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「観光客数世界一位のフランスには世界各国から旅行に訪れているのか?!文系卒のデータサイエンス<その2>」

データサイエンス「超」入門より、

1 本日の練習タイトル

01「世界から愛される国、日本」に外国人はどれくらい訪れているのか。

2 練習タイトルの要旨

観光客が最も多く訪れている国がどこかとその理由を知れば、訪日外国人の数を増やすヒントになるかもしれない。また、世界一の国にはどんな旅行者が訪れ、どれほど滞在しているのか、に迫る章です。

3 日本が観光客世界一の国から学べることとは

世界の観光客数を比べるには、どうすればいいか。世界観光機関という国連の組織があるようです。ここで、「国別国際観光客到着数」をまとめているようです。下の表の出典は、「世界観光機関 Tourism Highlights」です。

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出典:「世界観光機関 Tourism Highlights 2018 Edition日本語版」の「国別国際観光客到着数」15ページの一部のみ抜粋しています。

今回は練習なので、本と同じく2016年のデータを引っ張ります。これが4ページびっっっしりあります。(めまいがしそうですね。ここのデータ抜き取りを自動化するなんてRPAなんかで解決できないだろうか。。。)

せっせとアナログ作業でかき集めてできたグラフがこちらです。

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2016年時点で日本は15位でした。最新の2018年時点ではもう少しランキングも上がっていそうですが、それでも世界一位のフランスやアジア一位の中国には遠く及ばなさそうです。
本にも書かれているのですが、アメリカがフランスより少ないのも興味深いです。なので、フランス(人口6,700万人に対して8,200万人以上の観光客!)や中国がここまで観光客数が多いのはなぜなのかを少し紐解きたいと思います。

まずはフランスから作業していきます。およそ8,200万人の観光客の内訳は何か、です。
出典は、「フランス経済・財務省企業総局」の「LE TOURISME INTERNATIONAL EN FRANCE」です。
あぁ・・・なんだか嫌な予感がしてきました。。。

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出典:https://www.economie.gouv.fr/ の一部

やっぱり!!フランス語・・・
日本の観光庁は訪日観光客数や出国者数のデータは公表していても、世界各国にどこから誰が何人来たかは公表していないんですね。
そりゃそうだよね、勉強になりました。

ここで登場するのがGoogle翻訳!いつからこげん精度良くなったと?!
ありがとうございます、Google先生・・・空いている時間で探すこと・・・

3日!!

やっと見つけました。フランスに訪れている観光客数の内訳。
いま読んでくれている皆さんは、ものの数秒でここまでこれたと思いますが、わたしは3日間探し続けていたんです。3日!!!

それでもこのnoteは無料です。ぜひスキとフォローを…笑

さて、話を戻すと、この元データのために3日かかった!!!
これがデータサイエンスやで。かっこいいのはその響きだけやで。

見つけたものが、こちらです。↓

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出典は、フランス経済・財務省の中のDirection Generale Entreprises(企業総局)という組織から、「MEMENT DU TOURISME 2017」という資料です。表紙と112ページを抜粋しています。

ここから、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、アフリカ、オセアニアからフランスを訪れた観光客数を拾います。そして、できたグラフがこちらです。

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フランスに訪れる観光客のほとんどがヨーロッパ人みたいですね。もっと日本人やアジア人が多いのかと思いきや、圧倒的にヨーロッパ!

