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「感情を翻訳してゲームをデザインする」プロセス その2

僕はゲームを作るとき、自分がワクワクする世界観見つけることから始める。
そのプロセスをまとめてみた。

その2となる今回は、下ごしらえをした世界観を、どうやってゲームにしていくかという内容になる。

ちなみに前回までの内容は下記だ。

①世界観を見つける
②世界観を調べる
③世界観を分解する

今回はこの続きを書いていく。

④世界観を咀嚼する-1

ゲームにしたい世界観を分類することができたら、次はそれらをゲーム化するにはどうすればいいか、というフェーズに移ってゆく。
とはいえ、いきなり「正体がわからない」という要素をゲーム化しよう、と思っても難しい。

だから次は、世界観を噛み砕いてゲームの材料にする必要がある。どうやればいいのか。

例として「正体がわからない」を噛み砕いてみよう。ちなみにこのフェーズでは、既存のゲームを知っていると役に立つ。早い話が、他のゲームのシステムをパクるのである。

というわけで「正体がわからない」というとき、僕はまず人狼ゲームに思い当たった。
人狼ゲームではなぜ、「正体がわからない」んだろうか?

それは、あるプレイヤーが正体をあらわにする時(役割に応じた行動をする時)、他のプレイヤーが目をつぶっているからだ。
また、パッケージ版の人狼ゲームをやったことがある人なら分かると思うが、役割が書かれたカードは伏せられたまま、各プレイヤーに配られる。

こういうシステムがあるからこそ、人狼ゲームでは「正体がわからない」のである。これは他のゲームでも大体同様だろう。これをパクれば、「正体がわからない」というシステムをゲームに組み込めるというわけだ。

だから『切り裂きジャックは誰?』でも、切り裂きジャックが殺人を犯すとき、他のプレイヤーは目をつぶるし、最初の役割決めのとき、役割カードは伏せて配られる。

つまり世界観を分類し、他ゲームから同じような要素を再現するシステムをパクるのだ。

ここで重要なのは、世界観を再現するために新たなシステムを考えてやろう、などと思い上がらないことだ。どうせロクなものは思いつかないし、思いついたところでプレイヤーには理解されない。よって他のゲームからパクることをオススメする。

ちなみにどうしてもイヤだ、という人は「モノとの約束」をパクるといい。
「モノとの約束」についてはこちらのnote(ゲームやWebをデザインするときは、「物との約束」をパクると幸せになれます)にも書いたが、早い話が物理法則だ。「上から下に落ちる」とか「右に動いてるものは右に移動する」みたいな、誤解のしようのない誰もが納得行く世界のルールをパクるのだ。

また長くなったので続く。次は、残りの要素を咀嚼するところから。

その3

ナイスプレー!