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24/6/14 この素晴らしき日

暑い。梅雨が入ってきていないというのに、まちには夏が降りている。
ムクドリが口を開けている。予報では、確か30度に到達する。

丸信でやきそばを食べる。塩でもソースでもなく、油そばのような味。

家に帰る途中でアイスを買う。今年に入ってから、なぜかいちご味を選ぶようになった。毎回ではないけど、ときどき。ある時からいちご味を選ぶことはなくなっていたのに。この歳になっていちごが帰ってくるとは思っていないかった。

かなり久しぶりにToots and the Maytalsを聴いた。当時聴いたときはそんなことは思わなかったのだけど、Soul,R&Bを強く感じた。レゲエではなく、それとしても聴けるかもしれいない。カラッとしていて気持ちいい。
『 Take Me Home, Country Roads』のカバーは変わらずにいいなと思う。歌詞がWest Virginiaではなく、West Jamaicaになっていることに気付く。

夕方、友達と待ち合わせして嶋寿司に行った。国立駅北口を少し歩いて、住所的には国分寺の路地裏みたいな短い飲食店街にある寿司屋。寿司屋だけどフレンチも食べられる。というより寿司とフレンチのお店であろう。父が寿司を握り、息子がフレンチを作っている。
縁が広い白い皿。その皿の中央には、見事なソースに絡められたニョッキが贅沢を教えてくれるように待っている。ズッキーニも美しい焼き目をつけている。ニョッキをみんなで箸でつまんだ。美味しいフレンチなのに、おかしなフレンチの食べ方をしている。ソースはスプーンでさらった。寿司もおいしかった。

みんなで立川に移動する。北口に出て、少しだけ歩き、グリーンスプリングスのステージガーデン横の階段をのぼり、スカイデッキという名の場所に座り、外飲みをする。すぐ近くにはドラゴンフライというBarがある。最初はドラゴンフライって名前はどうなのかと思ったけど、Barだから主たる時間は夜なわけで、夜に飛ぶトンボを想像してみたら、素敵なんじゃないかと思えてきた。部活の集まりのあとの女子高生たちが写真を撮っていて、「男に送ろう」「私も男に送ろう」「待ってみんな男いるの?」というようなことを言ってはしゃいでいた。おじさんたち3人が、ここにあれがあって、昔はあそこにあれがあってということを、景色を見ながら話していた。僕もいつかそんなことを誰かと話しそうな気がするし、既に話しているような気もする。星はそんなに見えなくても、月は綺麗に見えた。

ミスドに寄る。エンゼルクリームはどこか元気がないように見えたけど、エンゼルクリームを選ぶ。それとゴールデンチョコレート。輝かしい響の組み合わせ。閉店間際だったからなのか分からないけど、なぜかサービスでポンデリングをくれた。

今日はとてもいい気持ちで、そのまま気持ちいい夜風にふかれて、いい気持ちで大学通りを歩いて帰ろうと思った。地球屋の前を通ったら、七尾旅人さんがライブをやっていた。
ダメ元で入ったら受け入れてくれたうえに、もう終わるからとドリンク代だけで入れてくれた。最後の一曲を聴いた。ルイ・アームストロングの『この素晴らしき世界』の日本語カバーだった。この夜がどんなに素晴らしい夜かは、もうこれ以上言葉を要する必要はないだろう。たまにこんな奇跡みたいな夜がある、この素晴らしき世界。

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