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広報が語る新しい動物病院「ZOOMO WILDLIFE HEALTH CENTER」について

いつも盛岡市動物公園ZOOMOを応援していただきありがとうございます。リニューアルオープンし、ブログを更新しなければ・・・と思っているうちに、ウインターシーズンに突入・・・あっという間に年明けになってしまいました。汗

今日は新しい動物病院「ZOOMO WILDLIFE HEALTH CENTER」についてお伝えするブログを書こうと思います。シリーズでお伝えしているので、「園長と副園長のひとりごと」「獣医の診療カルテ」を読んでいただければと思います。

私は企画営業広報の立場で、違った視点から新しい動物病院「ZOOMO WILDLIFE HEALTH CENTER」(以下ZWHC)についてお伝えできればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、ZOOMOには動物たちの健康を守る最後の砦として動物病院があります。この病院は、当園の動物達のための診療施設です。リニューアルの中で今の動物病院は改修されず、盛岡市の政策として動物病院の新たな建設に係る費用は、趣旨にご賛同いただいた皆様からお預かりするご寄附により整備を目指しています。かなり前から「企業版ふるさと納税」を開始、「ふるさと納税」を活用していますが、実は苦戦しているのが現状です。
リニューアル工事ツアーに参加してくださった皆様には、動物病院建設予定地でお話をしたことから、進展がないということになります・・・・・。

ZWHCを作るにあたり、当園の理念やコンセプトに共感してくださった、世界的にも有名な槇総合計画事務所様(槇総合計画事務所HP)がその基本設計に手を上げてくださっています。2022年5月14日に槇総合計画事務所と、盛岡市、それからZOOMOを運営している株式会社もりおかパークマネジメントが3者協定を結び、その際には講演会も行いました。
(動物福祉を実現する建築とランドスケープ~設計の視点から動物福祉を考えるシンポジウム~

槇総合計画事務所と、盛岡市、それからZOOMOの3者協定締結式の様子

 当日は、多くの皆様にお越しいただき、特に建築士の皆様にとっては、教科書に載っている雲の上のような存在の方、そのような方を直接見る、話を聞くことができるということで、建築関係の皆様は食い入るように聞いていらっしゃったのが印象に残っています。そして、動物公園を話題に全く関係を持ったことのない職業の人々が集まるんだ・・・・と感動したのも覚えています。

とても面白く意義のある講演会だったのですが、その後の盛岡市の広報や動きが鈍く、なかなか資金は集まらない状況でした。

およそ一年後、岩手県建築士会主催で「建築士の日」である2023年7月1日(土)に記念講演会【コミュニティの目覚め+盛岡市動物公園ZOOMOの動物病院プロジェクト】を開催しました。

開催したイベントのポスターと当日の後半に行われた亀本ゲーリー氏と辻本園長、松原獣医師のトークセッションの様子

その際に、建築士会の方とともにイベントの準備をさせて頂き、併せて始めたのが、当園でも独自に寄付金を集めることと、巡回写真展でした。
槇総合計画事務所の手掛けられた模型の数々とともに、ZOOMOの医療現場を撮影した普段見ることのない写真が並んだ会場は、期間限定ではありましたが素晴らしいものでした。

期間限定の槇総合計画事務所の建築展の準備の様子。展示が整ったときは美術館のようでした。


普段は見ることない治療の様子などを集めた写真展。その後市内5か所を巡回した。(今後も継続の予定)
槇総合計画事務所で作ってくださった模型(奥がZOOMO全体の模型、手前が建設予定地付近の模型)
ZWHCのイメージ模型(案の段階での模型であり最終計画ではありません)

ZOOMOに来園してくださったお客様にお願いをして募金していただくことのほか、オンラインショップですでに実施していた動物医療費の寄附と同様、ZWHC建設のための寄附も独自に集めています。

オンラインショップの医療費のページ。掲載してから多くの寄附を頂いており感謝しかありません。

いろいろな人が期待をし、手ぐすね引いているのに、盛岡市で行っている「企業版ふるさと納税」も、「ふるさと納税」を活用してもインパクトや宣伝が足りないためか少ししか集まらず、イベント開催してもイベントを開催することだけで終わってしまったのが現状です。

