全部負けて強くなった一日のこと。
息子が地域のこどもオセロ大会に出た。
オセロのルールがわかっていて、エントリーすれば誰でも出られる大会。オセロは家でもやってるしルールはわかるから楽しめるんじゃないかな、くらいの気軽な気持ちで申し込みをした。
当日現場に向かって驚いた。まずどう見ても息子が1番小さい。そして、打たなくてもわかる猛者の貫禄がある高学年の子どもたちがチラホラと。
何試合あるのかルールを聞くと4試合と。
場違いか!?
そんなに何度も連続でやれたことないけど最後まで飽きないでやれるのか?
しかし本人はやる気満々!
よっしゃーーー全勝してやる!!と大口を叩いている。
飽きて帰りたいと言い始めたら途中で謝って棄権しよう…と出入口近くの椅子で観戦をした。
1試合目、優しそうだが絶対に強そうな女の子と当たった。何年生なの?オセロは好き?なんて試合前に会話をしてくれている。女神。多謝。
息子の謎の長考にもじっとこらえて待ってくれている。2手目からそんなに迷うなよ…と思わず突っ込みたくなるのを堪えながら応援する。結果は惨敗。
どう慰めようか、帰りたいと言われたらどうするか考えていたら、いやーーー強かったぜ!全然ダメだった!と清々しく言ってのけた。
どうする?まだやれそう?と聞くと、もちろん!と頼もしい返事が。
2試合目、今度は少しオマセさんな女の子。足を組みながら息子の長考に少し苛立っている様子。
ごめんなさいね!ほんとに!と謝りながら回収したい気持ちを堪えてじっと待つ。結果は、こちらも惨敗。
しかし、当の本人はさっきの試合より石が取れた!やったね!と嬉しそう。
明るくて良いやつだなぁって我が子ながら感心してしまう。
3試合目、中学年くらいの男の子。なんとなくその前の試合を見ていてもだいたいレベル感は似ているので、今回はいい試合をしそうな気がした。
思った通り、先程までの試合よりは上手く考えられている。しかし詰めの甘い一年生。そこに打ったら負けるでと先生に事前に教えてもらっている場所に思わず打ってしまい、形成逆転。結果はまたしても負け。
惜しかったね。あともうちょっとだったと声をかけたら、僕良い感じだったよねぇ。もう少しだったなぁ。だんだん上手くなっている気がすると良い調子だ。
そして最後の4試合目。2試合目の子とまたしても当たってしまった。こりゃあきっとまたダメだなと思ったが、本人も自信なさげにしてるので精一杯視線を飛ばして応援した。
結局4試合全敗。
勝てなかったのは残念だったが、4試合も続けて頑張れたのは驚きだった。
そしてもっと驚いたのは、息子が楽しんでいたことだった。負けてばかりで心が折れるかなと心配したけど、負けながらも1試合ごとに自分の成長を感じて喜んでいたのだ。
最後に先生から今日1日でとっても強くなったね。1番負けたから1番強くなったってことだよ、と声をかけられて嬉しそうにしていた。
最後に感想を書く用紙に、筆圧強めの極太の文字でこう書いていた。
やはり、息子はめっちゃ良いやつ。
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