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ZERO PCの新たな動き2024〜故郷を追われる人が増え続ける社会で〜

こんにちは、ZERO PCを運営するピープルポートの代表、青山です。

今日6月20日は世界難民の日。
忙しい日々の中で、世界で起きていることに思いを馳せるきっかけをくれる大切な日です。そんな日に、世界の状況、そしてZERO PCの新しい取り組みをお伝えできればと思い、noteにまとめました。


◉難民を取り巻く状況


ここ数年の情勢の変化は目まぐるしく、2022年末、人類史上初めて強制的に故郷を追われた人の数が1億人を超えました。
2024年5月末時点では1億3000万人を超えていると言われています。

引用:https://www.japanforunhcr.org/appeal/trend

世界各地で武力紛争、政治問題などが起きていて、
この日本でも2023年度は1万人を超える人たちが難民申請をしています。避難先での生活は困難になることが多く、特に難民認定に非常に厳しい日本では、数年にわたる希望が見えない生活の中で、困窮している人たちが多くいます。

ZERO PCは、難民として逃れてきた人たちが安心して働けて希望を持って生きられるよう、パソコンの再生事業を通じて直接雇用をしています。

より多くの人が避難を迫られているということは、避難の受け皿も大きくしていかなければならないということ。
その中で企業が果たせる役割はとても大きいという想いで、事業に取り組んでいます。

◉「雇用される」だけでなく、チームの一員として


※プライバシー保護のため、難民背景を持つメンバーの顔は非公開とさせていただいております。


ZERO PCでは、2023年から新しくスタートさせた取り組みがあります。
「OKRキャンプ」と呼ぶ丸一日メンバー全員でオフィスを離れて行う1DAYキャンプです。
日々の業務の中では考えることが難しい、
・全体戦略の共有
・各部門の目標/アクション共有
・ミッション/ビジョン/バリューの作成およびブラッシュアップ
をみっちり話し合います(いつも終わりの時間になると、若干の酸欠、脳みそ筋肉痛、将来への高揚感で変なテンションになります笑)

こちらは2年連続、私の古巣ボーダレスハウス浅草橋のバースペースをお借りして行なっています。

ピープルポートの社内言語は日本語と英語なのですが、全員で集まって話すときは基本的に英語になります。
このOKRキャンプでは通訳の方にも来てもらって、英語が苦手なメンバーでもしっかり参加できるようにしています。

今年も3月にOKRキャンプを行ったのですが、そこで大きく決まったことが2つあります。

一つ目は、長期目標。

「2030年までに、日本一多くの難民背景を持つスタッフが活躍する”会社”になる」ことを決めました。
そのためには直接雇用100名、売上30億円の規模を目指すことになります。

年商1億円ちょっとの今の私たちにとっては大きな目標ですが、世界で増え続ける難民のことを考えると、1社だけの力ではまだまだ足りません。
それでも、今この自社雇用にこだわる理由が2つあります。

1つ目は、「業務に合わせた採用」では雇用されにくい人たちがいること。
会社はそれぞれ目標があって、その達成のために業務が生まれて、その業務に合う人を採用することが基本です。
しかしこの採用の仕組みだと、他国から避難して来た人たちにとって圧倒的に不利になる場合があります。「言語の壁」が非常に高いからです。

だから、難民当事者の状況にあった仕事、そしてチームの環境を創る。つまり「人に合わせて仕事をつくる」ことが当事者の状況を改善していく上で必要だと思っているのです。だから自ら事業を創り直接雇用に取り組んでいます。

2つ目は、他の企業、団体に真似してもらえるロールモデルになりたいということです。「難民」というバックグラウンド、その中で異なる国籍、宗教、性別などを持つチームで社会に対してポジティブな成果を出していく。1社だけでは到底解決できない世界規模の人の移動に、より多くの会社を巻き込んでいくためのファーストペンギンになりたいと考えています。

ちょっと横道に逸れてしまいましたが、

OKRで決まったことの2つ目、
それはミッション/ビジョン/バリューです。
ミッション/ビジョンはブラッシュアップという形で、バリューの部分は上の長期目標を達成する上で、「我々はどうあるべきか」を改めてゼロベースで話し合い決めました。

ミッション:

有意義な仕事の機会を通して故郷を追われた人々と共に安定した未来を築き、それぞれの特性を活かしながらより良い社会づくりに貢献をする。

ビジョン:

