ゴートソルジャー 〜ビギニングウォー〜(中編)
※この小説には一部暴力的かつグロテスクな表現があります。
バサンはただ1人雪の中を歩いた。吹雪の音だけが耳に、雪の冷たさが皮膚に染み入る世界。暖かい基地も仲間も家族もそこにはない。青白い地をただ歩き、バサンは山を降りた。バサンの直感だがなんとなく、同族の香りがする方へ歩いたのだ。そして見つけた、吹雪がやみ広がるのは街である。夜ではあるが大変明るく、多くの人間がいた。不思議だ、自分とは違うのに人間という生き物は仲間に思えてしょうがない。それはバサンが人間と山羊を掛け合わせて作