【エッセイ風小説】らしさを求めて。第1話

今回は、虚実入り混じるフィクションを執筆してみたくなりました。
架空なのに私の心情が入り乱れる。
何が本当で何が架空か分からない。
そんな世界をエッセイ風に書いてみます。
では。

※この物語はフィクションです。
実在の人物とは関係ありませんが、一部私の心情を含む描写がございます。
それがどこか考えながら、お読み頂けると幸いです。

第1話


まえがき


みなさんこんにちは。
今回エッセイの依頼を受けまして。
私が?と、思いました。
なぜゆえに?
誰が知りたいんだ私の人生。
そう思っています。


と、すみません。
エッセイのまえがきってこういうスタートかなと思っちゃって。
でも、ホントにこの依頼を聞いたときはビックリしました。
編集者さんに聞いたら、こんな答えが返ってきました。
その時の会話も一部書きます。

「正直。多様性を求める時代って言っても全然じゃないですか。」
「まぁ。」
「そんで、協調性を求めるのが日本ですよ。」
「それが美徳とされてますよね。」
「それでぜひ。お願いしたいという結論に至ったんです!」
「ええ・・・?なんで自分に?」
「多様な生き方を実践されてるじゃないですかぁ!」
「そうですかねぇ。」
「多様性の権化じゃないですか!ダイバーシティの権化ですよ!」
「ダイバーシティの権化!?」

正直編集者さんは、この会社を辞めんのかなとも思いました。
そんな言いぶりでしたし。

失礼。
編集者さんの話になりましたね。
まぁ、でも受けたからには文章構成力ゼロの私が必死こいて執筆しました。
見て頂けると幸いです。

モノクロからレインボーへ

勘違いしてた普通

私は、学生時代から誰かに従っていれば安パイ。
つまり、平和に生きていけると思っていました。
それは、違いました。

親の敷いたレールに合わせる。
なんでもイエスマン。
多数派が正しい。

こういったことです。
そしたら、最低限生きていけるって思い込んでいました。

だけど、就活で落とされ続けました。
人生の一大イベントを失敗したのです。
そりゃ絶望でした。
何が正しいか分からなくなりました。

これで正しいの?

しかし、縁あって職に就くことは出来ました。
粘って粘ってもぎ取ったものでした。

しかし、あともう少し遅ければ完全に腐る。
もとい、朽ち果てていたでしょう。
そう考えると、私を拾ってくれたことには感謝しかありません。
そして、その会社にしばらくお世話になりました。
4~5年ぐらいかな。
みなさん優しく、私にはもったいないくらいでした。

私は、新たなチャレンジをしたいと考えるようになりました。
転職です。
ネクストステージに行きたい。
自分を成長させたい。
そんな思いが、日に日に強くなっていきました。
決意し、退社しました。

上司の皆さんは、悲しんでくれる人。
笑顔で送り出してくれる人。
エールと肩を叩いてくれる人。
ホントおこがましいのですが、私のために見送ってくれました。
ありがとうございます。

新たに入った会社では、私が一番下っ端ですから従うべき。
そう考え、我慢して受け入れていました。

しかし、我慢はいけません。
いずれ爆発を迎えます。
それだけは言っておきます。
疑問に思ったら何でも聞きましょう。
効率ばかりを求められて、本当に苦しくなりました。

そんなことの積み重ねで体調を崩した私は、数か月で会社を辞めました。

私には、会社というシステムは向いていなかったのかもしれない。
今でも、そう考えることがあります。

ポートフォリオワーカーの存在

退職後。
私は、よく言えば休養。
生活リズムを整える。外出をするなど。
悪く言えば、ニートになりました。

自分自身を最悪と評するのが、正しいでしょう。
クズとか。
これ以上は、コードに引っかかるかもなのでお口チャック・・・。

そんな中で、自分の生き方を考える機会が度々ありました。
調べていく中で、「ポートフォリオワーカー」という存在を知りました。

ポートフォリオワーカーとは、仕事を1つに限定しない。
収入源を分散させることで、収入源のリスク管理をするというものです。
いわば全部本業というべきなのでしょう。

私は、直感的にこれだ!
そう思ったのです。

正直私は変わってると言われます。
周りに話は合わせられないし、一人がラクです。
ずっと安定は欲しかった。
ただ普通に生きていきたかったのです。
けれど、私には安定した生活はかなわないと痛感します。
会社勤めがトラウマになっているもので。
自分らしく生きるきっかけになればいいな。
そう思って、このポートフォリオワーカーとしての人生を始めました。

