子供が泣きながら学校から帰ってきたら~学校やコミュニティとの距離感、そして親にできること~
こんにちは、ぞみーです。
2022年最後の記事になりそうな今日の記事。それがこんな内容なんて・・・と思いつつ、どーしても書いておかなければと思い立ったので記事を書いています。
あなたは、、
子供が学校から泣きながら帰ってきたら、どう対応しますか?
子供が、「学校を退学になるかもしれない」と言い出したら、どう対応しますか?
これは我が家で本当にあった、そして私が学校と子供への今後の対応について、考え直すきっかけとなった出来事です。
「ぼく、退学になるかもしれない」
11月のある日、いつもは学校で放課後めいっぱい遊んで、17時半前に帰宅してくる長男が、珍しく早く帰宅してきました。
数日後にそろばんの検定試験があり、その日は早く帰らないといけないよと言っていたので、日にちを間違えて帰ってきたのかと思った私。
テレワークの手を止めて、「今日はそろばんと違うよ~」とか笑いながら玄関のドアを開けて、ぎょっとしました。
ドアを開けるなり駆け込んできた長男が、大粒の涙を流していたからです。
驚きつつも、とりあえず長男を落ち着かせて、話を聞きます。
すると、、学校の先生から「近々ある音楽発表会に出させない」「退学になるかも」と言われたと言うのです。
いったい何があったのか・・・内心動転しつつも平静を装い、仕事も切り上げて、じっくりと詳しく長男に話を聞きました。
その時に聞いた長男の話を簡単にまとめると、
・音楽の授業中に体調が悪くなり、授業をきちんと受けなかった
・それを見た先生から、授業を大切にしていない子は発表会も出れないし、このままだと退学になるよ、親に連絡を入れるよと言われた
ということだったのです。
長男からの詳しい話を聞いた限りでは、長男自身にも悪いところがあり、彼はそれを反省はしていました。
そのため私はまず、ひとしきり私に話をして少し落ち着いた長男に、こう問いかけました。
「自分も悪い部分があったんだよね?それなら、長男にできることは何だろう?」
それを聞いた長男は少し考えて、比較的素直に「音楽の先生にもう一度ちゃんと謝る」と言ったのですが、、
とにかく自分が大好きな学校を退学になってしまうのではないかということに、ずっとおびえていました。
なので、「まだ学校の先生から連絡は来ていないし、そんないきなり退学になることはないよ」と散々長男に言い聞かせて、その日はようやく落ち着いて眠りにつかせることができたのです。
私の心に渦巻く悩み
大泣きしていた長男がようやく眠りについた後、今度は私が悶々と悩むことになりました。
長男が通う探究型オルタナティブスクールは、大人も子供も対等で、話し合いをして、学び合っていく学校だと聞いていました。
そして、そこが良いところだと思って長男を通わせることにして、この1年半ほどは子供達が学年や、先生と生徒を超えて学び合いをしている姿を目にして、本当にこの学校に入れてよかったと思っていました。
ですが、、
「あの学校が退学にするなんて脅すようなことを言って言うことを聞かせようとするかしら?そんな学校じゃないと思っていたけど・・・」
そんな想いが渦巻き、学校に問い合わせるかどうか悩み、、、
様子を見ることを選んでしまったのです。
もともと、学校側のスタンスとしては、何か困ったことや分からないことがあれば、いつでも連絡してくださいというOpenなスタンスです。
でも、「退学」という結構びっくりするワードが出てきたことで、怖気づいてしまいました。
そして、
「それが本当に長男が言う通りなのかも分からないのに、忙しい先生の時間をいただいて「うちの子を退学にするとか言ったのですか?」なんてお問い合わせするの・・・?」
「そんなことを言うことで、先生が気を悪くされたりするんじゃないかな・・・?」
「そもそも、学校で起こったことなのだから、親がしゃしゃり出るのではなくて長男が解決すべきよね。。親ができるのは、話を聞いて勇気づけるだけよね・・・」
とか考えてしまい、「子供を見守る」という名目下での「ちょっと距離を取って様子見」を選択してしまったのです。
そしてのちに、その選択が間違いだったことを痛感するのです。
思い切って聞いてみた、学校の考え
その後、学校からは退学の連絡も全く来ないまま、日々は流れていきました。
長男は学校で音楽の先生に謝ることもでき、学校が嫌だとか、そんな話は一切せずに、また楽しく通学するようになっていました。
ちょっと様子見をしたことで、私の心にだけ学校に対してのモヤモヤが残ったまま・・・。