ここで面白かったのが、訪仏観光客数全体(8,200万人)のうち、フランスと国境が隣接する国からの訪仏観光客数が約半数のおよそ4,069万人を占める、ということでした。
内訳はこちら。
Allemagne(ドイツ) 1,139万人
Belgique,Luxembourg(ベルギー、ルクセンブルグ)1,072万人
Italie(イタリア)673万人
Suisse(スイス)604万人
Espagne(スペイン)581万人
この陸続きで多国と隣接している土地柄が、観光地としてすごく有利そうな感じがしてきました。

いやいや、そんなん言うたかて国も広いしそんな車でぴゃー行けるとこちゃうで!っていう方のために、移動手段も見てみたいと思うわ。

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出典:フランス経済・財務省 企業総局 「MEMENT DU TOURISME」 p.121

グラフの一番上が周遊旅行者(24時間未満の訪問者)で、真ん中が観光客(一泊以上の訪問者)、そして一番下は訪問者全体(?)のようです。
今回見ているのは観光客なので、真ん中のTouristesの割合を見てみます。Avion(飛行機)も32~3%ほどありそうですが、Route(道路)が52~3%を占めているので、ヨーロッパ人は結構気軽にフランスに旅行に行っていることが分かりますし、陸地続きがやっぱり有利なことがわかります。

では、一泊以上の観光とはいったいどのくらい滞在しているんでしょうか。

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出典:フランス経済・財務省 企業総局 「MEMENT DU TOURISME」 p.119

縦軸が全旅行者に占める各滞在日数の割合、横軸が滞在日数の期間です。
ここでは、青がヨーロッパ域内の外国人旅行者(つまり、ヨーロッパ域内からフランスへ来た人)を示していますが、短期滞在がほとんどを占めています。

本の中にも書かれていますが、世界観光機関の調べによると、「観光客到着数の約5分の4は同地域内からのもの」らしいです。つまり、ヨーロッパ人ならヨーロッパ域内で、アジア人ならアジア域内で海外旅行を済ませる傾向があるということ。↓参照。

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出典:世界観光機関 「Tourism HighLights、2016 Edition」 p.12

こんなこと知ってしまうと島国の日本に勝ち目ないやんって思いそうですが、世界二位のアメリカや世界三位のスペインは、たしかに陸続きで隣接する国があると言っても二ヶ国ずつなので、フランスほど陸路で訪れる観光客は少ないと予想されます。それでも観光客数が多いということは、空路や航路での観光客流入でしょうから、ヨーロッパ全体の人口とアジア全体の人口の差を考えてみても、日本もまだまだランキングで上位を目指せそうな気がします。

ということで、各域内の人口と観光客到着数の比較をして、今日の締めくくりとしたいと思います。

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出典:総務省統計局 「世界の統計2018」 表紙とp.14の一部を抜粋  

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出典:世界観光機関 「Tourism HighLights、2017 Edition」p.2一部抜粋

総務省統計局の資料から2016年の世界人口を、世界観光機関の資料から観光客到着者数をそれぞれ拾い、本を真似して下の表のようにまとめてみました。

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各域内総人口に対する観光客到着数の割合と、さっきご紹介した「観光客到着数の約5分の4は同地域内からのもの」という調査結果からも、アジアは今後、観光客数の伸びが大きく期待されそうだということが分かります。

本の中では、「(アジアの国の)ほとんどが海外旅行はおろか国内旅行もままならない所得しか稼いでいないことは知っておくべき」だとあります。

ヨーロッパほどの圏内旅行がアジアで行われるようになるにはまだまだ時間がかかるかもしれませんが、来たる時に向けて日本政府は訪日観光客増加に向けて動いているのかもしれませんね。

(新型コロナウイルス感染症の影響で今後のことはより不透明になってしまいましたが・・・)

4 学んだこと

・世界の観光客到着数については、国連の世界観光機関という組織が集計している。
・外国人観光客数の内訳は、国ごとに集計されている。
・フランス語も毎日眺めていると抵抗感がなくなっていく。
・データの在りかを見つけるまでに時間がかかるのでその時間を考えておく必要がある。

5 次回の練習は?

次回は、「訪日する外国人の距離と数の関係」や、「アジア一位の中国を訪れる外国人の内訳」、そして、「観光収入」について見ていきたいと思います。散布図グラフも登場します!

次回もよろしくお願いしますー!

では、またー。

Twitterもやっています。実名でやっている、市長とバナナ姫とわたし。


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