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『カエルのゴム靴』

宮沢賢治シリーズ 第十回

かいのどうぶつえん園長です。
今回は、宮沢賢治の童話『蛙のゴム靴』 (Rubber shoes of Frog)です。
三匹の若い雄蛙が夏雲を楽しみながら、人間社会で流行している”ゴム靴”を欲しがるシーンから、物語が始まります。
行動的な一匹が、野鼠に頼んで一足入手し、自慢たらたら。そこへ、うつくしい娘蛙が登場し、ゴム靴をはいた蛙に一目惚れ・・・と、場面が展開します。
現在、賢治作品は国語教科書で小学生に親しまれ、童話集や絵本も数多く、作品展や朗読会も開催。インターネットの「青空文庫」で読むこともできます。
しかし1933年(昭和8)37歳で没するまで、賢治はほとんど無名の存在で、生前に刊行されたのは、詩集『春と修羅』と童話集『注文の多い料理店』だけでした。
新美南吉とならんで好きな作家で、作品を決めても、貝を組合わせる段階になると、原作の魅力を表現できるか?と迷いが生じ、手が止まってしまうのです。
くりかえし読む度に味わいが変化し、謎が深まる賢治の不思議な世界。これからも、長いおつきあいが続きそうです。

ゴム靴をゲットしたぞ
かっこいいだろ!

2003年の開園時より、貝たちとは「割らない」「塗らない」「削らない」と固く約束して制作しています。園長

            <貝の配役>
:アサリ/マルスダレガイ科/購入   
:ツメタガイ/タマガイ科/採集(神奈川) 
:ヤクシマダカラ/タカラガイ科/寄贈
:マツムシガイ・フトコロガイ・カニモリガイほか/採集(神奈川)   
:フトコロガイ・カニモリガイ・ヒメコザラ/採集(神奈川)     
腰掛け:サンゴ/寄贈
ゴム靴:巻貝の芯/採集(神奈川)   
地面:ホタテガイ/イタヤガイ科/寄贈
貝の火(宝珠):ゴシキカノコ  
鈴蘭:ミドリイガイ/ヤカドツノガイ/ヒメカノコ/アカウニ
眼鏡:イシダタミ/ムラサキウニ   
大地:ハマグリ

『カエルのゴム靴』(青空文庫)https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/4421_29933.html



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