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何してもうまくいかない、あの沼。

彼氏ができない、恋愛がうまくいかない、婚活連戦連敗、誰も好きになれない。この時期を、私は「恋愛こじらせ沼」と呼んでいる。

沼でもがき続けた、”花の20代”。

当時の私は「彼氏ができない悩み」で常に頭いっぱい。好きな人には好かれず、好きになれない人に好かれる。そして、出会いを探すと悲惨な目に遭う。

でも、彼氏がほしい。今すぐにでも!(必死)

勇気を出して、結婚相談所に入ったこともある。毎週、ホテルのラウンジで”お見合い”した。あれは…今思えば”面接”だった。「仕事は?趣味は?」の質疑応答と合否。恋愛感情抜きの結婚がゴールなら、最適なのかもしれないと感じた。

街コンやパーティーなどの「集団戦」はもっとキツかった。男性からあからさまに「お前に興味ねぇわ」的な態度を取られたとき、友だち全員がマッチングして自分だけ残ったときなどは、帰ってからベッドで大泣きした。

マッチングアプリは”見た目重視”の世界である上、本当に危ない人もいるのでリスクが高かった。体目当てに失敗した34歳食品工場勤務さん、変なセミナーを勧誘してきた病み系のお2人さんは、今どうしているのだろうか…。

見るに見かねて、何人かの友達が男性を紹介してくれた。しかし、それぞれが高学歴・大企業自慢、マザコン、ふくよかすぎる上に不潔、完全に精神を病んでいる……など、ここでは挙げきれない超個性的なラインナップ。なぜか交際を申し込まれることが多かったが、どうしても好きになれなかった。

こんなに文章が長くなるほど、もがいても、もがいても抜けられなかった。

そして全ての気力がなくなり、婚活をやめてしばらく経ったころ、ある事実を知った。

「沼は自分が作っている」

私は、自分が大嫌いだった。自分は「恋愛がうまくいかないようにできている」と本気で思っていた。

その原因は、顔が可愛くない、性格が女性らしくない、年齢、友達が少ない、出会いがない、女性の扱いが上手い男性(経験上クズ率高め)を好きになりがち……思いつく限りたくさんあった。

でも、どうしたらいいか分からなかった。

ただ唯一、「出会いのなさ」だけは対処法がある。だから、どんなに苦しくても婚活をした。

今思えば、これが間違いだった。

私の実感として、「自分が傷ついている状態」で出会いを探すと、男性が傷つくようなことをしてくる。

あからさまに失礼な態度を取られたり、体目当てに誘ってきたり、モラハラ発言をしてきたり…人によってパターンは違うが、とにかく「自分が絶妙に傷つくこと」をしてくる。

それは自分が、心の奥で「男性は傷つけてくる!」と決めてしまっているから。

過去の恋愛で傷ついたこと。父親など男性に大切にされなかったこと。男性を怖いと思った経験。普段忘れていても、心はちゃんと「負った傷」を覚えている。

その傷が深いほど「もう傷つかないように」男性を悪者にする

たいていの場合、これを無意識に行っている。だから、傷を負った状態で出会いを重ねて「ろくな男がいない」「どうせ私は好かれない」という悪循環に陥る。

そうやって、沼はつくられる。もがいても抜けられない、地獄の沼を。


過去の私のように、今現在「沼から抜けられない人」にやってほしいことがある。

どうか出会いを探すのをやめて、自分に向き合う時間を作ってほしい。

「自分に向き合うってそもそも何?」と思うだろうし、「年齢は待ってくれない!」という焦りも痛いほどわかる。でも、少しの間でいいから、頭を”恋愛”から離してほしい。

最初は何をすればいいか、途方にくれるかもしれない。でも、人間そのうち何かしたくなってくる。本を読んだり、カフェに出かけたり、友達と遊んだり……「とにかく寝る、何もしない!」とかでもいい。

予定のない休日を使ってしばらく(おすすめはまず2週間)やっていると、心が静かになってくる。そのうち「恋愛がうまくいった訳じゃないし、何も状況は変わってないけど、とりあえず今は心が穏やかだな」と思える瞬間が、必ずくる。

それが、心が回復しているサイン。

その感覚がわかったら、定期的にそういう時間を作るようにする。回復度合いが増してきたら、自分について色々なことがわかってくる。

自分の好きなところ・こと・もの・ひと、されて嬉しいこと・悲しいこと、傷ついた原因になっている出来事、この先やりたいこと.....etc.

つまり、自分についてより詳しくなる。

私は過去にひどい恋愛を繰り返しているとき、友達からよく「自分を大切にしなよ」と言われていた。でもそのつど、「どうやって大切にしたらいいの?」と思っていた。

自分を大切にする方法は、自分にしかわからない。傷ついていると傷ついた人が寄ってくるように、自分を大切にできないと相手からも大切にされない。

だから、自分を大切にする方法を知るために、勇気を出して離れること。

どんな人が好きか、どういう人生が送りたいか…という具体的なことを思い浮かべる前段階に、まずは自分自身を知るというプロセスが絶対に必要。

地道に続けていたら、きっと思いもよらない形で彼氏ができる。もしかしたら、今まで出会ったことのないタイプかもしれない。私がそうだった。

もちろん、そうなるまでに時間はかかった。

でも、沼から抜け出すために必要な時間だったと思えば、短かったような気もする。一番の近道は、出会い探しより「自分を知ること」だと身をもって知った。

彼氏ができない時期は、まず寂しいし、彼氏のいる友達と比べて惨めな思いをすることもある。自分は誰からも愛されないんじゃないか、誰も好きになれないんじゃないか、漠然とした不安がいつだってつきまとう。

でも、その「彼氏のできない時期」だって自分にとっては必要な時間。

どうかこの記事が、恋愛に悩める人たちそれぞれの「沼」から抜け出せるヒントになりますように。

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