日本は外国人観光客数で中国を超えることはできないのか?!/文系卒のデータサイエンス「超」基礎練習<その3>
外出自粛ということもあり、今まで興味があったけど手を付けられずにいた、データサイエンスに足をつっこんでみています。
データサイエンス「超」入門より、
1 本日の練習タイトル
01「世界から愛される国、日本」に外国人はどれくらい訪れているのか。
2 練習タイトルの要旨
日本に来る観光客数と距離の関係やアジア圏一位の中国への訪問客数内訳から世界観光客数ランキングの実態に迫る章です。
3 訪日外国人観光客数と距離に関係性はないか。また、訪中外国人観光客の内訳は?
先日書いた「観光客数世界一位のフランスには世界各国から旅行に訪れているのか?!文系卒のデータサイエンス<その2>」であったように、フランスは隣接する国からの旅行者が訪仏観光客数全体の約半数を占めることがわかりました。つまり、他国との距離が近いほど観光客数は伸びやすい。では、これは島国の日本でも、同じようなことが言えるんでしょうか?探ってみたいと思います。
訪日外国人観光客数は、前回の記事「日本に来る観光客で一番多い国はどこ?!/文系卒のデータサイエンス<その1>」の「日本政府観光局(JNTO)」による「国籍別訪日外客数」から2016年の数字を持ってきたいと思います。
日本と世界各国との距離は、検索で最初にヒットした「りに帳」さんの数字をお借りします。ここでは、首都東京と各国首都の直線距離を扱います。
出典:りに帳 https://rinist.me/entry/819/
「日本の東京から世界各国の首都までの距離一覧」の一部を抜粋。
訪日外国人観光客数と距離の二要素を扱うことになるので、ここでは散布図で表現するといいようです。できたグラフがこちらです。
これは当たり前と言えば当たり前ですが、日本と近い中国、韓国、台湾、香港からの訪日観光客が多いことが分かります。本にも書いてありますが、人口が多くて海外旅行ができる余裕がある国が近隣にある点は、日本は恵まれていると言っても良いのかもしれません。
では、アジア圏一位の中国に来ている観光客の内訳はどうでしょうか。
中華人民共和国文化観光部にそのデータはあるようです。
(今回こそはすぐに見つけたい…どうか3日もかかりませんように…)
いざっ!
出典:中華人民共和国文化観光部 HPより
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ありました。
今回はそんなに手こずることなく見つけることができました。中国語でも統計は統計なんですね。
出典:中華人民共和国文化観光部 2016年中国観光統計公報
OK, Google. 翻訳プリーズ!
出典:中華人民共和国文化観光部 2016年中国観光統計公報 2.インバウンド観光のみ抜粋。
インバウンド旅行者数が1億3,800万人とありますが、日帰り観光客を含んでいるので、インバウント宿泊客数で見ます。(世界観光機関の数値に合わせています。)2016年は全体で5,927万人。外国から2,165万人、香港から2,772万人、マカオから481万人、台湾から509万人ということがわかりました。
・・・香港とマカオと台湾は全て同胞って書いてあるんですよね。同胞だから外国人とカウントしていないってことなんですね。同胞による観光が60~70%ってことは、純粋な外国からの訪日観光客数でみると、実は日本はアジア一位の中国とも均衡、もしくはそれ以上の数を稼いでいる、とも言えそうです。
一旦話を戻して中国の観光客を数えてみます。これを2015年~2017年まで3年の経年変化で見ます。単年で見ないのは、その年だけ急な増減がないことを客観的に確かめることにも繋がります。
2017年になっても純粋な外国からの旅行者の急激な伸びは見られません。ちなみに、2016年の訪日観光客数は、すでに2,400万人を超えていたので、純粋に外国から来た旅行者数では、日本の方が中国より多いです。アジア4位の香港への観光客数も同じように、中国から多くの観光客が訪れていると考えると、実質、純粋にアジアで一番外国人観光客数を受け入れているのはタイで、次にマレーシアか日本と言えるかもしれません。
・・・ここでひとつ疑問が浮かびました。訪日外国人観光客数には、日帰りも含んでいるのでは?という疑問です。
国連世界観光機関は、フランスも中国も1泊以上した外国人旅行者数をカウントしていました(ランキンググラフは<その2>参照)
そこでもう一度、日本政府観光局のサイトに行ってみました。すると、<その2>で作成したグラフとグラフの形状や年は違えど似たものを見つけました。
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出典:日本政府観光局(JNTO) 世界各国・地域への外国人訪問者数(2018年 上位40位)より一部を抜粋
なるほど、各国・地域ごとに日本とは異なる統計基準で公表されていることがあるそうです。
日本は島国なのでトランジット利用以外で宿泊を要しない人がそんなに多くいるとは思えませんので、日帰りを除いても全体の訪日外国人旅行者数としては誤差程度だとは思いますが、他国と比較する際には頭の片隅には入れておいた方が良さそうです。
4 学んだこと
・各国が出している資料にはそれぞれの基準があり、全世界で当たり前に統一されているものはない。(歴史や文化や産業も異なるから当たり前と言えば当たり前ですね。)
・どれが正解でどれが間違いもないが、国連世界観光機関のような機関ができるだけ世界共通の指標をまとめてくれている。
・限られた材料、不完全な資料などの様々な制約の中で、いかに最適解の分析ができるかがデータサイエンスにおいては大切。
5 次回の練習は?
次回は、「なぜ日本は観光産業に力を入れるのか」や、「国際観光収入ランキング」などを見ていきたいと思います。
次回もよろしくお願いします!
では、また。
Twitterもやっています。今週末はワンピース96巻(最新巻)を買いに行くのも自粛しています。。。コロナのバカーーーーーー!!!!!!
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