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右足が「居着く」と、ヘソが左向かない

ヘソが左を向かない。

これはつまり「胴体が左回旋しない」ということです。

これまで多くのランナーのフォームを見てきました。そのなかにはもちろん「走力が上がらない」「故障が治らない」と悩んでらっしゃるランナーも含まれます。

そのような方々のフォームを見るとたいていは、胴体の左回旋域が小さいんです。それはもう、びっくりするくらい、そうなってます。

ただ、ひとくちに「胴体の左回旋域が小さい」といっても、そのなかで大きく分けるとふたつのパターンがあります。

ひとつは、胸郭も骨盤も一緒に左向かないケース。もうひとつは、胸郭はまっすぐ前向いてるんだけど骨盤が左向かないケース。

対処方法はそれぞれ異なりますが、このふたつに共通するのが「骨盤が左向かない」こと。

骨盤が左向かないということは、左足の着地点が前遠方に移動してしまいますから、これが推進力に対するブレーキになったり、オーバープロネーションの原因になったりします。

そこで「ヘソを左に向けること」を意識して動きを整えるわけですが、これがまぁ、なかなかひと筋縄ではいかないわけで。

シンプルにヘソを左に向ければ済む話なのに、これがなかなか身体に馴染まない。

こんなことを言ってる僕も、うまくできてないことがあります。

フォアフットロッキング・スキル

今年の1月に裸足で走った勝田マラソン。

このコースって、裸足で走るのにはもってこいのコース。「痛い」って感じるところがほとんどありません。

そんなこともあり、特に足裏には大きなダメージを負うことはなかったんですけど、とはいえ2箇所、水脹れができていました。

両方とも左足。

「外側のエッジの部分」と「人差し指の付け根付近」です。右は無傷でした。

この2箇所の水ぶくれは、ヘソが左向いてるかどうかを評価する上でとても重要な情報です。

まず「外側のエッジの部分」の水ぶくれに関して。これはヘソが左向かず、左足の着地点が前方偏位することによって発生します。

また「人差し指の付け根付近」の水ぶくれに関しても同様で、着地点の前方偏位によるオーバープロネーションによって、最大荷重時に必要以上にアーチが潰れてしまうことが原因です。

こんだけ人に「もっとヘソを左に向けよう!」と吠えまくっている高岡が、ヘソを左に向けようとしないわけがありません。もちろん意識はしていました。

なのに、ヘソは左を向いてくれないんです。これって、なんで???

その原因が今日のテーマである「右足の居着き」です。

「居着く」とは、どういうことかというと…

「母趾球の転がりが滞っていること」です。この動画をご覧ください。
https://youtu.be/sEfx58QPjcY?si=poQkSNmXYz4_9wJO

動画の前半のように右母趾球を深く転がすことができれば、ヘソは左を向く。つまり骨盤の左回旋を誘導できます。
※動画では左母趾球を転がしています

しかし、動画の後半のように右母趾球の転がりが半端、つまり滞ると、ヘソは左向きません。

では、なぜこの場合、右母趾球の転がりは滞ってしまうのか?その原因は…

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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員