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ワークマンのDXとカブトムシ


DXについて、冨山和彦さんがITコンサルの飯のタネになっているだけ!とのお怒りのYouTubeをやってました。
コンサルの親分のような人が、これだけダメ出しするのは、ちょっと気にした方が良いですよね。


おっしゃるように目標の決まっていないDXは、請け負う側のITコンサルには永久機関、止まることが無いお仕事なのでありがたいと思います。

そもそもDXはデジタル·トランスフォーメーションですから、そんな簡単なものではなく全企業の2割ぐらいが取り組むべきもの。それが日本企業ほとんど全社共通で取り組んでいることがおかしいというのは、その通りです。

昆虫のトランスフォーメーション

なおトランスフォーメーションは昆虫の世界でいう変態の意味です。
下のカブトムシの変態を見てください。少しの変化をトランスフォーメーションというのは、幼虫から半年かけてサナギになり、成虫になるカブトムシに失礼です。

右上の幼虫がその左側のサナギになります。そして色が濃い茶色に変わり、成虫となる。脱皮もしますし、幼虫からは想像もつかないお姿です。失敗したら上手く成虫になれずに角が曲がったり、羽がしっかりしていなかったり、途中でお亡くなりになったりします。

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成虫という目標に向けて、土の中で栄養を蓄え、春に巣立ちを迎える。目標が高くなるからこそ、しっかりとした準備が必要です。

トランスフォーマーという日本発のアニメはハリウッドで実写されるという、リアルなトランスフォーメーションを果たしました。知能をもった機械が、車からロボットに変わる、あのレベルが変態です。甘い言葉で騙されてDXしてますってところも多いのでしょうね。

DXにビックデータを使う

じゃあどうやってDXをするのか?
今流行りのビッグデータ、データをDXの達成目標つくりに使うのも、不向きです。

正確な予測モデルをいくらつくっても未来を予測するには原理的に無理がある。データは常に過去のものだから。

DXで産み出したい事業はプルーオーシャンの拡がる利益のとれる製品やサービスです。データからは導き出せません。

よってデータとAIを使う意味というのは、予測と現実の乖離、すなわち兆しを捉えて変化を機会に変えることです。未来が過去の単純な延長ではなく、変化が常態化している予測不能な時代には、それに対応した新しい考え方が必要だ


と日立製作所の矢野和男さんが述べられてました。

それでは日本企業でDXに成功したとされている作業着などのワークマンをみてみます。

DX成功例のワークマン

SASの統計パッケージで気候パターン分析を使っている以外はエクセル片手に予測して業務を改革してるそうです。

耳が痛かったのが、

システムは10/100ぐらいの機能でまずは作る。 10個をつくって 追加で欲しい機能で10個を足し完全に使う。
改修費の方が最初のシステム構築よりも高くなる。
トライアンドエラーで10年20年かけるつもりです。っていうのは、調査ツールとかを既製服で買ってくる知財担当には耳がいたいです。

DXとかバズワードばかりに乗っかって、挙げ句の果てに思い通りに実現できないからCIOを何人もとっかえひっかえする。これが一番悪い。『ITは苦手だから全部任せる』という経営者のほうが正直で失敗しない。ITを使って、業績を伸ばして本当に会社のエンジンになったのはGAFAぐらいじゃないですかねp085


一円でも広告費を使ったらアマゾンに負ける
登山やランニングを趣味とするインフルエンサーを次々と捕獲。そういった方々と新商品をつくったら、間違いなくいいものができるp150

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ということで山歩きというか息子のカブトムシ探しに同行するため買いました。

まとめ

初職場でSAPのERPを導入するため新入社員がエクセルで標準仕様をひたすらまとめていました。エクセルでワークマンが業務まで変えるのとはえらい違いですが、エクセル恐るべしです。まあ新入社員にやらせるなよというのは、言わないお約束ですね。

今ならDXと呼んでる気がしますが、おっちゃんは拒否反応が激しくて周り回ってきたのだと今だと思えます。

それくらい大変な導入も、フレキシブルな対応が持ち味なのに強さが消えたと偉い言われようでした。ワークマンのように改修費を出せば良かったのかもしれませんが、既製服にあわせることで世界標準の仕事になると言われたのを思い返しました。

トランスフォーメーションで脱皮までして新しい姿になるカブトムシのように、企業も守旧派や抵抗勢力を弾き飛ばし、捨て去るのが必須なのかもしれません。

ブリーダーなら海外のカブトムシを買ってくることで、ちまちました飼育の手間を省きます。写真の成虫は東南アジアからはるばる来ました。同じレトリックなら辛い脱皮を目指すより外部に新会社を買ってくることで会社としては生き残るのかもしれません。おっちゃんは居場所は無さそうですよね。

家のデータはN数が1なので、カブトムシの季節がやってきたかは分かりませんが家のカブトムシも成虫になってきたので、今週末は今年初のカブトムシ探しに出かけます。もちろんワークマンの靴を履いて。

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