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定着してほしい「地史」

かねてから「地史」という学科教科区分を共有すべき!と小声でボソボソと提唱し続けている。
地史とは、地学/気象/天文と、地理/歴史を時空間座標を基軸に同じジャンルとして扱い一緒くたに理解把握してしまおうという括りだ。

この括りのメリットは、時空間スケール基準を案外精確に把握できることにある。
10^-1 ~ 10^-4m つまり1m~0.1mm範囲ほどの桁単位だと、地質分析の視点になる。これより小さな空間スケールは、他理工系分野に席を譲る。これ以下の空間スケールについて人文系学問はてんで役に立たない学問だ。
10^1 ~ 10^4m つまり10m~10km範囲ほどの桁単位だと、郷土史や地域経済、地域気象、地形調査の視点になる。
10^4 ~ 10^6m つまり10km~1000km範囲ほどの桁単位だと、国史や社会地理、気象現象や造山活動・海域研究の視点になる。
10^7 ~ 10^8m つまり1万~10万km範囲ほどの桁単位だと、太陽系など恒星惑星間の視点だ。
これ以降の空間把握は桁が大き過ぎ、天文学の独断場になってしまうが
~ 10^18m 銀河系の直径
~ 10^22m 星団間の距離単位
~ 10^26m 地球が存在しているこの宇宙(univers)のおよその推定値
10^27m ~ マルチバースの理論値


かたや時間スケールのほうも
10^-1年だと近世史や通年の気象情報の視点になる。これより小さな時間スケールは他分野に席を譲る。昨日今日来月のことをゴネゴネまことしやかに語る学術分野はごまんとある。
10^1 ~ 10^3年だと人文歴史いわゆる有史や人文地理の利用変遷の視点になる。
10^4 ~ 10^7年だと人類史や地層、プレート移動研究あるいはヒト種滅亡推定の視点になる。
10^8 ~ 10^10年だと古生物や古地質学、惑星形成や地球滅亡推測の視点になる。
10^11年 ~ は宇宙の起源や銀河形成、ビッグヒストリーの視点になる。これ以前について現在の人類はあいにくまだ知見も理論も持ち合わせていない。

周知のとおり10^10m以上や10^10年以上は「光年」や「パーセク」など時空間の区別がない単位で示され、時間と空間を仕分けて並べることに大して意味をなさなくなるが、スケール感を把握いただくためここでは敢えて空間と時間で切り分けて記載した。


宇宙の果ての外の世界から足元のアスファルト成分まで、生まれた頃の時事ニュースから宇宙誕生まで、ひとからげで学べ把握できる!
こりゃなかなか結構なもんございますですよ、あぁた。
現実世界をこんなに精確に愉快に学べ視野の広がる学科教科へ、なぜ皆が賛同しないのか?不思議でならない。

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「地史」を提唱する根拠がもうひとつある。
関係研究者の研究姿勢に好感を持っている。
私の知る限りの学術研究者でサンプル数が少ないが、地学者/気象学者/天文学者は自研究のみならず隣接学問への学びにとても意欲的だ。
また史学者/地理学者――および地史範疇からは漏れるが言語学者――は、人文系の学者にしては珍しく史実証左や物証による論拠を重視し、真偽判定にも慎重である。

「地学/気象/天文と地理/歴史をひとっからげで把握する教科ジャンルで捉えたほうがいいと思うんですけどね、勝手に地史って呼んでるんですけど」と私が妄言を広げても、ああそれもいいかもしれませんと寛容に応対してくれるように思う。


学問名は他命名でも構わないのだが「環境なんたら学」「地球なんとか学」はいかがわしいエコ思想周辺・SDGsゴロつきの輩があまりにこすり倒したため、「地史」と仮命名している。

学術界に地史と命名された学究分野は今でこそ存在しないが、傍流ながらクリオダイナミクス(歴史動力学)といった発想もあることだ、数10年後、地史の有意義を認め、大学般教の常識カリキュラムぐらいになってくれているといいなあ。

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「地史」のポジションMapを作ってみたサイト





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