マガジンのカバー画像

ピアノに関してのおはなし

8
運営しているクリエイター

記事一覧

慣れるまでが辛いけど、それが楽しい。アコーディオンとブレワイ(ゼルダ)の話。

慣れるまでが辛いけど、それが楽しい。アコーディオンとブレワイ(ゼルダ)の話。

「ピアノは楽器の王様」と言われ、ピアノを弾く身としては悪い気はしないんですが、そんなピアノにだってできないことはあります。

「一度鳴らしてしまったら、その音を変えることができない」

オーケストラではたくさんの楽器を見ることができますが、ほとんどの楽器は「鳴らしたあとに、音を大きくしたり小さくしたり」「音程を上げたり下げたり」できます。しかし当たり前ですがピアノの場合、鍵盤をポーンと鳴らしたら最

もっとみる
僕がピアノに出会ってからの先生方は、素敵な人が多かった

僕がピアノに出会ってからの先生方は、素敵な人が多かった

初めてのピアノとの出会いは、幼稚園でだった。
教室においてあったピアノが好きすぎて、大塚先生から「お遊戯だよ」とか「お昼寝だよ」と言われても、ずっと僕はピアノを触りたがっていたらしい。困った先生が、迎えに来た母親にその事を伝えたのがピアノを始めたきっかけ。
(記事のTOPにあるアップライトピアノは、僕が幼稚園で初めて触れたピアノです。幼稚園の解体後は、園長先生の自宅に保管されていました)

最初に

もっとみる
「原曲至上主義」にこだわっていた僕が変わった瞬間があった

「原曲至上主義」にこだわっていた僕が変わった瞬間があった

月刊Pianoの原稿を編集部に送った。
2014年1月号から続いているから、11年目に入るところ。

物価や、需要の影響で連載開始時には650円だった月刊Pianoも990円になった。僕が中学生の時は500円(!)だったので、ほぼ倍だ。でも、この雑誌がまだ続いていること自体にとても感謝している。

音楽を生活の大事なところに置くようになって長い時間が過ぎたけど、音楽に対して「考え方が変わったな」と

もっとみる
ピアニストを連れて行く食事場所を選ぶ時に思っていること

ピアニストを連れて行く食事場所を選ぶ時に思っていること

ある日、鍵盤弾きの四人で飲み会をすることになった。
「ピアニスト四人で飲み会をすることになった」と書き始められればよかったのだが、こう書いた。厳密に言えば一人はキーボーディストだし、自分自身は今でも自分のことをピアニストと言えるほどの大それた人間ではないと思っているからだ。

いろんな経緯があって結局この四人で集まることになったのだが、食事をする場所については一任された。片方のピアニストが「事務員

もっとみる
譜面を作ってる人の頭の中②_【バンド譜編】

譜面を作ってる人の頭の中②_【バンド譜編】

ピアノの譜面を雑誌に掲載するようになってからは正確に言えば9年だったと思う(今の連載が7年続いており、その前に2年…とは言っても持ち回りだったので3ヶ月に1度だった…の短い連載があったからだ)。
この話の①の時に「楽譜によって付けるコードは変わる」というお話をしたが、もう少しだけ具体的にお話しておきたい。そのために、今度は「バンド演奏のためにミュージシャンに配る楽譜」について、説明する必要がある。

もっとみる
譜面を作ってる人の頭の中①_【ピアノアレンジ編】

譜面を作ってる人の頭の中①_【ピアノアレンジ編】

たまにはちょっとだけ専門的なことを書こうと思う。

今日書きたいのは、音楽での「コード」の話。「ド・ミ・ソ」が「C」になる、あの「コード」のこと。あ、といっても「コードの事、わかりやすく教えます」的なものじゃないですのであしからず。

売られているポピュラーの楽譜を見ると、よく譜面にコードが付いてる。だれかがその曲を聞いて楽譜を作ってくれて、この場所のコードは「C」なんだよと教えてくれてるわけだ。

もっとみる
「そろそろグランドピアノを買ってくださいね」

「そろそろグランドピアノを買ってくださいね」

小学生の時、ピアノの先生が、僕を迎えに来た母親に言った言葉をタイトルにしてみました。考えてみれば、たいへんな事をずいぶんサラッと言ってるなぁと、当然思いますよ。

うちは一般的なサラリーマンである父親と、一般的な専業主婦である母親と、男一人女一人の子供で構成された普通の家族なんです。白菜じゃあるまいし「あ、そうですか」と答えて、帰り際に楽器屋さんに寄って、店員さんに適当にグランドピアノを見繕っても

もっとみる
自由に楽しくピアノが弾きたい生徒さんと、そのピアノの先生方へ。

自由に楽しくピアノが弾きたい生徒さんと、そのピアノの先生方へ。

はじめに先日、昔ピアノを習っていた先生とお話をしたところ「ひとり、レッスンをしてあげてほしい男の子がいるの」と言われました。「何かを人に教えた経験が無いのでできません」とお断りしようと思ったのですが、今後の経験になるかもと、最終的にやってみることにしました。実は、その先生も教え方に悩んでいるようだったのです。

いざ、レッスンの時間。僕はどんな楽譜を持ってくるのか知らなかったのですが、彼が持ってき

もっとみる