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グリーとSupercellの終結ゲーム訴訟


グリーとスーパーセルのアメリカでの訴訟について判決が出たので確認しました。

あわせて、これを機に既に数多く行われているグリーとスーパーセルの訴訟について、終結した案件を見直したところ和解している案件も多かったので

一度整理してみていきます。

経緯

まず以前からの引継ぎとして2019年に入りグリー(Gree,Inc,.)が クラクラ(Clash of Clans)やクラロワ( Clash Royale )で有名な Supercellを訴えてました。

日本で提起したグリーからの訴訟は和解になり終結したと思ったら、

US訴訟にフィールドを移してドンパチしています。

その中でも初期にグリーがスーパーセルを訴えた件について

以前もPRしていましたが、正式に裁判所より出ましたのでオーダーを見ていきます

アメリカでグリー勝利の判決詳細

CIVIL ACTION NO. 2:19-CV-00070-JRG

CIVIL ACTION NO. 2:19-CV-00071-JRG

この2件を裁判所は併合して一緒に判断しています。今年の10月末ですので最近ですね。

トランプ大統領のLAW&ORDERってスローガンが頭に残っているのですが

これは知財裁判で有名なテキサス州マーシャルの裁判官の判決です。それでは概要の日本語をメモ書きします。

ORDERS and ENTERS JUDGMENT as follows:

1. Supercell did either directly or indirectly infringe one or more of the Asserted Claims;

スーパーセルは侵害事実を有する。

2. Claims 1, 2, and 15 of U.S. Patent No. 9,604,137, Claims 4 and 5 of U.S. Patent No. 9,956,481, Claims 5 and 7 of U.S. Patent No. 9,774,655, and Claims 8 and 10 of U.S. Patent No. 9,795,873 are not invalid;

上記記載のクレームは無効ではない。

(逆を言うとClaim 2 of U.S. Patent No. 9,597,594,のみは違うという判断)

3. Supercell’s infringement was willful;

故意侵害を認定。

4. Plaintiff GREE, Inc. is hereby awarded damages from and against Supercell and shall accordingly have and recover from Supercell the sum of $8,500,000.00 U.S. Dollars;

損害賠償金は850万ドル

以前見たのと金額は変わっていないようですね。

5. Pursuant to Federal Rule of Civil Procedure 54(d), Local Rule CV-54, and 28 U.S.C. § 1920, Plaintiff GREE, Inc. is the prevailing party in this case and shall recover its costs from Supercell;

グリーは訴訟費用(コスト)もスーパーセルから回収できる。

以下は損害賠償を支払う利率に関する話なのでとりあえず載せますがスルーで大丈夫です。おまじないの用語みたいなものですね。

6. Pursuant to 35 U.S.C. § 284, the Court awards pre-judgment interest applicable to all sums awarded herein, at the prime rate, compounded quarterly, from February 27, 2019 until the date of the entry of this Judgment;

2月27日以降は複利のプライムレートで支払う

7. Pursuant to 28 U.S.C. § 1961, the Court awards post-judgment interest applicable to all sums awarded herein, at the statutory rate, from the date of entry of this Judgment until paid.

判決後は法定利率で支払いまで利息が発生する

サインが有って、

____________________________________ RODNEY GILSTRAP UNITED STATES DISTRICT JUDGE So ORDERED and SIGNED this 28th day of October, 2020.

10月28日オーダー

スーパーセル側から控訴しているかどうかは今のところ不明です。

これを認めると数え間違いで無ければ残り8件の訴訟についても

厳しい戦いになることが予想されるのでなんとかしたいころです。

これだけでもお腹一杯ですが、とりあえず和解になってドロップした訴訟だけ上げておきます。

今回の訴訟は上の赤い枠です。

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【和解済み】

上記の絵のグレーにした4件になります。

半分はスーパーセル側が行った特許の不存在確認訴訟

つまり、関係ないことを裁判所に認めてもらいましょうというものです。

しかし、速攻和解です。

まずはグリー側からの訴訟です。

Case No.: 2:19-cv-00172-JRG-RSP

U.S. Patent No. 10,286,302 (the “Asserted Patent”), IPR2020-00310

Defendant Supercell Oy hereby agrees to dismiss all claims, counterclaims and defenses in this action without prejudice;

Dated: September 4, 2020

実際に終了したのは9月23日

和解により解決

もう一件です。

2:19-cv-00161-JRG-RSP

出願: 05/06/2019

終了 :09/22/2020

原告フリーは棄却(DISMISS)する

被告スーパーセル側も同意する

自己負担


ここからは逆にSupercellが訴えた件です。

2:20-cv-00084

出願: 03/20/2020

終了 :06/23/2020

3:19-Cv-01106

原告スーパーセル側が棄却(DISMISS)した。

2月27日に提起されたグリーの071,072訴訟の訴訟の対象特許なので

訴益が無かったのか3か月で棄却となっています。

3月1日に訴状自体は出しているのですが一歩及ばず残念です。

もう一件です。

3:19-cv-04207

07/22/2019提起

07/30/2019DISMISS

不存在確認訴訟

US10,328,347、10,335,683、10,335,682 非侵害だと言いました。

ただし、既にグリーから行われた200の訴訟の対象特許なので

こちらもわずか7日で棄却となっています。一か月も経っていたので納得です。

ちなみにPGRなどスーパーセル側がPTABに行った訴訟も

その控訴された事件も解決されているので

トータルで見ると下記のように多数訴訟が解決はされています。

和解に至った理由は個別に見ていく必要があるのですが

まだまだ残っている訴訟があるのでまずはそちらをウオッチングですね。

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