JFL 第17節 HondaFC プレビュー
第15節 ソニー仙台 0-2 HondaFC
第12節の新宿戦を1-2で敗戦を喫してしまって以来、いわゆる天皇杯使用のベストメンバーから、選手の入れ替えに着手して新たなチーム編成を模索しはじめたHondaFC。それでも、第13節武蔵野戦、第14節ホンダロック戦を連勝する辺りはさすがJFLの門番たる所以か。この試合ではCF9番と左ST19番の前線2人を変更して挑んできた。試合の序盤はソニーのプレスからショートカウンターを受けることもあったものの、6分では、左WB4番へのオーバーロード、7分には、ボランチ7番とボランチ17番と左CB11番とのショートパスから、左WB4番へと繋ぐ得意の良い攻撃を見せていた。そのよい流れから、飲水タイム後の22分〜26分にかけて相手を押し込む展開が続き、最終ラインから中盤でのよい繋がりから抜け出したボランチ17番がワンツーを受けると、そのまま運び出してゴールを決めたのはまさにHondaFCの強さを象徴したものだった。その後も、31分には、速攻からよいシュートを打つなどカウンターを虎視眈々と狙い続けたことで、36分には、中央へ寄ってきた右WB8番が左サイドの左WB4番へパス 少し運び4番からの大きなファーサイドへのクロスに,最終ラインから走り込んできた右CB3番が勢いよく飛び込み、見事に勝負を決定づけるゴールを決めた。
後半でも、54分には、上手く左ポケットに進入してから決定的なクロスを上げたり、61分には、右サイドでHondaFCらしい攻撃からクロスを上げるなど、随所に渡って門番としての強者ぶりを発揮してソニーを振り切り3連勝となった。一方でソニーは、上手くボールを繋げ中盤を制しながらも、課題の決定力不足がこの試合でも表出した格好となってしまった。
第16節 FCティアモ枚方 1-2 HondaFC
第13節から3連勝中のHondaFC。この試合でも天皇杯使用のベストメンバーから、左SH14番とFW9番の2人を変更して挑んできた。試合の序盤では枚方が開幕初戦の第1節HondaFC戦とは比べ物にはならないぐらい、格段に整理された守備を前線から中盤にかけて見せていた。攻撃についてもトランジションで相手より上回り、CF11番まで後方から連動してボールを繋いだり、効果的に最終ラインからロングボールを入れるなどをしてHondaFCの守備を切り崩していた。しかし、前半飲水タイム後の27:25に、HondaFCは、GK1番→FW9番レイオスしてボールを回収しバックパス→右SH8番が繋いで→ボランチ17番が斜め前へ少し運び横パス→ボランチ7番が前方へパス→左SH14番がゴールを背中にバックパスで折り返し→17番スイッチを入れ前方へ強めのスルーパス→右SH8番が上手いトラップから右方向へスルーパス→FW13番スルー→右SB16番がシュート。というHondaFCらしい厚みのある攻撃を見せ始めた直後の28:40に、枚方陳内ゾーン3手前右サイド付近で、ボランチ17番が相手からボールを奪って、そこから鋭いスルーパスをペナ内右後方に進入した左SH14番へ渡ったところでファールの判定。PKを14番が着実に決め先制点を上げた。そこから38:34には、ボランチ17番の直接FKのクリアボールをボランチ7番が追加点となる鮮やかなミドルシュートを決め、枚方を突き放した。
後半に入ってからの枚方は、FW11番からFW9番へ交代をして彼をターゲットマンとして当てることを最優先させることにより、57:47には、彼の裏への飛び出しから見事にゴールを決めることになった。しかし、そのことによって枚方の攻撃が前半に比べてさらに単調なものになってしまい、その後、HondaFCからゴールを奪うことができなかった。一方、HondaFCは51:53には、右SB16番が自陣右サイドからロングパス→FW13番が収めヒールでバックパス→右SH8番が右ポケットへ進入する FW9番と左SB4番がペナ内中前方へ入る 8番がクロスを出すも相手GKと競り合いキャッチされる。68:25では、左CB11番→ボランチ17番→左SB4番→FW5番と左サイドで素早くボールを動かす 17番がペナ内後左へ進入して5番からボールを要求する しかし、5番→左SB4番へパスを選択し9番へは渡らずボールはゴールラインを割る。このように、HondaFCがよい展開で攻撃を進めていきゴールこそ奪えなかったものの、枚方から勝利を収めて4連勝を上げた。ところで、81:48には、枚方のファンタジフタこと二川選手が→FW9番へ往年の輝きが詰まったスルーパスを試合の終盤で見ることができたことがとても嬉しかった。
