見出し画像

障害のある子の就学のあれこれ。インクルーシブ教育って??


自閉症・中度知的障害のある次男(現在9歳)。2歳半で診断後、マンツーマン加配の先生付きで、未満児(2歳児)から4年間地域のこども園に通っていました。児童発達支援事業所に週1通い、平行して家庭で長時間の早期ABA療育(ロバース式)も行っていました。今も発語は限られており、双方向コミュニケーションは難しいです。視覚的支援をしています。


就学相談のこと


年長児になり、いよいよ就学というとき、発達に気になる子には当然「就学相談」なるものがあるのですが、地元の小学校を希望した息子の場合は本当に大変でした。当時の親の心労も相当なもので、改めて時系列でその記録を残しておくことにします。
(以前2020年当時 リアルタイムにFacebookに書き留めたり、個人的に記録していたものです。)

第一回目就学相談

●年長児(5歳) 2019年7月: 第一回就学相談 (認定こども園)
市の教育委員会の担当(二人)、地域の小学校の支援コーディネーターのK先生が園の様子を見学。
午後、園長先生、担任・加配の先生も同席して、両親との懇談。
親の希望である、地域小の支援級への入学希望を伝える。その時は担当の方も全員、その方向でいきましょう、という反応で前向きに感じた。(その時は全く養護学校(ここの地域ではこの呼び名)の話は出なかった)
 
● 8月末。支援級を見学(親だけ)。小学校のコーディネーターの先生、知・障クラスの担任の先生とも軽くお話しし、給食の様子まで見させてもらう。
 
●9月始め頃に園長先生から、養護学校も見学してはどうか?と言われる。
 
● 9月中旬:養護学校を見学(園の加配の先生と)。しっかり見せてもらった。ただ、小学校の間はできるだけ公立学校で、今まで一緒に過ごしたお友達と交流して成長してほしいという親の気持ちは変わらず。その旨も園長先生に翌日伝える。

● 9月下旬:小学校の運動会の旗取りに参加。走らなかったので支援のK先生が抱っこして走って旗を取った。
<ここまでは、地域の小学校に行けないといは言われていない>
 

第二回目の就学相談 

●10月初め:前回と同じく教育委員会の就学担当の方。ただ学校側は、前回と違う支援コーディネーター長(M先生)が園を訪問。午後、私たち両親との懇談。その席で初めて、支援級に入学するのは難しい、と伝えられる。
その初めて会ったM先生から、今の息子では、これもできない、あれもできない、小学校で受け入れられない、校長もそう考えている、と厳しいことを言われる。(正直、言葉が気持ちを逆なでするような言い方であった)

市の教育委員会の担当も、7月とは全く別人かと思うような違う意見で(同じ人だが)、養護学校を強く薦められる。「運動会の旗取りもうまく行かなかったと聞いてますし」とがんばった事に対して、就学相談とは関係の無い運動会の事例を出されて、傷つくことを言われる。親の意見や気持ちは全く無視された気分になり、紛糾。話し合いは全く平行線のまま終了。
この後、これをもって11月19日に就学検討会が行われる、という事をを確認だけして終了。

この直後の私のFacebookにこう記している:
今日ほど、ここの市民である事を後悔した日は無い。学校、教育委員会の都合ばかり。就学前相談、春にもやった意味が全く無し。悪い時ばかりを引き合いに出され凹んだ。と書いている。

10月中旬:就学が決まってない小学校から、就学前健診と校長や事務的な話の保護者会の通知だけは送られてくる。担当が違うから、ただ慣例に通知してるだけだから、しょうがないとはいえ、かなり複雑。
「就学を歓迎されてない気持ちで、大多数に混じって、慣例的なおめでとうだけ言われるのは、悲しい気持ちになるので欠席します、必要な事務的な事は決定した時点で聞きます」と学校の支援コーディネーターMに伝えたら、驚いていた。私は、その驚いた事に驚いた。

最悪の就学前検診

●10月中旬:体験入学はスキップすることにしたが、健康チェックの就学前検診は受けることにした。14時からの受付。待つのが超絶苦手な息子、なるべく待たなくていいように、受付終了ぎりぎりの遅めに行った(14時20分)。 が、その時点ですでに長蛇の列。30分程度待たなくてはいけなくなり、そこですでに崩れてしまう。→本当に、この検診は特別配慮も何もなく、支援のいる子への全くの無配慮。後ほど教育委員会に改善してもらうように伝えた。(多分変わら無さそうだけど)

どういう検査か(視力、歯科、内科など)、事前に家で練習して予告していたが、やはり初めての場所、普段と違う事、一番嫌な歯や体に関する事で、息子はパニックになる。誰も助けてはくれない、孤独になりながらもなんとか、なだめて落ち着かせ、1時間遅れで終了(歯医者はさっさと決められた時間になったら帰ってしまって受けられなかったし、市内の耳鼻科の先生は明らかに迷惑そうな顔で、先生のひざに上履きでのってしまった息子を一瞥して、無言で自分のズボンを一生懸命手ではらっていた、、ずっと忘れられない。)