そして、そのモヤモヤを思い切って、保護者会で吐き出してみることにしたのです。
12月のある土曜日に行われた保護者会では、いつものように学校側から「何か分からないこと、モヤモヤすることがあったら遠慮なく言ってください」というアナウンスがありました。
それを聞いて、やっぱりこのままではよくないなと思い、聞いてみることにしたのです。
結果、、
本当にちゃんと聞いてよかった、むしろ長男が泣きながら帰ってきたその日に、問い合わせをしておくべきだった
と感じました。
まず、全学年を一堂に会してお話をする場で、学校側が生徒を退学にする時の考え方を、学校側からきちんと説明してもらえました。
そのお話を聞いて私は、
この学校は本当に、生徒ひとりひとりの学びや成長にとって何が一番ベストなのかを一緒に考えて、一緒に子供を育ててくれる学校なのだな
という認識を新たにしました。
この学校の先生方は、子供の考え方や行動に何か問題があった時に、ただ叱って終わるだけではなく、子供が学んでいくには、成長していくにはどうすればいいのかを考え、親にも子供にもアドバイスし、一緒に走ってくれるのです。
そしてそれは、学校の先生だけではなく、卒業生の保護者の方を含む他の保護者もそうなのです。
多くの保護者の方が、自分の子供じゃないのに、自分の子以上に成長を喜んで、時に一緒に悩み、アドバイスしてくれる、そんな方々ばかりなのです。
その上で、もし学校をやめるという選択肢が一番なのであれば、退学という道を選ぶこともあるのだということが分かりました。
だからそもそも、いきなり退学にするよなんてことは、言うはずがないのです。
そんなことがよく分かったその後、保護者会が終わって帰ろうとする私を先生が呼び止めてくださり、今回の長男の件について個別にお話をさせてもらうことができました。
そして、学校側から見た事実と、長男の話にあったちょっとした嘘を知ることができたのです。
実は、体調が悪くなって授業を受けられなかったと聞いていましたが、体調が悪くなったのは別の子で、長男は何を思ったのか、その子について授業を抜け出し、おサボりしていたのが実態だったというわけなのです。
先生から、どのように対応していただいたのか伺い、それをどのように長男が受け止めていたのかをお話しし、お互いに今回の件について理解を深めることができました。
学校やコミュニティとの距離感、そして親にできること
全体会でのお話を聞き、また個別に先生とお話しして、強く思ったことが2つあります。
まず1つ目は、いろんな角度から子供を見て育てていくことが大切なのだなということです。
保護者会中、ある親御さんが「子供は平気で嘘をつく」と仰っていました。
だんだんと年齢が上がるにつれて、何でも親に素直に話すなんてことはなくなってくるのでしょう。
それは、正常な成長の過程なのだと思います。
でも、子供が困っている時、道を間違えてしまいそうな時、いろんな角度から見てくれている目があれば、子供を適切にサポートすることができるでしょう。
だから、何かがあってモヤモヤする時は、素直に学校やコミュニティに相談して、いろんな角度から考えていくことが大切なのだと思ったのです。
そして、それが可能である、この探究型オルタナティブスクールのコミュニティに入れていること、それはとてもラッキーで、ありがたいことだなと、改めて感じました。
そして2つ目に思ったことは、とはいえ親としては子供をまるっと信頼して、サポートしていってあげたいということです。
成長していく中で、子供が嘘をつくこともあるでしょう。
親からすると、子供に裏切られたと思うようなこともあるかもしれません。
でも、どんなに嘘をつかれても、裏切られても、
子供を一人の人間として尊敬信頼し、子供の力を信じて、時にサポートしていく
という「勇気づけ子育て」の考え方を、私は諦めたくないなと思うのです。
こういった、一緒に子供を見守っていける仲間を見つけること、そして子供を信頼してサポートしていくことが、親が子供にできることなのかなと、今回の出来事を通して考えました。
長くなりましたが、2022年最後にこの気づきを記しておきたくて、書きました。
2023年はこの気づきを忘れずに我が子達の成長を見守るとともに、学校や保育園、そして勇気づけ子育ての活動で出会う他のお子さんの成長を見守ることに、もっと関わっていきたいなと思います。
では、よいお年をお迎えください。
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