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「上海お茶詐欺」2連発

你好!
趣味が海外旅行の社会人です。

突然ですが、旅先でスリ被害や詐欺に遭った話などの体験談って興味ありますよね?

ちなみに僕は大好きで、よく検索して積極的に情報を得ていくほど。

「他人の不幸は蜜の味」

…という意味ではなく、その方の失敗談から学ぶことが多いから。
つまり、擬似体験することで、その国で安全に旅をする上での心構えになるからだ。

今回は僕が上海でお茶詐欺に遭った話を紹介します。
なんと2連発です!
お茶詐欺とは、外国人を中国茶が飲める茶館に連れて行き、高額な金額を請求するという手口。

先に言っておきますが、中国好きです!
上海も素敵なところです。
中国人も良い人が多いです!
上海などの南方人は品のある方が多いです。
でも良い人もたくさんいるのと同時に、悪い人もそれなりにいます。
これは世界共通ですね。

これは2011年上海旅行の話。
当時僕は中国に留学していた。純粋無垢な学生時代。
中国東北地方の吉林省長春市というマイナー田舎都市から超大都会上海への旅行だ。
昔すぎて今やもうこの詐欺は存在しないかもしれない。


第1回目〜詐欺とは思わぬまま〜

2011年4月。
留学先の日本の友人と3人で上海・南京へ旅行。
僕は中国留学して2ヶ月も経っておらず、中国語を話すことも聞くこともまともにできなかった。

上海の外灘(ワイタン)に到着し、
「ここがテレビでよく観る上海のビル群か〜!」
と、ワーワーキャッキャッと感動しながら写真を撮っていた。

上海 外灘(ワイタン) 2011年撮影

すると
「すみません。写真撮ってもらえますか?」
と中国人女性二人組から英語で頼まれ、写真を撮る。
「どこから来たの?」
「中国語話せるの!?」
「上海はお茶が有名なのよ」
という会話をした後、「じゃあ上海を楽しんでね」というやり取りで終了した。

「上海ってお茶が有名なんだね」
という話を友達としていると、また別の女性に写真を撮ってと頼まれる

さっきのように一連の会話をした後、
「上海はお茶が有名なのよ。もし良かったらこのあとお茶でもどう?」
と誘いを受けた。

友人と「どうする?」
「んー、まあこのあと特に予定もないし、時間もあるから行っとく?」
「中国語の練習にもなるよね」
みたいな話をして行くことになった。

女性は安徽省というところから一人で上海に遊びに来たらしい。
外灘から徒歩10分くらいの茶館に案内される。

個室に案内され、初めて中国茶の実演を観ながらお茶を楽しんだ。
1杯目は茶葉の消毒のため、お茶を注いだらすぐに捨てるらしい。
実際に飲むのは2杯目からということで、中国文化の勉強にもなった。
お茶も美味しかったし、中国語はほとんど聞き取れなかったが、友人たちはペラペラなのでその様子を見ているだけでも楽しかった。

一杯大さじ2程度しか入らない湯呑みにお茶を淹れてくれた。
2杯ほど飲んで、さてお会計の時間。

友人が何やらワーワー騒いでいる。
何々?
どうやらお会計金額が高すぎるようだ。

一人60元(当時の日本円で900円)
…まあここは大都会上海だし、観光地だし、茶館で飲むお茶だったらこれくらいが相場なのかと思った。(世間知らずで平和ボケ)

しかし僕よりも中国生活が長い友人のことだから、この金額はあり得ないのだろう。
何せ試飲程度の量のお茶2杯分だ。
カルディコーヒーのコーヒーサービスの2杯分で900円だ。

たかが900円?
900円くらい払ったら?と思うかもしれない。
しかし僕はまだ学生。
当時の中国で60元(900円)あれば結構良い生活ができる。

60元あったら
ビッグマックセットは3回食べられるし
日本食レストランで好きだったコロッケ定食も3回食べられるし
青島ビールの缶ビールは20缶飲める。

なかなか一回のお買い物で60元なんて使わない。
良いところで食事しても一人20元、食べ放題の焼肉でやっと100元。
だから試飲程度のお茶2杯で900円は相当なぼったくり。

ただ友人は値切りのプロで、色々言ってくれて、47元(約700円)まで値切ってくれた。
まあそれでも高いけど。

そして間違いなく女性もグル。
でも当時はそんなことは疑わず、お店出た後もその女性と連絡先の交換(僕はしなかったけど)と写真撮影までしていたという鴨っぷり(笑)

女性の様子や話しぶりを見ていても、ガツガツしておらず、どこにでもいそうなごく普通の中国人女性で、詐欺をするような性格にも全く思えなかったからだ。
だから悪いのは完全に茶館だと思っていた。


