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立て続けてパズルとボードゲームの巨星が逝去したので、偲んでみる

まさかまさかの、お悔やみのニュースがここ最近飛び込んできた。
死は誰にでも訪れるわけで、こればっかりはどうしようもないわけだ。
そんなわけで、いろいろ書いて送り出してみます。

鍜治真起さん

鍜治真起さん(1951年ー2021年8月10日。享年69歳)は、株式会社ニコリの取締役でした。
というか、亡くなる先月までは社長だったのだが、副社長の安福正直さんに譲っています。
死因となった胆管がんを患っていたようで、身体上の理由での交代だったのかも知れません。
訃報のニュースは、亡くなってから1週間後でした。

ニコリといってもよく分からない人は多いと思うが、「数独」は知らないひとが少ないもしれない。
鍜治真起さんは、パズル雑誌ニコリで数独を掲載して、何十年たってから、ふとしたきっかけで、スペインに数独が渡り、結果世界中で大ブレイクを起こしてしまった、いうなれば「数独の義父」です。

……いや、たしかに異名として通っているのは「Godfather of Sudoku(数独の父)」ですが、実際は育ての親なのですよ。
本当の産みの親については、下のリンク記事を参照して下さい。

誕生したときの名前は「ナンバープレイス」だったのだが、育ての親の鍛冶真起さんは、このパズルに「数字は独身に限る」と名付けました。
略して「数独」なのです。

自分がニコリを初めて買ったのが13号。
このときは、現在の季刊ではなく、目にとまった日が発行日(堂々の不定期発行)だった。
13号の発売は1985年なので、数独登場の翌年です。

ニコリがなかったら、パズルにハマる機会がもっとあとになっていたので、鍛冶真起さんには感謝しかありません。


増川宏一さん

増川宏一さん(1930年ー2021年7月11日。享年91歳)は、遊戯史研究の大家です。
1988年に発足した遊戯史研究学会の二代目会長でした。

遊戯史学会は、2018年に解散。
上のリンクは、その覚書になります。

主に、将棋・囲碁などの文献研究が中心。
法政大学出版局のシリーズ「ものと人間の文化史」で、10冊以上遊戯に関しての書籍を出しており、自分も読ませていただきました。

訃報のニュースは、鍛冶真起さんよりもあとでしたが、実際は1ヶ月以上前に亡くなっていたのですね。


なので、珍ぬが現在書いている「『盤上の夜』ネタバレ読書呑記」、

『盤上の夜』は、ボードゲームを題材にした小説集で、将棋やチャトランガなど、増川宏一さんの研究ジャンルにジャストミート。
開始が7月末だったので、もうすでに、目に触れることもなかったのですね。

そういえば、将棋の盤面も数独の盤面も、どちらもマスが9×9ですね。

あらためて、鍛冶真起さん、増川宏一さんのご冥福をお祈り申し上げます。

では。

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