エッセイ #06『無知の知』
二十九歳もちょうどニヶ月後には終了し、三十代への階段の一段目に差し掛かろうとしている今日この頃、昔のやりたいこととして「レオナルド・ダ・ヴィンチが専門とした全ての学問をマスターする」という目標を思い出した。天文学、解剖学、航空力学、建築学など様々な分野の学問で成果を出した天才の真似をしたかったのだが、マスターするために各分野五冊の本を読んだとしても、最低二十冊読む必要がある。当然、日々の活動の中心には仕事があるし、僕は個人事業主なので基本的に休日も仕事をしている。
休憩時間に読もうと決めても、仕事中心に生きているので図書館で関連する書籍を借りてくることさえ数日したら忘れてしまう。
人生、仮に八十歳まで生きれたとしても圧倒的に短すぎる、と感じてしまった。しかも、四、五年前にもこのような感情を抱いたことがある。また五年くらい後に「人生は短すぎる」と愚痴を言っている自分の姿が容易に目に浮かぶ。いっそ、実家の庭に「また人生の短さについて頭を悩ませているのですか?」と紙に書きタイムカプセルに埋めておこうか。
まだ三十歳にもなってないじゃないか、と思うかもしれないが、僕は一日を四十八時間にしたいと思うタチであり、最近は朝四時に起き、アイビー・リー・メソッドと呼ばれる方法を使ったToDoリストを駆使し午前中に仕事を終わらせている。早く仕事を終わらせられることを自慢したいわけではなく、とにかくせかせかしているのだ。ちなみに、ジャネーの法則により現時点での時間の進み方がとても早い説明もしようと思ったが、あいにく一日にできるだけ多くのことを成し遂げようとしているせいか、充実はしているがそんなに一年が早いと感じたことはない。
まぁそんなことを言ったところで本当にマスターしたいならYouTubeの無料動画なり書籍なりで勉強するしかないのは理解できているから、四、五年ほどかかってもいいから小さな隙間時間を見つけて学習してみることにしよう。
とにかく僕は、早く事を成し遂げようとしすぎるのかもしれない。
ところでiPhoneの純正メモに綴ってから縦書きの文書ソフトに写しており、元が横書きなせいで、算用数字をいちいち漢数字に直すのが面倒臭い。
これからは、最初から縦書き設定のメモアプリに切り替えようかと悩んでいる。
最近は、十一月になっても夏のような暑さが続いているが、それは昼の時間帯の話で、夜は季節通りに寒い。散歩がてら、マフラーを巻いてぶらぶらして考え事に精を出す。
縦書きのメモアプリには何があるだろうか、という悩みを解決してくれる本を書店で探したところ、ぴったりなものを見つけたので購入してきた。
これで最初から縦書きで執筆活動が出来る。良かった良かった。
…ところで、何か忘れているような気がする、と、寒い帰り道で脳内の空いた部分のピースを探していた。
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