そのパニック様子を、例のコーディネーターの先生、担任の先生、途中校長先生もじっと観察していた。帰宅後、いたたまれなくなり、校長先生を訪問。普段経験したことのない、検診は自閉症児には一番つらいこと、あれがいつもの息子の姿ではない、事だけは伝えたかった。
 

その後も決定は教育委員会で保留に保留を重ね、難航を極める

●11月中旬::2回目の市の教育委員会を訪問。アポを取り室長と面談。改めて地元の学校に通わせたい旨を伝える。
●第一回就学検討会(教育委員会):ここでも決まらず、一旦保留とされる。(学校から反対があったと)
●その4日後:前回スキップした体験入学(8:30~10:30)。10月は一斉だったが、息子だけの体験のほうが安心して出来ると思い、前もって申し込んでいた。父・母も見学。その後、校長室にて、管理職・支援の先生方と30分の懇談。 
息子の生活の事、同じ保育園の子たちと同じ学校に入学したいという保護者の意思を伝える。ただ、校長先生は「まだ教育委員会がどういう決定を出すのか分かっていない段階なので、とりあえず、その後にまた細かいことは」というようなニュアンス、なんとなく息子は公立小学校での入学を認められないだろう、というようなニュアンスも感じ、不安になった。

他の小学校も検討

実は私は息子が年中児(4歳)の時から、念のため学区の小学校だけでなく、近隣市町村含め7校ほど支援級を見学をしていた。隣の町の小学校は規模も小さく、マンモスの学区内の学校よりとてもアットホームに見えたが、住民である必要があり、持ち家なので実際は引っ越すのは難しく、母子だけの引っ越しも考えたが、現実的には費用もかかり、長男にも不便を強いるので難しい。

やはりお友達のいる学区でがんばろう、と思い直し他校は考えていなかったのだが、一連の小学校の対応にかなりな不安を感じ、そういえば、同じ市内で一番小さい学校を、心残りが無いように見学だけしてみようと思い、見学のアポを取る。○○小の支援級を初見学(母のみ)。正直今まで見学した7校の中で、一番良かった。ここなら息子いるイメージが出来た、ここはどうだろう?という気持ちが強くなる。(11月下旬)

11月下旬:第二回就学検討会で再度、息子のケースで、支援級での決定がなされず、保留になったことを市の教育委員会から電話で知らされる。 
さらに、本委員会の開催が1月に入ってからしかできないので、再度の通知は1月末になると知らされる。が、年明けまでこのような精神状態で親も参ってしまうので、なんとか年末までに決定をもらえないのか?と伝える。
緊急小委員会を開催してもらえることになった。

12月、就学決定がようやく降りる
一連の就学相談の終了

●12月上旬:学校教育課 室長、担当の方と父母で面談。
正式な書面通知は1月末になってしまうが、学びの場を付帯条項付きで、「特別支援学級(知的障がい学級)」と判断したと正式に伝えられる。付帯条項とは以下の2点。
1.入学する学校に支援員を増員する(肢体不自由児以外、マンツーマンとはできないが、できるだけ息子の危険回避のため)
 2.毎年 学びの場の見直しをする こと

就学相談としては、これで一旦終了で、入学する学校は親御さんで決定する、学区外なら申請で、ということを話される。これまでの経緯に関して感謝の意を伝える。

学区外の学校へ

 
息子をよく知ってくれている保育園の子たちと離れること、親の車で毎日送迎になることも含め、それでも越境しての学校選択について、家族会議する。
保護者も顔見知りで、理解のある保育園のお友達と離れること、自分からは発信しない子なので、これから新しいお友達ができる可能性は低いだろう、など悩みに悩みましたが、家族会議の結果、学校自体の環境を取ることに決めました。 (学区のマンモス(約750名)とは雰囲気が全く違い、生徒数も3分の1(250名)、温かみのあるアットホームな学校)

2月にようやく小学校が決まる

ここからの経緯は、学区外通学申請→許可が下りて、改めての体験入学。車で片道8km、約20分の公立小学校の支援級(知・障)に通っています。

<2020年2月の過去ブログより>
2019年7月からの就学相談、学区内の学校といろいろ心中穏やかにいられない事が連続し、教育委員会にも何度も足を運び、心がかき乱され、私自身落ちたり、苦しい4か月でした。
一瞬はホッとしましたが、ゴールでもなんでもなく、やっとスタートラインに立てただけ。これからも大変です。
許可が下りたのがやっと2週間前。1日体験入学ももう終了してしまい、新天地ではだれも親御さんもお友達も知りません><
p.s.ずっとこんな気分でランドセル買う気にならなくて、行く学校はランドセルじゃなかったから、結果的に買わなくてよかった・・!
-----------

しかし、またここからが長い旅が始まります。(つづく)

#就学前相談  #自閉症 #知的障害 #インクルーシブ教育 #特別支援教育


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?