第2節 奈良クラブ 0-0 HondaFC 振り返り
前半はHondaFCのプレスも様子を伺う状況だったためか、奈良クラブもある程度ボールを保持して何度か攻め込む場面を作ったものの、最後のシュートまで持ち込めず2本のみとなってしまった。しかし、後半に入るとHondaFCは積極的にプレスを仕掛けてきたことで、完全にHondaFCがボールを支配する展開となってしまったが、GK赤塚を筆頭に選手全員がボールホルダーに対して体を張った粘りの守備を見せたことで、HondaFCのシュート数も3本に抑え、終わってみれば勝点1を分け合う結果となった。
noteでの感想
天皇杯1回戦 奈良クラブ 0-1 HondaFC 振り返り
前節の高知戦からスタメンが10名を変更した、いわゆるターンオーバーでこの試合を挑んだ奈良クラブ。試合開始10分過ぎまでは素早い攻撃を何度か見せていた。しかし、天皇杯モード全開のHondaFCが徐々に攻勢を強められると、奈良クラブはプランBという名の戦術変更を余儀なくされ、ゴール前でブロックを固めてゴールを死守するという苦肉の策を取らざるを得ない状況となり、そこは体を張って何とか90分間耐え凌んだ。しかし、延長後半AT+2分にゴールバーの跳ね返りをHondaFCに繋げられると、最後CF13番に詰め寄られ決勝点となるゴールを決められ1回戦で敗退した。
noteでの感想
vs HondaFC プレビュー
この2試合でのHondaFCの基本フォーメーションは、ソニー戦では3-4-2-1がベースで、枚方戦では4-4-2がベースであったと思われる。思い返してみると、天皇杯2回戦の仙台戦でも前半は3-4-2-1であったが、後半からは4-4-2へと変更していたこともあり、この辺りに関してはHondaFCは相手チームやゲーム状況によってシステムを変更してくる。そのため、奈良クラブにとってとても対策を講じにくい相手だと言える。しかも、先述した通り、第13節の武蔵野戦よりいわゆる天皇杯使用のベストメンバーから、選手の入れ替えに着手して新たなチーム編成を模索し始めている段階なので、誰がどのポジションでスタメン起用されるかも非常に予想しずらい。おそらくこのようなことにおいても、HondaFCの強みの一つのなのかもしれない。
攻撃については、サイドを中心にして狭い局面で数的優位を保ち、ショートパスを多様して局面の打開を続けていくと、気をみて逆サイドへ大きくオーバーロードからアイソレーションでマッチアップさせ決定機を作り出す。または、相手がハイラインであれば、最終ラインからロングボールを惜しみなく放り込んで速攻で裏を狙ってくることもよく見かける。一度相手陣内へ押し込むと、HondaFCの最終ラインは2CBとなって、センターラインの内側まで押し寄せて入ってくるので、セカンドボールをほとんど回収され、連続攻撃を受け続けることが多くなる。しかも、その2CBのカウンター対応が激しくボールフォルダーに対してトランジション早く襲いかかってくるので、相手チームはなかなかカウンターへ繋げにくい。それに加えてこの2試合では、縦に素早い攻撃も意識的にチャレンジしているように感じた。速攻と遅攻を織り交ぜてくるHondaFCの攻撃はやはり手強過ぎる相手だ。
守備面では、この2試合でも変わらず相手の最終ラインに対して前線がアグレッシブにプレッシングをかけて積極的にボールを奪いにくる。そこでボールを奪えなくても、同サイド圧縮を仕掛けて再度ボールを奪いにくる。当然のことながら、そこでボールを奪われたらHondaFCのショートカウンターを鋭く仕掛けてくるので非常に厄介だ。一方で相手にロングボールを蹴り上げられたとしても、選手全員が即時に帰陣して、組織的で強固なブロックを作ってくる。そして、ロングボールを受けるボールホルダーに対してしっかりと圧力をかけて詰め寄り、連動してパスコースへ入ってインターセプトを狙ってゴール前をがっちりと固めてくる。HondaFCの強さの根源は攻撃よりもむしろ強固な守備にあるのは間違いない。
