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訪問看護ステーションの急拡大の秘訣とは? 医師/ケアマネ/利用者に選ばれるステーションになる為の考え方

今回は千葉県の訪問看護ステーション「さくら咲くGroup」の代表である天野様(以下敬称略)にインタビューさせていただきました。
さくら咲くGroupさんは開業から約2年半で3拠点へと拡大、訪問時間は直近の約1年半で3倍へと急拡大しているステーションさんです。また、SNS活用など新たな仕掛けもどんどん取り入れています。そんなさくら咲くGroupさんが、どのような経営方針で運営をなさっているのかお聞きしました。

2年半で3拠点、1年半で訪問時間3倍へ。

 ゼスト まず、さくら咲くGroupさんのことについて教えてください。開業されたのはいつでしたか?
 
天野 開業したのはいまから約2年半前(インタビュー当時)の2020年4月です。まず千葉県の八千代に1拠点目を開きました。そこから同じ千葉県の佐倉、船橋へと拡大していきました。
 
ゼスト 2年半で3拠点まで。本当に急拡大ですね。我々のZEST(スケジュール管理ツール)を導入いただいたのはいつ頃でしたか?
 
天野 ZESTを使い始めたのは開業した1年後ですね。当時、月間訪問時間が500時間ぐらいでした。それでもスケジュールの調整には時間がかかっていたし、拠点拡大等に時間を使う為には、属人化している状態を打破しないといけないと思って。それからおおよそ1年半が経ち、今では訪問実績が1,550時間になりました。
 
ゼスト それって、3倍じゃないですか?本当にすごいですね!看護師の方々は今何名いらっしゃるのですか?
 
天野 職員もZESTを使い始めたころは看護師5名でしたが、今は15名です。
 
ゼスト みなさん、訪問看護を経験されてきたんですか?
 
天野 いいえ。訪問看護の経験者は15名中1名だけです。
 
ゼスト 天野さんも訪問看護は未経験でしたよね。
 
天野 そうです。でも、看護師さんが起業するんでしたら、訪問看護の管理者を経験してからの方がよいと思いますよ。いろいろルールがあって、開業してから勉強するのでは時間のロスが大きい。私の場合は訪問看護の開業コンサルタントにいろいろ教えてもらっていました。

医師・ケアマネから信頼されるサービスを計画的に提供する。

 ゼスト 初期のころはどんなところに悩まれましたか?
 
天野 とにかくなんでもですね。しかし、介護と医療のバランスをどうとっていくのか、経営観点でどういった状態を目指していくべきなのかは特に頭を使ったかと思います。
 
ゼスト そうなんですね。いまの介護保険と医療保険の割合はどの位ですか?
 
天野 介護保険と医療保険の割合が6:4 です。他のステーションより医療の割合が多いかと思います。いまはクリニックや病院からの依頼が多く、内容的には退院後のご利用とか看取りとか。結構、忙しいです。
 
ゼスト 経営観点上単価は医療保険の方がよかったりするんですか?
 
天野 医療保険と介護保険の単価は一概には言えませんが、結局は介護も医療も、重症例や介護度の高い利用者さんの依頼であれば、必然的に訪問回数が多くなるので、その結果、売上も上がります。
重症例や介護度の高い利用者さんの依頼が来るまで、ケアマネさんや医療機関との信頼関係をどう構築するかが大事です。
 
ゼスト なるほど。ちなみに特指示などで1日に複数回訪問可能な場合、どうやって訪問回数を決めているのですか?
 
天野 主治医の方にもよりますが、通常、訪問回数はわれわれ側で決めるよう委ねられますね。特指示期間で、どのような訪問をさせていただくかが、信頼を勝ち取る上で重要です。
 
ゼスト と言いますとどのように重要なのでしょうか?
 
天野 例えば、褥瘡(じょくそう)なので毎日入ってくださいという指示でも、褥瘡だけでなく、その新規の利用者様が初めての在宅介護の場合、介護のための環境を整えることを考えます。
特指示期間中に、介護保険でのサービスをケアマネジャーさんに整えてもらいつつ、在宅介護環境を整え、準備が整ったら、介護保険でできることは介護側にパスします。
言われたことしかやらない事業者も多分あるだろうけど、我々は、特指示の2週間を有効に使い、在宅介護環境を整えることを心がけています。
同じ指示内容でも、褥瘡の処置しか行ってなかったら、褥瘡が治ると医療では入れなくなる。
介護保険だと週1回の訪問だけになるので、準備が整っていないと、利用者様のストレスも大きいです。
環境を整えずに特指示期間を終えてしまったら、また褥瘡が起きかねない。褥瘡がひどくて入院が必要になっても、もう受け入れてくれる病院がなかったりしたら目も当てられないですよ。

ゼスト そういった特指示期間中の対応は、開業されてから勉強したり、経験して身に着けたのですか?
 
天野 経験を積みまくりました(笑)いろいろやらせてもらったというか…
 
ゼスト ZESTのトライアル期間中も天野さんは訪問で超多忙でしたよね。
 
天野 そう。一日最高で14件。朝7時から夜8時すぎまで。今は笑い話だけど、おむつ履きながらやっていたこともありました。
 
ゼスト ええっ!?

