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古ければ古いほど良い!?そんな日本酒の世界を覗き見てきました

出来立てのもの、新しくフレッシュなものこそが良い

そんなイメージが日本酒に対してありませんか?

そもそも古酒というものの存在がまず一般に知られていないこともあるでしょう


熟成古酒自体は明治初期までは一般に親しまれていたようですが、戦後くらいまでは「造石税」の制度の影響か、熟成の文化が失われてしまったとのこと。

詳しくは以下の連載が参考になるかなと思います。

現在では、トレンドでは無いにしろ、「やっているところはやっている」
くらいのジャンルになっているように思います。

色んなお酒を扱っている飲食店さんだと、たまに「マニアック」扱いをされているのを見ることがある、そんな味わいの日本酒と思われています。


そして時は2020年2月25日、26日
場所はまたしても 錦糸町 LITTLE SAKE SQUERE
先日の十四代の会など、色々な飲み比べ企画を行うこのお店がまたやってくれました。

「ありえない古酒の会」

古酒の会というだけで大概ではあるのですが、このありえないというもの、どういうことかというと……

「本来古酒として販売されたものでないお酒が10割」

簡単に言ってしまうと、普通に販売されたもので酒屋さんの倉庫の奥底に眠っていたようなお酒をかき集めました。
みたいな会。
熟成古酒ルネッサンスでの有志の持ち込みや酒屋ブースのものだけを凝縮しました、という中身ですよ

というかこれ今回で3回目くらいだったと思うのですが、会を経るごとに内容がトンデモナイことになってきてる気がします。きっと気のせいじゃない。

さて、当日のスタメンはこちら↓

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皆様も一度は目にしたことのあるような銘柄が並んでいますね。
一見普通かな?と思ってよく見ると、その製造年月が恐ろしいことに。

而今の大吟醸8年物や、最長37年のものまで…
自分よりお兄ちゃんなお酒、こんなにいるんですか……

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昭和の二級酒表記のお酒なんて初めて見ましたよ
この写真撮っただけでもなかなかに価値があったのでは(?)

どれも非常に個性があって、ただ飲んだ経験としても色々と得る物がありましたよ

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これだけの内容だと、10年物って意外と若く感じてしまうから大変。
あと5年は寝かせたい、そうなった姿も見てみたいお酒が多くて困ったものです。


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極め付けは黒龍シリーズ4本。
年数は17年とか25年くらい……
先代とその前の代の作品らしく、持ち込んで頂いた方曰く
「1番旨かった時代の黒龍」

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笑いしか出てきません。
しかもこれが旨いと感じるから面白いのです。

いや、ホントに。いい経験をさせて頂きました。


このクラスの熟成古酒に出会えることはなかなか無いですが、見かけた際は是非試してみては。
きっと面白い出逢いになると思いますよ



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では。
自分なりのまとめをしましょう。

ざっくり言うと、長期熟成の傾向として、
同じようなキャラクターの味に収束していくように熟成が進む
という様に感じます。
これは以前別のお店のインスタ配信で聞いていた話でもあるのですけれど。
改めて確認が出来たところです。

酸味などの角がとれて滑らかな口当たりになり
穀物感やカラメル様の味わいがついて
味わいのボリューム感が増して
ひとかたまりの丸まった印象の味わいに近づいていく

お酒によって味の濃淡の違いは出てくるのだけれど、大方そういう方向に向かっていくように感じました。
その最終形が今回は昭和57年の2本の味だったんだろうな、と。

他の銘柄では達磨正宗さんあたりが濃い味代表みたいなところもありますが、3年~20年あたりを比べてみるとわかりやすいのではないかな、と思います。

今回登場していた新潟酒だけでなく、色んなタイプの日本酒も保存の仕方次第では数十年後に化けてくる可能性を秘めてる、と感じました。
普段は長くても10年くらいのものは扱っているのですが、そういったお酒でもその先を見たくもなりますね。

ただ個人が狙ってやるようなものではないかもしれませんけどね。
押入れの奥深くにしまい込んで忘れたころに出てくるお宝、くらいの扱いでいいような気がします。


このジャンル、自分としてもたまに確認する、くらいの程よい距離感でこれからも見ていきたいと思いますよ。


年数回もあれば十分過ぎるかなぁ・・・


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