無一文じゃあさ

じゃあ、ポートフォリオワーカーとして何の仕事をしようか。
そう考え始めました。
まずは、カネです。
私の生活に最低いくら必要なのか分析しました。
最低でも10万。これが現実です。

まず、確実にバイトから社会復帰を目指すことにしました。
いきなり社員というのも、心身ともに負担が大きいことは自分でも分かっていました。
そこから、バイトは収入の8割とかを占めるんだろうなとか。
お金を考えれば、本当にストレスでした。
でも、お金がないと何もできない。
がんじがらめでした。

運命の出会い

ポートフォリオワーカー生活を始めた私ですが、そう簡単には行きません。

しかし、ある秋晴れの日のことです。
私は、運命となる人と出会いました。
そう、人生をかけるほどの。

それは、私が撮影のために訪れた公園でのことでした。
季節の花が咲き誇る近所で有名なスポットでした。
その日は、コスモスだったかな。一面咲き誇っていました。
その中に、ひときわ目立つ女性が一人。
困った様子でキョロキョロしていました。

その女性は、不自然な青髪。
それに加えて、私の地元近辺の高校でない制服。
明らかに、何者か分からないしド派手。
そんな女性でした。

前を通過しようと思ったら、女性が私に気づきました。
そのままこちらへやってきました。

「すみません!お兄さん!」
「は、はい!!」
「お兄さんってカメラ持ってますか?」
「え?えぇまぁ・・・。」
「突然のお願いで恐縮なんですが、私を撮影して頂けませんか!」
「えぇ!?」
「もちろん!それなりの謝礼はお支払いいたしますので!!」
「いやいや・・・。なんでですか?」
「実は、私コスプレイヤーで。この公園で撮影をお願いしてたんですけど・・・。」
「はぁ。」
「その会社と連絡とれなくなっちゃって・・・。間に合わせなきゃいけないことがあるんです!今日中に撮影しないとどう考えても間に合わなくって・・・。」
「いいんですけど。私もまだ若手なので。」
「大丈夫です!!お願いします!」
「分かりました。1回1000円でいいですよ。」
「いや!悪いです!」
「じゃあ交渉決裂ってことで。」
「いや!ほ、ホントによろしいんですか・・・?」
「ええ。撮影許可は取られてるんですよね。」
「はい!」
「じゃあ。始めましょうか。」

こんな感じで撮影が始まりました。
ちなみに、ホントはもっとお金取ろうと思いましたよ。
だけど、お金をもって逃げられて。
私も経験ないですし、ツイてなさすぎる。
少しの優しさと思っていただければいいなと思ってそうしました。

話は変わって、実は私。
人物撮影をずっとしたかったのです。
人の葛藤とか、ちょっとした闇とか。
自然体の写真をずっと撮影したかったのです。
でも、素人の私は通報されることを恐れてできませんでした。
またとないチャンスでした。

その日は、ちょうどSDカードを新しく買ったばかりでしたから。
そのSDカードごと彼女にお渡ししました。
彼女は笑顔で、感謝してました。

それで、3週間ぐらいたったでしょうか。
撮影依頼が入りました。
現場に行くと、そのコスプレイヤーさんがいました。
どうやら指名してくれた模様で。
現在ではそのコスプレイヤーさんの専属フォトグラファーとして撮影しています。
なぜ、指名されたのかは追々。
この出会いが、ポートフォリオワーカー人生の道を開いたきっかけと言えます。

第2話につづく。

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