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『風の又三郎』

宮沢賢治シリーズ 第三回

かいのどうぶつえん 園長です。
今回は、宮沢賢治の代表作『風の又三郎』(The Boy of the Winds)です。
9月1日。夏休みの宿題をかかえて登校した小学生たちは、不思議な転校生・高田三郎を紹介されました。
髪は赤く、目は黒くてまんまる。「外国人みたい」、「又三郎だ」と直感した生徒もいました。山の小学校の教室はひとつ。先生は一人で全生徒の指導におおわらわ。子どもたちは放課後や休日に三郎と連れ立って、高原の牧場で馬を追ったり、山葡萄を腹一杯食べたり、川で鬼ごっこをしたりと、岩手の自然を満喫します。
遊びの合間に意地悪をしたり、仲直りを繰り返して12日後。激しい風雨の中、登校した生徒たちは先生から、三郎が転校したと告げられます。
ちなみに、二百十日(9月1日頃)は台風による農作物被害が多く、東北では風の神をなだめる日とされているそうです。
  どっどど どどうど どどうど どどう、
  青いくるみも吹きとばせ すっぱいかりんもふきとばせ
  どっどど どどうど どどうど どどう

又三郎がガラスのマント姿で活躍する名作は、 賢治の死の翌年(1934)に発表されました。

さあ飛ぶぞ!
ガラスのマント

☆宮沢賢治:岩手県花巻川口町(現・花巻市)出身。1896年(明治29)8月27日ー1933年(昭和8)9月21日(享年37歳)。生前は無名に近く、詩人・草野心平たちの尽力で国民的作家になりました。

又三郎の銅像
宮沢賢治

2003年の開園時より、貝たちとは「割らない」「塗らない」「削らない」と固く約束して制作しています。園長

             <貝の配役>
「又三郎」頭:タマガイ 目:スガイ 鼻:ヒメキリガイダマシ 耳:ウメノハナガイ髪:アカウニ 眉・口:ガンガゼ 体:ジュドウマクラ 手足:サラサマクラ+コメツブガイ+ヒメカノコ ほか
「帽子」:シマメノウフネガイ  
「マント」:トゲトサカノウグイス   
「岩」:ヒレジャコ


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