そんなHondaFCの特に要注意選手はボランチの17番だ。この2試合を見てみると彼は凄まじい勢いで成長しているように感じた。特にソニー戦の26分の先制点のゴールは、彼の前へ積極的に出ていく熱い姿勢とそこから冷静に狙いすましたシュートは本当に素晴らしかった。枚方戦の3:50では、ボディーバランスと球際の強さに加え認知判断能力も優れており、そこへ球出しの正確性とスピード感がとても素晴らしかった。59:25では、相手GKのロングキックに対して、足元へピタッとトラップするボールコントロール技術も抜群だった。彼のプレーを見て、あまりにもその成長スピードが早すぎたためにPCの画面越しからでもびっくりして驚いてしまったほどだ。天皇杯1回戦でも彼の才能あるプレーに魅了されたが、この2試合ではさらにその上の段階へと格段にレベルアップしていた。調べてみると、彼は今年大学から入社してきた新人プレイヤーだった。それならこの成長の早さは頷ける。おそらく彼はJFLでは到底おさまらないような、そんな選手に必ずなるだろう。そんな彼の存在を今から知れるJFLというカテゴリーはやはりとても意義のあるリーグだ。
そんなHondaFCに対して奈良クラブはどうやってゲームを作っていくのか。攻撃面としては、まずはどうやってプレス回避するかだろう。HondaFCの強力なプレッシング相手でも上手く突破できるかが、今回においてもやはりポイントになってくるだろう。天皇杯1回戦では。試合の序盤では素早い攻撃を何度か見せていた。しかし、HondaFCに右サイドを続けて突かれていると徐々に奈良クラブの最終ラインは下がりはじめ、そこから延長終了までゴール前でブロックを固めてゴールを死守するという状況となってしまった。そのようにならないためにも、今回のHondaFC戦では、同サイドからGKを経由して逆サイドへ展開し、空けたスペースをつくようなプレス回避を、何度見せることができるかが重要となる。そして、そこから果敢にオーバラップして両SBを起点にして、速攻でSTやWGがサイドを攻略し、CFや逆サイドのWGやSTへ質の高いクロスを上げることができれば、ゴールも必ずや生まれるだろう。少ないチャンスをCFやWGやSTが決めきれるかが最大のポイントだ。そのためには、ボランチ2人がHondaFCのプレッシングに負けない球際の強さが絶対条件だ。ここでボールを奪われてしまうと、天皇杯1回戦の二の舞を演じることになりかねない。また、プレス回避の選択肢として、鈴鹿戦の前半で見せたロングボールを多様することも有効だろう。第2節のHondaFC戦ではほとんどロングボールが効率的に蹴り上げられず、無意味にゴールラインを割ることが多かっただけに、そこは奈良クラブのチームとしての成長した姿を見せてほしい。そして、リスタート。もはやここで書くこともなくなってしまったぐらい何度もしつこいぐらいに繰り返して書き続けているこのリスタート。HondaFC相手では尚の事ながら、必ずといっていいほどリスタートでゴールを取ることが勝利する上で最重要課題だからだ。おそらくリスタートでゴールを奪わないと、どうしても勝利することがかなり厳しいだろう。しまね戦のようなリスタートからのゴールを是が非でもお願いしたい。
守備面としては、成長著しい17番を気持ちよく自由にプレーさせてはいけない。そして、奈良クラブのボランチは球際での競り合いに特に17番から絶対に負けてはいけない。もちろん、他の選手でも負けてはいけないのは言うまでもない。その他では、第2節のHondaFC戦では前線で上手く誘導しておいて、中盤で連動してボールを奪ってそこからショートカウンターへ何度も繋げていた。そのためには、中盤でボランチが引っ張られて不用意に中央のスペースを空けないよう、選手同士でお互いの距離感を保ってもらいたい。また、ロングボール対応も、第2節では両SBがしっかりと詰め寄りサイドへ切っていた。今回も奈良クラブがしっかりと失点0で抑えることができるかも勝利のポイントにだろう。Jリーグレベルの強力な攻撃陣のHondaFCに対してクリーンシートを実現してこそ、そこでようやく、奈良クラブが鉄壁の守備陣であると胸を張って誇り高く言っていいと考えている。
そんな、JFL屈指の門番であるHondaFC戦と戦えるのは、これで本当に最後の最後だ!
絶対に勝つ!
勝って優勝するぞ!
得点予想は…1-0!!!!!!!
バモバモ奈良クラブ!!!!!!
都田で奈良クラップを!!!!!!!!!!!!!
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