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写真詩「言葉が生まれる」

言葉が何も生まれない日
ノートを閉じて思案する
この中途半端に余った時間を
どうやり過ごそうかと

部屋を出て桜並木を歩く
道行く人々の感嘆の声を浴びながら
誇らしげに咲く桜の木の根方で
人知れず咲いている花々の群れ


愛でる人もなく
褒める人もなく
それでも健気に咲いている
名も知れぬ花々


可憐な花びらを寄せ合いながら
風に揺れる姿を見るうちに
いつかしら貧しい心に
ひとつの言葉が生まれる

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