、精神科の方はその名前の通り精神疾患を扱う科です。
うつ病などがこれに当たります。

とは行っても、心療内科でも精神疾患を扱うことは良くありますし、わたしも今まで通ったクリニックは全て心療内科でした。
心療内科と看板を掲げていても、中身は精神科、と言うこともあるそうです。

これは、精神科と聞くと敷居が高くなってしまうので、受診のハードルを下げるために心療内科と謳っているのだそうです。

本来の意味とは異なるので少々ややこしいですが、学校では心の症状の場合は、精神科にリファーする(クライエントを専門家につなげる)方がベターだと教わりました。
(クライエントがどうしても精神科に抵抗を示す場合は、心療内科につなげる場合もある)

ここは、先入観で誤った偏見をもたずに、目的に合った科に行くのが良いです。

もし、精神科と言う言葉に抵抗がある方は、この話を聞いて安心するのではないでしょうか?
言葉の意味を正しく理解して、症状に合った専門家に診てもらいましょう。


さて、精神科に電話予約をしてみたところ、なんと最短で1週間ほどで診ていただけるとのことでした。

ネットの評判が良い病院だったので、数ヶ月先の予約になるかもしれないと心配していましたが、わたしが最初に遭遇したように、数ヶ月先まで予約が埋まっていると言うことは、今はもう少ないのかもしれませんね。

何せ、あれからもう20年近く経っていますから(汗)。メンタルヘルスを扱う病院の数もだいぶ増えましたよね。

ただ、土曜日の診療はほとんど予約が埋まってしまっていると言うことでした。働きながら通院をしている人が多い証拠かもしれませんね。

せっかくすぐに診ていただけるチャンスが合ったのですが、生憎自分自身の都合がつかなかったため、数週間後の平日に予約をお願いしました。

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今回、わたしの精神科の通院について記事を書いたのは、1人で悩んでいる人の参考になればと思ったからです。

心療内科や精神科を受診するのって勇気がいりますよね。
何度も通院歴があるわたしですら、数年間は受診する気になれなかったのです。

それに、どうやって受診するのかわからない人も多いと思います。

内科のようにいきなり病院に行くのではなく、まず電話で予約を取ってください。電話をするのは緊張するかもしれません。
でも受付の方も慣れたもので、多少うまくしゃべれなくても対応してくれますので心配はいりません。


それから、自分で頑張るのもいいけど、時には専門家の助けを借りることの大切さもお伝えしたいと思いました。

わたし自身、自分なりに対処できないか色々試してみました。
もうやり尽くしたと思います。

そこで「もうダメだ。良くならないんだ」と絶望的にならずに、色々試してみる中に「専門家に相談する」と言う選択肢を入れて欲しいです。


EAPの勉強をすることによって、精神科やカウンセリングは、必ず、良くなりたいと願う人の助けになる、と確信しています。



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