5年ほど前からモノ消費からコト消費へシフトしたという話を聞きます。いつでも必要なものが手に入るようになった結果、商品を買うことだけでは得る事ができない体験や経験などに対するコトに対する消費意欲が高まったと言われます。さらにコト消費が定着し生まれたのが、限定的なコト消費でもあるトキ消費だそうです。その日その場所その時間でしか体験できない。オリンピックやポップアップストア、クラウドファンデイングがそれにあたります。
トキ消費における価値は参加の価値であり、人と一緒に生み出すトキに参加したいニーズを捉えているものだそうです。
さらに新たに出てきたイミ消費は、ある商品を消費することで生まれる社会的側面を重視する消費行動。環境保全、地域貢献、歴史文化伝承などがキーワードであり、地域貢献や社会的正義を感じられるクラウドファンデイングには多くの支援が集まると言われています。

つい先日国立科学博物館でもプロジェクトが行われ、国内クラウドファンデイング史上最高額になり、9億円以上も集まったと報道されました。
山梨の甲府市遊亀公園動物園では、動物園の動物病院で使用する医療機器の更新のためとして800万円の支援を目標にスタートし、二日で2,000万円、最終額は1億1,900万円になったと聞きました。

今の動物病院は実は老朽化で職員がトイレも使えない、動物たちを収容する部屋の一部が壊れている、水道もいつ破裂するかわからないような状態です。そのような場所で獣医師と、動物病院専門飼育スタッフが奮闘しています。


今の動物病院の中の様子。トイレは使用不可。動物を収容する部屋は、腐食や老朽化が目立つ。部屋数が少ないため必要物品を廊下においている。

盛岡市で集めてもらうべき事業のため、私たちも大きく動けません。でも、ZWHCは、今、盛岡で暮らしてくれている動物たち、未来の動物たちのため、頑張っているスタッフにとっても必要な施設です。


シタツンガのオス“ツンタ”の治療の様子。グループの垣根を超え治療にあたり、岩手大学獣医学部にも協力してもらった
ZWHC建設のために必要な寄付を集めるためのチラシ。

 いのちの現場を知ってもらい、生きるとは何か、死ぬとは何かを伝える施設を目指します。今までとは違う開かれた命の現場を魅せる施設です。
近くの岩手大学に獣医学部が新設されるというお話があります。すでに岩手大学獣医学部とは連携をしており、診療だけでなく、解剖、病気の予防、繁殖に関わることなど様々な形で協力関係にあります。

ZWHCができれば、来園者の皆様だけなく、より強固に獣医学部と連携できれば、野生動物の診療ができる獣医の卵たちを育てることが可能になるのではと思います。以前スタッフ全員が受講したコミュニケーション研修で講師をしていただいた産業カウンセラー・キャリアコンサルタントの小堀薫子先生から「人材育成ができる動物公園」にしていくことが、今もこれからもとても大切だと言っていただきとても感銘を受けました。
岩手には多くの野生動物が暮らす豊かな自然環境があります。その岩手にある獣医学部の生徒が犬猫と産業動物だけを診療できても、他の地域との差別化にはなりません。
そもそも動物園の獣医師は、多くの獣医が扱うことのない野生動物を相手に治療を行っています。各動物園の獣医師との連携や研究者との連携、海外の情報などを頼りに、治療の情報やデータの少ない野生動物の治療をしているのです。野生動物を扱える獣医師は動物園以外にはあまりいません。

そのスキルがあるからこそ、野生のニホンツキノワグマを扱える数少ない人材として、また獣医として、園長の辻本はいろいろなところに呼ばれ対応しています。(特に昨年は大変忙しく、ほとんど園内にいない状態でした。)
野生動物を学生の頃から診ることができるよう育てて、将来現場で動ける獣医師が増えていけば、全国各地で起きている野生動物の問題も少しずつ解決するのではと思います。将来的な投資の意味でも、このZWHCの建設には意味があります。来園する皆様が、治療の様子などを見ることで、小さなお子様は将来ZOOMOで働くことを目指してくれるかもしれません。
開かれた命の現場となる盛岡市動物公園の新しい動物病院「ZOOMO WILDLIFE HEALTH CENTER」の建設のために、皆さんのエネルギーを使わせてください。寄附にご協力いただければとってもありがたいことは言うまでもないのですが、皆様の口コミにより、広く多くの皆様にこの取り組みやZWHCへの思いを知ってもらうことがとってもとってもとっても重要です。是非ご協力よろしくお願いいたします。

企画営業広報 森

※新動物病院の建設寄附と動物医療費寄附のご支援方法についてのお知らせ※

動物病院チームの生の声を聴く貴重な機会です!ぜひご参加ください。

2024年1月14日(日)開催 動物病院応援ツアー


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