季節外れのサンタクロース
今年の春、俺は社会人になった。営業職の俺は覚えることばかりで目まぐるしい毎日を送り、今後の不安がゴールデンウィーク前に襲いかかる。そんなある日の昼下がり、缶コーヒーを片手に公園のベンチに座り、眉間にシワを寄せ今にでも何かを投げ出したいと思う俺の前に、呼吸をやたら乱した青い服のサンタクロースが現れた。
「えっと、ヤマニシ・ケンタくんでいいかな!?遅くなってごめんね!プレゼントを持ってきたよ!!」
一体なんの冗談だろうと思った。笑うとか怒るとかそういう感情は何もない。ただこの