天野 トイレに行く時間もなかったんです。冬で寒かったし。車に置いてあるサンプルがあったので、これを履くしかないと思ったんです(笑)
 
ゼスト 1日14件も訪問しながら経営もしていたら、そうなっちゃいますよね。
 
天野 最初は件数も少なかったので自分だけでなんとかできたけど、訪問時間数が月500時間になると、自分で訪問しながらスケジュールも作成するのはもう限界でした。もう、無理と思っていて、たまたまインスタでみたZESTに、これだ!と思いました。

ビジネス視点で効率だけを追い求めず、真にあるべき姿を追求することがスタッフのやりがいにつながり、サービスの質向上につながる。

ゼスト そうでした。天野さんからはインスタ経由でお問合せいただきましたね。ちなみにSNSは、採用目的でお使いなのですか?
 
天野 ええ、採用もうそうですが、ステーションの情報発信としてもSNSを活用しています。風邪を引いたときとか、どこの病院に行くか自分で決めますよね。でも訪問看護はそうなっていないことがほとんど。本来は、サービスを受ける人が、誰からサービスを受けるかを選べるのが理想ですよね。その為には訪問看護側からの発信も強化していかないといけないと思っているんです。
 
ゼスト 私も自分で選びたいです。信頼できる看護師さんがいるところに頼りたいと思いますね。
 
天野 ただ、そういった活動を通してビジネス色が強くなりすぎないように注意しないと、本来やりたいと思っていた看護ができなくなるという懸念もあります。例えば、今3つの事業所を展開していますが、拠点によって利用者の層やサービス時間が違うこともあります。
特にリハビリは40分で件数をこなす事業所が多いと感じます。キャンセルによる売上減も、60分より40分の方がダメージは少ないですし、件数が多ければさらにリスク回避にもなります。もちろん、他サービスとの兼ね合いもあり、40分でしか出来ない方もいますが、身体介護だけでなく、生活環境の整備も訪問リハビリの大切な役割と捉えると、ウチではできる限りリハビリは60分を勧めています。

ゼスト たしかに、ZESTのお客さまでもリハビリを40分で提供している事業所が大多数です。
 
天野 もちろん、40分でもいい結果を出す人はいっぱいいるけど、療法士さんの面接をしていると40分は短すぎて、やりたい事ができないので60分がいいと言っている療法士さんは実際に多いです。
 
ゼスト 療法士さんも60分が良いと言ってるんですね。
 
天野 そう、経験者はみんなそう言いますね。でも現実は、ビジネスでは40分の方がいいということで、そっちの方が多いのだと思う。僕らは、知恵を振り絞って、療法士さんがやりたいことができる60分をメインにしようということにしたのです。
その為、ウチでは看護師だけでなく、療法士も7時間勤務にしていて、9時から5時までの勤務の下で60分間の良いサービスを提供しています。看護とは単純に比較できないけど、すごく良いリハビリ・サービスを提供できていると自負しています。
 
ゼスト たしかに、いろいろやりたいことがあると40分ではカツカツですね。
 
天野 介護保険におけるリハビリの点数がこれを証明していると思うのです。介護保険において、看護は点数が上がっているが、リハビリは点数が下げられている。これは、結果を伴っていないという評価からではないかと思うのです。
介護保険でリハビリをしっかりしていたから末期の医療保険期間が短くて済んだということになれば、介護保険のリハビリはいいよね、ということになるのだろうけど。今は、介護保険でのリハビリの効果が評価されていない。マッサージのためだけに介護保険を使っていると思われているのじゃないかな。
 
ゼスト なるほど。
 
天野 ウチではリハビリ計画が重要だと思っています。ゴール設定をしっかりやる。例えば、「訪問リハビリ卒業」。ゴールをしっかり意識しています。逆に、介護保険でリハビリの点数をあげるべきだと言われるような存在になりたいです。
 
ゼスト リハビリの卒業を目指すって素晴らしいですよね。スタッフさんにとってもやりがいになりますよね。
 
天野 あと、ウチの強みは、リハビリと看護の連携です。新しい看護ステーションの人数の基準として、看護師6:療法士4と言われていますが、ウチはその話がある前から、6:4の基準をイメージし、連携に心を配ってきました。
 
ゼスト なるほど
 
天野 ケアマネさん達との多職種連携も意識しています。すごく一生懸命のケアマネさんがいて、よく訪問してくれたり、ヘルパーさんを手配してくれたりして頭が下がります。
色んな職種の人が協力しあって、利用者さんのために一致団結する。達成感をみんなで共有することを意識しています。
 
ゼスト 同じ地域の訪問看護ステーションとの連携はいかがですか?
 
天野 八千代だと所長会があって、他に比べて活発に活動している方だと思います。2か月に1回、みんなで集まって、地域のあるべき姿を議論したり、情報交換しています。
 
ゼスト さくら咲くGroupさんがどうやって急成長してきたのか、いろいろ聞かれるんじゃないですか?
 
天野 そうですね。ちょっとあり得ない速さで成長していますからね。ZESTを活用していることもお話していますよ。
 
ゼスト ありがとうございます。
 
天野 一番の違いは、最終決定、意思決定がすぐできることですね。僕が訪問看護の前線にいながら経営をやっているので、自分で直ちに意思決定しています。
 
ゼスト ZESTの採用も即決していただきました。
 
天野 いいものはすぐ採用します。やってだめだったら、次、違うやり方を試します。ZESTの場合は、採用して本当によかったです。
 
ゼスト そう言っていただけると嬉しいです。今日は、いろいろお話しいただきありがとうございました。

在宅医療の訪問スケジュール調整を自動化するツール「ZEST」

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