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恋愛したい気持ちを認めたら、彼氏ができる。

私はかつて、恋愛がさっぱりうまくいかなかった。

大学時代のサークルでは周囲に彼氏ができていくなか取り残され、合コンへ行けば蚊帳の外、婚活しても結果が出ず、やっとの思いで彼氏ができてもクセの強い男性ばかりで落ち着かない。

10年くらい「恋愛」そのものに悩み、苦しみ、絶望してきた。

出会いの数とか、自分の容姿とか、モテるモテないとか、男女の脳の違いとか、それはまぁいろんなことを考えて実行したが、1ミリも上手くいかなかった。女性に「若さ・容姿」を重視する傾向にあり、また受け身で消極的な男性が多い婚活市場を恨んだりもした。

彼氏ができないだけではなく、徐々に自分が嫌いになっていくのも辛かった。

誰にも好かれず、誰も好きになれない。男性に軽くあしらわれて傷つき、女性的魅力の自信は底を尽きる寸前。いっそ、恋愛や結婚なんて必要ないと思えたらどんなに楽か…。

きっと私は恋愛が上手くいかないように「できてる」んだ。だったら、彼氏がほしい(結婚したい)気持ちがなくなればいいのに!

そう思えば思うほど「でも…」と苦しんで、少し休んでまた出会いの場に出かける。私の10代後半から20代全般は、この繰り返しだった。

そんな私も、上記を『あの頃』と言えるようになった。自分嫌いと婚活疲労がピークに達し、婚活をやめた半年後に彼氏ができたからだ。

当時を振り返って、私に足りていなかったものは「素直さ」だったと思う。ここでいう「素直さ」とは、男性の前で自分らしく振る舞う…みたいなことではない。

分かりやすい例として、友人の例を挙げよう。

彼女は私と同じ30歳、会社で事務をしている。休日はほとんど推し活で全国を周り、そのほか趣味が多いので常に充実した日々を送っている。

性格も優しく真面目で、容姿も女性らしく可愛らしい。料理がうまく、特にお菓子は絶品である(私は彼女のクッキーが大好物)。一緒にいて心地がいいし、話し出すと止まらない私をにこやかに受け止めてくれる、大切な友人だ。

彼女は今まで一度も恋愛経験がない。本人いわく、推しが好きすぎて理想が高くなってしまったこと、それによって恋愛感情がそこそこ満たされていることが原因らしい。

ただ30歳になった今、「本当にこのままでいいのだろうか…?」と思いはじめたそうだ。歳も歳だし結婚を考えなくてもいいのだろうか、と。そう思い立ち、過去利用していたマッチングアプリを再開したそう。

同僚が次々と結婚して職場を去り、雰囲気的に次は自分であること。また、ずっと彼氏がいなかった私に相手ができたこともきっかけになったそうだ。最近、親からも「婚活したら?」と言われるようになってきたのだとか。

「でも趣味で日々充実しているし、果たして本当に彼氏が必要なのか分からない。今もし彼氏ができても入りこむ隙間がないというか…」

以上の話を聞いて、私は最初「世間に流されて彼氏を作るのは違う。本当に彼氏がほしいか立ち止まってもいいのでは」と思い、彼女にもそう答えた。

ところが、後日ふと「いや、違うな」と思った。彼女は本音のところで心の底から彼氏がほしいに違いない、と思ったのだ。

もちろん、本人に伝えるつもりはない。彼氏ができたから無意識に上から目線になり、こんな風に思ったのかもしれない。全ての女性に恋愛が必要だとも思わない。

ただ、本当に必要ない人はそもそも「悩まない」と思ったのだ。

彼女は一時期マッチングアプリや合コンなど、私のように一生懸命婚活をしていた時期がある。それをやめたときも、同じことを言ってはいなかったか。

「私には本当に彼氏が必要なのだろうか」

人はつらい現実から逃れようと、巧妙に自分を騙すことがある。手に入らないから「本当はいらないのかも」と思うことで心を楽にしようとする。

ただそれはあくまでフェイクなので、しばらくすると再び同じ問題にぶち当たる。

婚活は正直「つらい」。男性に選ばれないと自分の女性としての魅力を全否定された気持ちになるし、誰でもいいわけではないから相手を簡単に好きにはなれない。そして、どんな婚活ツールでも「本当に変な人」がいて、唐突に傷つけられることもある。

だから、恋愛だけが全てじゃないとか、私に彼氏は必要ないとか、結婚しなくてもいいとか、上手な言い訳をして自分を騙す。

私の場合は「どうせ私は」と逃げていた気がする。男性は可愛い子が好きなわけだし、性格なんか見てやしない。私はお世辞にも美人ではないし、男性受けする性格でもないから無理。だから恋愛「できない」んだ……といった思考回路で。

巧妙に自分を騙し、こじつけてまで逃げたくなってしまうくらい婚活はつらいのだ。

長くなったが、何が言いたいかというと…彼氏がほしい、素敵な恋愛をしたいという気持ちに素直になることが大切ということ。

なんなら婚活はやめてもいいが、恋愛したい気持ちは無条件で認めることだ。無条件というのは、現状がうまくいっているかに関わらず「私は彼氏がほしい。素敵な恋愛がしたい」ことを受け容れるということ。

彼氏がほしい自分を「みっともない」「がっついている」「みじめ」なんて思う必要はないのだ。むしろ、そんな自分を「乙女で可愛い♡」くらいに思えてくると(一見バカらしいかもしれないが)案外うまくいったりする。

自己肯定感という言葉が流行っているが、もっと具体的に、なおかつ恋愛したい者向けに言い換えるとしたら「恋愛したい気持ちを自分が認める」ということだ。

恋愛したいと思うのは、恥ずかしいことでも、みっともないことでもない。自分の気持ちを大切にできたとき、素敵なパートナーができるはず。

この認める行為こそ、10年恋愛に悩み、5年婚活しても彼氏ができず苦しんだ私の思う「素直さ」だ。

以前よりそれができるようになった今、私はとてもラクになったし、自分が好きになった。たまに忘れそうになるが、誰かを愛するのはシンプルに素敵なことだから、絶対に恥ずかしいことではない(何度でも言う)。

現在、恋愛や婚活に苦しんでいるならまず「恋愛したい=みっともない」思想が自分に隠れていないか、「本当は彼氏いらないなんてことはない」「むしろめっちゃほしい」と認めてみるとラクになるかもしれない。

人間、素直が一番なのだ。

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