隣の席のおじさん(短編小説)
隣の席のおじさんは、いつも一人で喋っている。
誰かと話しているように見えるけれど、おじさんの前には誰もいない。ぶつぶつ言っていてよく聞こえないが、ふざけるなとかバカヤロウとか、何かに怒っているようである。
地域のパソコン教室で、そんなに怒ることがあるだろうかと思うけれど、本当にパソコンが苦手なんだろう。
ここはペアの私がフォローしてあげなければと思い、「そこは右クリックですよ」とか「insertキーを押すと直りますよ」とか教えてあげる。
私が教え始めるとおじさんは喋るのをや