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3・5 佐藤木工講演会

去る3月5日には山梨県立図書館で都留市の佐藤木工さんの初めての試み
「佐藤木工講演会」を運営させて頂きました。

その様子はこちら。

https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1695959260685287.1073741832.1409145582699991&type=1&l=1cb8af07ef

当日は県内外からも沢山の方にお越しいただきました。

失われてはならない日本の真の職人文化。実際に作品の展示も行いましたが、静まった会場から時折漏れる感嘆の深いため息や頷きが印象的でした。

写真:「ケヤキ無垢 和モダンチェスト」
Price: ASK

日本国内の職人文化再構築のため、そして確かな価値観の伝承のため、KARAKURI RECORDSは今後もこうした催しのお手伝いもさせて頂ければ光栄です。

今回展示にあった作品のショートPVはこちら。



3代目の佐藤惠一郎さんは、木工業界では知る人ぞ知る存在となっています。
そう、世界的に。
佐藤さんはFacebookでは投稿の度に世界中から即座に1500を超えるいいねが集まってしまうという最強のコンテンツホルダーという側面もあります。

一般人(もはや彼の場合は公人レベルですが…)としてはなかなか居ないのではないでしょうか。個人的には聞いたことはありません。一人の職人でありながら、全国に散らばるちょっとしたブロガーの情報発信力をたやすく追い越してしまっています。21世紀ならではのネオ・職人とでも言ったところでしょうか。逆転の発想ですが、もし江戸期の職人さん等が現代に居たとして、ITの環境下に居たとしたらどんなコンテンツを発信していたのでしょうか。
「歌麿の徒然描画」「門左衛門のクリエイティヴDAYS」みたいなブログで恐ろしいほどのアクセスを確保していたのでしょうか(笑) 
妄想は止まりませんね。

昭和9年創業の佐藤木工さんも彼で3代目。
「木材の王」との別名を持つ欅(ケヤキ)を用いて、お社やお神輿なども手でお作りになっています。そんな彼が制作する木工家具に、いま世界中から多くの注目が集まっています。どんな商品でも薄利多売が当たり前となってしまっている一方、
・「本当の意味での一点物
・「プレミアムであり、超高品質な自分だけのもの
を求めるユーザー層が増えて来ているのは否定できない事実です。
そうした高いセンスとアンテナの持ち主は、日本よりもヨーロッパや日本を除くアジア地域に多い気がします。政治背景や思想の寄り方にも影響されていると思うのですが、国や地域によって面白い程に分析することが出来ます。

考えてみれば簡単なことです。
年間外国人観光客が遂に2000万人を突破したことで話題になっていますが、最近では関東で言えば渋谷・原宿・秋葉原よりも、津々浦々のマイナーでありながら幾重にも歴史が詰まった各地の文化遺産や地域のちょっとした秘密の場所などが観光地として大きく人気を博してきている…という話もよく聞きます。段々と日本に対する目の向け方が変わってきているのかも知れません。

佐藤木工さんの掲げる”「COOL JAPAN」から「REAL JAPAN」へ”といったモットーも、時代の流れを大きく読み取っていると言えます。
素晴らしい先見の目ですね。

プロモーション用に彼の製作過程などもよく撮影する機会が多いんですが、ケヤキを削るシーンの凄まじさは言葉になりません。(かなりの長編ムービーですが、興味のある方は是非。)
佐藤さんの動画アクセス解析をすると、日本は世界で8位。チャンネル登録者数やアクセスのほとんどは、ヨーロッパ・北米・中東のユーザー層で独占されています。これは日本の縮図といってもいいのではないでしょうか。どうやら世界は本当の日本を見ている様です。転ずれば、日本人が思う「ニッポン」は、あまり世界の人は興味を持っていない?という仮説も成り立ちます。

話によると、日本ではもうそういった職人さんが片手に収まればいい方、とのこと。今回の講演会でも話が出ましたが、実際に携われている身としては、日本国内の職人文化としては「今すぐどうにかしなくてはならない」のではなく、「もう遅い」そうです。講演会の写真にある「ケヤキ無垢 和モダンチェスト」は木曾の塗師屋さんの手による擦り漆が施されていますが、その塗師屋さんも既に歳80とのこと。絶望さえ感じてしまう危機が其処にあります。価値観を伝えていくことだけでもギリギリの状態です。そんな中、決して意思をデフォルメせずにほぼ孤軍奮闘されていらっしゃる佐藤さん。僕は彼と世界にいきたいと思っています。必ず近い将来、ミラノサローネに行く。


まだ少し先ですが、6月1〜3日に国内最大級の家具・雑貨見本市である
インテリアライフスタイルトーキョー2016」に佐藤木工さんも出展されます。お時間の合う方は是非足を運んでみてくださいね。

http://www.interior-lifestyle.com/



佐藤木工 Facebookページ
https://www.facebook.com/satomokkoujapan/


3代目 佐藤惠一郎さん個人ページhttps://www.facebook.com/keiichiro.sato.904?fref=ts


では、また。




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