【回想録】自分を映し出すのは鏡だけじゃない
フィレンツェに来て3年目くらいまでは美術館の年間パス・Amici degli Uffiziを利用してとにかく時間が空いた時はフィレンツェ内の美術館をひたすら見て回っていた。
初めてウフィッツィ美術館を見た時の感想は、、、重い。
確かに有名絵画だらけなのだけれど順路的にルネッサンス初期から始まるためThe宗教画で気持ちが重くなり、それを後まで引きずってしまった。
もしかすると自分と同じような気持ちになった方もいるのでは?
時間もあるから最初からしっかり観ようと気合が入りすぎてしまい空回りしてしまったのかもしれません。
中盤・後半と進む中で美術の教科書で見たことのあるような作品がたくさんあるもののそこに辿り着くまでに疲れてしまい集中しきれなかった。。。
それから修復を勉強しつつ、宗教的な教養や文化・歴史について読みやすい本から読み漁った。
そんな事をしつつ何度も美術館に足を運んでみると少しずつ絵の見え方が変わってくる。
全体的な印象から描写のテクニックなど回を重ねる度に気付きが多くなり、いつの間にかウフィッツィ美術館だけでも何十回と通っていた。
アートというのは一方的なものではなく受け手のコンディションによって見え方が大きく変わる。
その時の自分を映し出す鏡のような存在でその絵画を見ることによって自分のいろいろな内面に気付かされる。
アートにはそんな力があるのだと頭ではなく、少しずつ体が感じとり始めた時期でした。
続く
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