「それ詐欺だよ」と指摘されても

旅行から戻り、中国の友人と相互学習をしていた時に、上海での出来事を話した。
※相互学習:日本語学習者の中国人と、それぞれの母国語を教え合うこと

「茶館行って、中国茶が美味しかったんだよね〜」
「そうなんですね!いくらくらいしたの?」
「えーっと、2杯で47元だったかな?」
「え!?一人の値段ですか?それあり得ないほど高いよ。申し訳ないけど、多分それ騙されてますね。行ったのは3人ですよね?」
「外灘で知り合った中国人女性に連れて行ってもらったんだよね」
「あー、多分ですけど、その女性もグルですね」
「え?でもすごく良い人だったよ」
「申し訳ないですけど、きっと騙されたと思います。普通の茶館だったら、急須1つで10〜20元くらいですよ」
「でも上海だからねー。長春と比べるのもね」
「いや上海でもそんなにしないですよ。たった一杯の量ですよね!?」

というやり取りをしたのだが、それでも騙されたとは思わなかった(笑)

そしてその後も特に気にも止めず、一つの思い出として消化されていった。


第2回目〜やっと詐欺に気づく〜

2度目の上海は4ヶ月後の8月に行った。
前回とは別の日本の友人とともに。

同じように外灘で写真を撮っていた。
そうすると、同い年くらいの女性二人組に
「写真撮ってくれませんか?」
と声をかけられた。

「どこから来たの?」
「えー!?中国語話せるの!?」
「中国語すっごく上手だね!」
「上海はお茶が有名なのよ。これから私たち茶館に行くんだけど、もしよかったら一緒にどう?」
と誘われた。

「あー、なんかこれ前にもあったなぁ」
「お茶だけ飲むのならいっか?」
「あー、でも面倒だな…」
と内心思いながら、友人と相談。

今回もまたこの後の予定も特にないし、お茶だけならいっかということで承諾した。

外灘から10分ほど歩いて茶館に到着。

…って、ここ前回も来たところ!!!
全く同じ!!!

この瞬間に、ようやく4月のやつも詐欺だったと気付いた。

そしてすぐに、
「あ、ごめんなさい。急遽予定できたからバイバイ!」
と言って足早に逃げた。

つい誘いには乗ってしまったが、未遂に終わって良かった。


失敗から学んだこと

ネットで「上海 お茶 詐欺」と検索すると、出てくる出てくる似たような経験の数々が(笑)

この「上海お茶詐欺事件」の実行犯は、茶館とその女性たちで、主に外国人男性をターゲットにしているようだ。
中国に来たばかりの旅行者や駐在員などに
「写真を撮ってくれませんか?」と声をかけ、話のついでにお茶に誘う。
カフェでのお茶ではなく、茶館で飲む中国茶。

茶館で飲む中国茶というのが味噌で、定価が分からない。
金銭感覚が分からない外国人は格好のターゲットとなり、数種類のお茶を何杯か飲ませて、数千円〜数万円を請求し、楽しくおしゃべりして解散というわけだ。

人によっては、僕たちのように詐欺とは気づかないまま終わるケースもあるのだとか。

しかしその中には、10万円を請求されたとか、脅しにあったとか恐ろしい経験をされた方もいらっしゃるようだった。
僕たちは幸いにも1,000円程度で済んだし、それ以外のことは何もなかった。
多分これまでの中で全く儲けにならなかった客だと思う。
詐欺というかぼったくりと言ったところか。
可愛いもんだ。

きっとこの程度で済んだのは、僕たちが中国で生活していて、金銭感覚や中国文化にある程度理解があると判断されたため、そこまで吹っかけることができなかったのだろう。

日本では
「知らない人には着いて行ってはいけません」
と幼い頃教育されていたのに、
大人になってからはそれが出来なくなるのは何故だろう?(汗)
日本国内の出来事で考えても、その場で写真を頼まれた人に、その後すぐに「お茶しませんか?」と誘われたら怪しいと思うはずだ。

きっと海外にいると、どこか無意識に気持ちが開放的になっているのだと思う。
だから異文化交流とかなんとか言って、つい知らない人ともすぐ仲良くなれたような気になってしまう。

また2回とも言えるのだが、誘いを受けた時の共通点として
「このあと特に予定がないから行ってみよう」
と判断したのが良くなかったと考える。

行き当たりばったりの旅も楽しいが、旅先で誘いを受けて「なんか嫌だな」「面倒だな」と思ったら、自分の気持ちに素直に従うのが一番。

もちろん話しかけてくる人や誘ってくる人全員が悪い人とは限らないが、観光地や人通りの多いところで話しかけてくる人は、それなりの下心があると思った方が良い。

当時学生だった僕は、ぬるま湯環境で周りも良い人たちが多かったため、世間知らずの平和ボケ人間だった。
まあ、上海お茶詐欺事件の出来事は、些細なお金で済んだし、良い勉強代になった。

…それでも留学を終えた一年後に、今度は台湾で失敗することになる。

最後までご覧いただきありがとうございました。
謝謝!

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