誰もがバックグラウンドに関係なく尊重し安心して暮らせるインクルーシブな社会の実現

バリュー:

1. 違いを尊重する/Respect Differences

社会の多様さを学び、一方的な価値観や役割を押しつけず多様性を尊重するための行動を取る。我々は、誰もが価値ある貢献ができることを信じている。

2."与える人"である/ Giver

仲間の行為に感謝を伝え、協力依頼に行動で応えられる。
他者をエンパワメントするために骨身を惜しまない。

3. 誠実/Integrity

全ての行動において、誠実さと透明性を持つ。
相手の考え/意見に耳を傾け、自分自身の意見も伝える。
顧客にも仲間にも自分自身にも嘘をつかず、誠実であろう。

4. 革新 /Innovation

常に自らの能力の向上を目指し、より良い結果を出すための新しい方法を模索する。

5. プロフェッショナリズム/Professionalism

常に顧客、そして社会に対して最高の成果を提供する。
全ての時間と行動は、そのためにある。

6. 持続性 /Sustainability

我々の未来そして環境を守ることに努める。

我々の場合、難民背景をもつメンバーを採用するときは本人の言語力、ビジネススキルなどはあまり重視しません。ただ、入った後は同じチームの仲間として、ミッション/ビジョン/バリューに沿った行動を求めていきます。

◉今後の展開〜避難先と世界の架け橋に

さて「2030年までに、日本一多くの難民背景を持つスタッフが活躍する”会社”になる」ことを決めました。
では実際に何をしていくのか。

まず今ZERO PCで取り組んでいるのは、「日本語が話せなくても安心して働ける」環境を作ること。


数年にわたる難民申請手続きの間、経済的に安定し、生活を落ち着けることはとても重要です。ただ、難民認定率が1%台の日本。数年待った先に難民として不認定となり、強制送還の対象となる可能性が高いのが実情です。

なので、次のステップは、「ビザ(在留資格)の書き換え」ができる事業を創ることです。高度なスキルを身につけ、日本社会に貢献する人材になれば「難民申請」を根拠としたビザではなく、「働くこと」を根拠にしたビザ取得の可能性が出てきます。(パソコン再生事業では難しいということが現状わかっています)
これを「Shopifyの運営/開発」事業で実現したいと考えています。


引用:https://bindec.jp/media/555953132165/

越境ECプラットフォーム(国を跨いだオンライン販売)のShopifyはサイトの構築にプログラミング知識/技能が求められ、この仕事はビザの書き換えにつながる可能性があります。
また、ただ単にWEBサイトを作るだけでなく、当事者が持っている
・多言語能力
・日本人とは違う日本製品の魅力発掘
という強みを活かし、日本の高品質なプロダクトを世界に届けていくお手伝いをしたいと考えています。

国を超えて避難して来た人たちが、強みを活かしながら避難先国の製品を海外に広めていく。その結果、現地企業の活性化に貢献し、本人の在留資格も安定する。そんな構想を描いています。

補足ですが、なぜビザのハードルがあるのに先にパソコンの再生事業を始めたのか。これはShopifyなどWEBサイト構築のスキルを身につけるには時間がかかるからです。当事者たちはその間も生活を成り立たせていかなければなりません。その最初の受け皿として、比較的技術習得がしやすく、会社としても活躍の場が作りやすいパソコン再生事業を選びました。
パソコンを再生する仕事で生活を安定させ、その間に勉強を進めShopifyの部門に移っていくということが当事者にとっても、会社にとっても持続可能性があると考えています。

◉採用情報:ZERO PCでは新しい仲間を募集しています!


ビジネスとしても、ZERO PCは昨年比150%ほどで成長を続けています。
それに伴い、絶賛「事業開発ポジション」のメンバーを募集中です!

「難民問題」、そしてZERO PCが取り組むもう一つの課題「環境問題」に関心があり、自分の力を問題解決に注ぎ込みたいという方、ぜひご応募お待ちしております!

エントリー前のカジュアル面談も行っておりますので、ご希望の方は下記よりお申し込みください!
※1. 添付資料の項目は、何かお写真かデータを貼り付けていただくだけで構いません(特段指定はございません)
※2. ご興味にあるポジションは「ZERO PC事業開発」と記入ください。



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