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エッセイ:大ちゃんは○○である46

僕がやった、待ち合わせ場所で相手を待っているシチュエーションでの芝居はこうだ。
まずは椅子に腰かけているところからのスタート。
自分の中では駅前での待ち合わせという設定を作ってやっていたので、
情景を思い浮かべながら相手を待った。
しきりに腕時計に目を向け、何度も時間を確認する僕。
首を左右に振り、しきりに辺りを見回す僕。
立ち上がってウロウロと歩き始める僕。
1分間の芝居だ。たったの1分間。
じっとしていることができなかった。
想像してみてほしい。駅前で待ち合わせをしているであろう人を。
ほとんどの方が待ち人を目にしたことがあると思うが、
短時間でこんなにせわしなく動く人はほとんどいないはずだ。
リアリティという意味では、僕は対極にあるようなことを表現してしまった。
『何かしなきゃ。分かりやすくしなきゃ。』
というような思いが、現実ではおよそありもしないような待ち人を作り上げてしまったわけだ。
他のレッスン生も大体似たような表現をする者が多かったので
客観視する目というのは本当に大事だと思った。

つづく

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