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『スキャンダル』

原題「Bombshell」

◆あらすじ◆
2016年。FOXニュースのベテラン女性キャスター、グレッチェン・カールソンは、人気番組の担当を降ろされたのを機に、絶大な権力を笠に着て長年セクハラを繰り返してきたロジャー・エイルズCEOを訴える準備を進める。


アメリカ保守系メディアの代表とも言える【FOXニュース】で起きたセクハラ事件の映画化で尚且つ聖林を代表する3人の女優が演技合戦となれば観ない手は無い!
シャーリーズ・セロン×マーゴット・ロビーじゃ堪んないぜ!!
(ニコール御免(;^ω^))


で、観終わったらもう胸糞悪いったらありゃしない!!ロジャーめ!!

全米を揺るがせた2016年の実話がもう映像化されるって、この女性蔑視やセクハラ問題はアメリカでもかなり根深い問題だからね。
まさにこの映画鑑賞した日、映画プロデューサーで長年に渡るセクハラ行為で訴訟を起こされ、#MeToo運動にも繋がったハーヴェイ・ワインスタイン事件に有罪判決が出たがこの映画のFOXニュース元会長エイルズとめちゃキャラ被る。「女に仕事を与えてやってる」って言う馬鹿げた言いぐさに鉄槌を喰らわせてやりたいわ!そしてこれがまだまだ途上だって事に虚しさを感じる。

そんでもってやっぱり原題とはかけ離れた邦題にも呆れる。
原題の『BOMBSHELL』には以下の様な意味合いがあるようだ(辞典より)
1爆弾; 砲弾. 
2[通例単数形で] a《口語》 (通例不快な) 人を驚かすような事,突発事件.
b《俗語》 魅力的な女性,かわいこちゃん.

だから原題チェックはやめられないんだよなあ。
だって邦題の『スキャンダル』ってこの映画観たらこんな陳腐なタイトル付けられないよ。
この原題の意味が作品の内容に全部当てはまってるんだからね。
そう、突発的に人を驚かすし、魅力的な女性とかわいこちゃんが主人公だし、彼女達が色んな意味で爆弾だって事よ。

だぁ〜かぁ〜らぁ〜あんなアホみたいな気持ち悪いセクハラ爺が目を付けてわざわざ誰にも見られずに自分の部屋まで来させるルートまで作っちまうって・・・どうよ!イヤラシイの通り越してマジ変態でしょ!

同じ女性としてあまりにもバカにしててあのエロジジイの一言一句が腹立たしいしそこまでしてアンカーになりたいのか?って思っちゃうんだけどねぇ・・・。
アタシは無理!ブッ叩いて肉で隠れて見えなさそうなキン⚫︎マ蹴り上げてやる!!

でも、あのロジャー・エイルズってエロジジイをジョン・リスゴーがやってるんだけど彼の特殊メイクはカズ・ヒロじゃないの?どうなの?このメイクも凄かったけどねぇ。ホントにクソにしか見えなくてそれはもちろんジョン・リスゴーの演技が凄いのもあるんだけどあの質感みたいなのがウェ〜なのよ。解るかなぁ・・・この感覚。

で、もちろんオスカー受賞のメイクは素晴らしかった!あの女優たちの変化は見事。
カズ・ヒロ氏が一番チカラ入れたって言ってたシャーリーズ・セロンは彼女の世界に類を見ない程の美しさ(個人観)をちょっと美しい位の女性にレベルを落としてる辺りが凄い!(笑)
どうやらソックリだって事で話題に・・・。

御本人とシャーリーズ・セロン


それとニコール・キッドマンが思った以上に良かったのでホントにこの感想の冒頭で仲間外れにして申し訳ないって反省。
この告発の発端だった彼女の覚悟ある行動には脱帽。スッピンも良かったしカメラの前とプライベートでの様子の違い等々、凄く納得のいく人物像で個人的には一番好きなキャラだった。
内心は結構怖かったと思うけどあの堂々とした姿勢は共感出来る。

マーゴット・ロビーはピッタリなキャスティング。
彼女の【餌食感】が見事に表現されてたと思う。彼女の役柄は実在じゃなくオリジナルキャラらしいね。
あのスカートたくし上げるシーンはホント嫌だったな。もしかしたらあのシーンが一番ショックだったかも。気持ち悪いの極致!ホントああいうのに従っちゃダメだってずっとずっと彼女に向かって叫んでたな。

それとケリー(シャーリーズ・セロン)の側近の女の子達が結構な働きぶりで好きだった。
ああいう感情をしっかりコントロールしながらも強気で動いてく子達好き❤

Liv Hewson & Brigette Lundy-Paine


まぁしかし、あんなセクハラがバレてまでエイルズを支持するチームは何?

それと最後だよね!
結局、エイルズが失脚してもあの世代でトップが変っただけじゃ元も子もないって事なんだよねぇ?古い体質を一掃しないと時代は変わらない・・・。

と、まだまだセクハラ問題は途上と言う感じで映画は終わってるけど今は女性のCEOになって状況は変わったんだろうね。いや、変わってて欲しい。

あぁ、しっかしこの女性に対するセクハラにしても性差別問題は男が女を下に見てる限り無くならないってのホント、ムカつく!

でまぁ、いろいろ書いて来たわけだがこの映画女優たちの華やかさが取りざたされるから一見派手に感じるんだけど実は結構地味と言うかそれほどドカーンて言う感じでは演出されてないんだよね。もちろん実話で抑圧と闘うわけだから表立った動きが出来ないって事も描かれてる。そこなんだよね。アメリカでもホントに大きな会社の一員がその会社のトップを告発しようってんだから並大抵の覚悟じゃないわけ。それも蔑視されてる女性の立場でよ!もしかしたらこの訴え実態が捻じ伏せられたり結局訴えを支持してトップアンカーの仕事を奪われてしまうかもしれない恐ろしさもあるわけ。
でも、シャーリーズ演じるケリーの役で見れば慎重に事を運びつつでも彼女の中に芽生えて来る【感情】が「今やらなきゃいつやるの!」って当然『今でしょ!』ってなってね。やっぱり団結する事が成果を生んだんだね。それは秘密裏に情報を差し出した人も居ればしっかり訴えに加わった人も居たわけでそういう色んな形での協力ってのがコツコツと描かれてる所がこの映画の面白さだったんだよ。

自分の仕事を犠牲にしてまで計画を練り訴えを起こすグレッチェンと、様子を見つつ自分の中に次第に湧き出て来る沸々とした怒りを最後にはきちっとした形で表すケリー、そして一番近々にセクハラを受けたケイラのそれぞれの道の切り開き方が楽しかったよ。

あと、忘れちゃならねぇ・・・・同性愛者をオープンにしてるケイト・マッキノンがマーゴット・ロビーの同僚且つ同性愛者役で登場。彼女の役柄が凄く等身大の感じで良かったんだよね。その点でもまだまだセクシャル・マイノリティの立場やその見せ方も切実さを感じた。マーゴットとはSNLで共演済みで意気投合してたらしく二人のシーンはなかなかケミストリーが合って良かった。二人の関係性が友情もしくはややそれ以上な雰囲気もあってそういう所見逃せないよね。

ホントにまだまだ女性の地位は発展途上、女性地位向上!ガンバロー!!!
( ✧Д✧) カッ!!



2020/03/01



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