ボードゲームもワークショップも、「人間に埋め込まれているもの」を使ってデザインするといい感じ
ボードゲームのルールを考えるときには「人間に埋め込まれているもの」を利用します。
人間に埋め込まれているものとは、教えてなくてもできてしまう振舞いのことです。たとえばデザインしたゲーム『トポロメモリー』には、「同じ図形のカードを見つけたら取る」「早く見つけた人が取る」といった振舞いがルールに入っています。
人はたいてい、ペアを揃えたくなるし、早い方が権利を勝ち取ることを知っています。そういうルールは、自然に覚えられます。これが逆になっていたり手順が複雑になっていたりすると、よくわからなくなります。
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僕はこの仕組みを、複数の優れたボードゲームを遊ぶことで発見したのですが、実は別分野でしっかり体系化されていることを最近知りました。ワークショップです。
1月から青山学院大学のワークショップデザイナー育成プログラムを受講しているのですが、その講義内で登場した概念がまんま、これでした。
ワークショップをデザインするときにも、まさにこの「人間に埋め込まれているもの」を利用します。
たとえば「協働性」。人はかならず助け合ったり、影響し合って生きているものです。意識している部分もあるでしょうが、無意識に協働している部分も多いはずです。
たとえばワークショップ内で何かハンドアウト等を配布するとき、講師がテーブルごとに配ってしまうのではなく、どこかに置いて、テーブルの代表一人に取りに来てもらうようにするなど。
するとテーブル内で配布するときにきっと、他の人はお礼を言うはずです。自然とコミュニケーションが生まれますね。次に実施するワークの空気がちょっぴり柔らかくなりそうです。
他には、インプットに対して時々で瞬時に連想できる「即興性」や、ものを投げられるそぶりをされると、受け取る姿勢を作る反応をしてしまうような「身体性」といったものがあります。
これらを利用することで、参加者が自然に入り込んで学びを得られるワークショップになるというわけです。ゲームのルールデザインと非常に似ています。
いよいよ1月22日(火)に迫った「noteが書きたくなるワークショップ」も、こうした「人間に埋め込まれているもの」をふんだんに使ったデザインになっています。
ワークショップデザイナーの臼井さんが、noteディレクターの水野さんのnoteを書くためのコンサルティングをシンプルに構造化し、誰もができるようにワーク化しています(僕はゲーム感のある味付けをするのに協力させていただいてます)。
参加するときっと、自分の中に埋め込まれている協働性や即興性に気づけるはず。
noteを書く仲間と出会って、楽しく学び合える時間になります。ぜひ。
ナイスプレー!