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【1人目と2人目と3人目】



 金曜日の朝の時間は、全校除草。
 
 全校生で校庭の雑草をむしっていきます!!

 黒板には、「朝の時間 全校除草 目標:クラスでゴミ袋をいっぱいにしよう!」とだけ。

 テレビには、4年生が校庭のどのこの場所を担当するかを写しておく。

 私は、登校指導やプールの管理があったため外にいました。
 
 でも不思議と確信していました。

 「このクラスの子たちなら、あの黒板の言葉だけできっと外に来るだろう。」と。

 これは、「信頼」を超えて「信用」の部分。

 これまでの経験から、こうした誰かのためになる活動、学校のためになる活動、そしてが急で共通の目標がある活動、仲間と共に協働する活動など、、、。こういった活動へのエネルギーはやっぱり持ち味です。

 いかに楽しむか、いかに仲間と手をかし合うか、どれだけ貢献するか。

 きっと、もう私が多くの指示を出さなくとも、楽しみを見出し、喜びを見出し、自ら取り組んでいくだろうという「信用」があります。

 外で待っていると、やはりいの一番に外に出てきた4年生。
 
 それも昇降口から一生懸命走って校庭に。

 1人、また1人と。続々と集まってくる4年生。

 確かに絶対この子たちなら真っ先に出てくるとは、信じていましたが、これほどすぐに集まり始めるとは。また走ってくるんです。みんな。

 もう、本当それがすごいなと思って。
 
 下手すると、面倒くさいなあとだらつきがみられる場合だってなきにしもあらずです。
 でも、走ってくる。

 「走ってきなさい!」とももちろん言ったこともない。

 「よーし!一番にいって、せっかくだから一番むしろう!」「こういう学校のためになるチャンスは、進んで掴み取ろう!」「自分たちが使う校庭を少しでも自分たちで綺麗にしよう!」と、豊かな心が育っているとしか思えない。

 もちろん、「え〜草むしり〜?」なんてマイナスの言葉なんか出るどころか、「ここに集めよう!」「集まってきたぞ!」というプラスの言葉。

 ここから、感じる価値は2つ。

 まず、1番にきた子。それも走って。

 この仲間のアクセルは、教室全体を動かす大きなものだったと思います。

 さっと朝の支度を終えて、準備をして、走って外に出る。みんなのために道具も準備する。
 
 この背中は、教室の好循環を生み出す大きなきっかけでした。

 勇気のいることかもしれませんし、後から仲間がついてくるか不安があるかもしれません。でも真っ先に行動できる。だから後から仲間もついてくるのだろうと。

 2つ目の価値は、最初に動き出した子に気がついて、「自分も!」と後に続ける感覚です。

 どんなことでも、はじめに動き出す人がいて、その姿を見て動き出す人がいる。
 
 しかし、集団心理の側面からいうと、2人では集団全体に広がらないと言います。
 では、何人が行動を起こすと、集団全体に広がるのか。

 それは、3人。

 ムーブメントの起し方と検索すると動画が出てくるかもしれませんが、ムーブメントの始まりは3人です。

 つまり、ファーストランナーに続けるセカンドランナー、それに続けるサードランナーの存在が極めて重要だというわけです。
 
 3人が動き出すと、一気に集団に広がります。

 その3人が先頭集団となって、集団を引っ張るわけです。

 教室を見ていると、こうしてはじめに動けるファーストランナーになれる仲間が育っていますし、それに続ける仲間も育っている。

 だから、私は「この子たちなら、黒板の文字だけで活動をスタートできるだろう」と思えたのだと思います。

 一気にクラス全体に広がり、瞬く間に除草活動がスタート。

 草をゴミ袋いっぱいに。

 クラス全員で協力し合って。

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